松田詩野、9位でフィニッシュ。五十嵐カノアもR3進出。CS第3戦「Quiksilver and ROXY Pro France」大会3日目

松田詩野と五十嵐カノア

取材:永島未知子  キュ・ニュ ホセゴー/フランス (2021年10月20日水曜日) WSL チャレンジャーシリーズ第3戦「Quiksilver and ROXY Pro France」大会3日目。

 

朝はまず男子R1の残りのヒートからスタート。2ヒート終わるとそこからは2バンクスでの開催に。進行スピードは2倍の速さとなり、男子が終わると女子のR2、続けてR3までが行われた。そこからはまた男子に戻り、男子R2の全てのヒートが終了した。

 

 

 

この日は朝一番のヒート、男子R1のH 14に西修司、続くH 15に大原洋人が登場した。

 

未明から吹き始めた南風は朝の時点もやまず、会場は生暖かい不思議な空気に包まれていた。波のサイズは3〜4フィート、ハイとロータイドの差が89と潮位の動きも大きく、面が整わないジャンクなコンディション。

 

 

H 14で西は「単純に左側のレフトがいいかなと思って左側を選びました」と、1人ジャッジから見て左側にポジションを取るも、スコアの出せる波を捕まえられない。本人のエンジンがかかる前に終わってしまった。

 

大原洋人© WSL / Poullenot

 

続く大原洋人のヒート 15。風はさらに強くなり、始まる前にMCからアナウンスが選手のいるアウトまで届くかどうかの確認が入るほど。波もすぐ崩れてしまうので仕掛けられるアクションの回数にも限りが出る。

 

大原はテイクオフするとスープを走り抜けてターンしたり、波の際どい箇所に当てるもメイクに至らず。後半はエアも狙っていったが、ヒート時間中に決めることはできなかった。

 

 

 

 

男子R1が終了。R2に進んだ日本人男子選手は五十嵐カノアのみとなった。

 

 

午前中に男子R1のヒートが全て終了すると、次は女子のR2へと移った。その頃には風が弱まり、波の面も朝に比べてマシに。

 

 

日本人女子はH1に野中美波、H4黒川日菜子、H5松田詩野、H7脇田紗良の4名が登場。

 

 

松田詩野がR3へ勝ち上がる。

 

松田詩野とコーチのマー大野 © WSL / Poullenot

 

すでに2バンクス開催が始まり、奇数ヒートはメインの南側、偶数ヒートは北側のバンクが割り当てられた。そのため彼女らの試合は連続で進み、2時間で4選手の試合全てが行われた。そしてこの四人のうち、松田詩野がこのR2を勝ち抜けた。

 

 

松田は1本目に4.83を出しリード。しかしヒートが進むにつれ順位を下げてしまう。ところが残り1分近くになったころ、松田はそれまでキープしていたプライオリティを使い4.87をスコア。得点コールは時間内に間に合わず、ヒート終了後に松田の逆転が伝えられた。劇的なラウンドアップをみせた。

 

松田詩野のコーチもする大野修聖。ラウンド2が終わりすぐR3へと準備する詩野のボードを運ぶ
 

 

 

野中美波はサイズのあるセットのダンパー気味の波を攻めた。小柄な野中が乗ると波もより大きく見えたが、最後まで決めきれなかった。

 

黒川日菜子のヒートが割り当てられた北側のバンクは南側に比べ、波が両方向に割れる場所。最初のヒート10分でバックハンドの波に数本乗るなど勢いを見せたが、なかなか得点に結びつかない。

 

 

 

終盤、大きなターンを入れて5.53をスコアし、ラウンドアップに必要な点の差を縮めたが、このヒートは上位につけたCT選手のメイシー・キャラハンとティア・ブランコの得点が突出していたせいもあり、追いつけなかった。

 

脇田紗良 © WSL / Poullenot

 

H7での脇田紗良は最初から最後まで積極的に波に乗った。このヒートはタヒチのヴァヒネ・フィエロが抜きんでると、脇田とポルトガルのテレサ・ボンバロによる2位争いが焦点に。

 

ボンバロは長身から繰り出すスプレーの飛び散るターンを武器に2番手をキープ。脇田は波に乗るごとに調子を合わせていき、終盤にスピードのあるターンで5.33、6.43を連続でスコア。猛追したがあと一歩のところで及ばない。惜しい敗退となった。

 

 

これで野中美波、黒川日菜子、脇田紗良の3名は19位でフィニッシュ。

 

女子のR2が終わるとすぐにR3が開始。松田詩野のH6は自身のその前のヒートの1時間半後、15時を過ぎたころに始まった。舞台となったのは北側バンク。この頃には風もかなり弱まった。

 

 

QFを目前に惜しくも敗退となった松田詩野。9位でフィニッシュ。

 

波の面は綺麗だったが、ハイタイドに向かうタイミングでサイズは5フィートほどと大きいが、割れづらく、またダンパー気味のトリッキーなコンディション。波選びに慎重になっているような松田は対戦相手のインディア・ロビンソン(AUS)を追う形になる。

 

 

 

しかし中盤で松田がインターフェアを取られてしまった。この判定について、ヒート後に抗議もしたが、結果は変わらず。少し残念な試合内容になってしまったが、9位でフィニッシュ。

 

 

松田詩野、ポルトガルの5位に続き9位でフィニッシュ。

 

 

松田はポルトガルの5位に続き、マンオンマンラウンドまで進んだ唯一の日本人女子。チャレンジシリーズを経るごとに学び、進化しているように見受けられる。ヒート後も落ち込んではいなく、気持ちをすでに次へと切り替えていたとのこと。ハワイでの活躍も期待したい。

 

 

五十嵐は好調にラウンドアップを続ける。

 

女子のR3が終わると、次は男子のR2が始まった。五十嵐カノアのH6が始まったのは17時過ぎ。ちょうどこの日のハイタイドの時刻、17時25分を迎える。その時間帯は波選びがとても難しいとされている。

 

五十嵐カノア© WSL / Poullenot

 

さて、試合が始まると1人だけ右側に陣取った五十嵐はテイクオフを繰り返す。しかしすぐにプルアウトするなど、乗った後の判断が早い。そうしているうちに、左側にいた他の選手たちが得点を重ねていく。途中、リエントリーを入れて5点台をスコアし2番手につけるも、終盤で3番手に落ちてしまう。

 

すると、その暫定順位のコールがされたタイミングで、五十嵐はエアをメイク。7.1をスコアすると一気にトップへ躍り出る。その後、またエアをメイクし7.0を加算。最終的には五十嵐が1人でいた右側に他の選手も移動してくるなど、五十嵐はこのヒートを支配した。

 

五十嵐カノア © WSL / Poullenot

 

―今日も勝ち上がりおめでとうございます。

「ありがとうございます。そうですね、今日はちょっと、決勝まで日が近づいてきた感じがして、テンションが上がりました。リラックスしてやっているんだけど、勝ちたい気持ちがどんどん出てきました」

 

―ポジションを1人だけ右の方に取っていましたが、不安などなかったですか?

「なんだろう。みんなと一緒のことをしないのはチャンスだと。そこで自分のサーフィンに自信を持って、波にさえ乗れば点数が出るということを何だろう、信じるというか。そういう感じです。自信を持つ」

 

―エアがかっこよかったです。

 

「ありがとうございます。今年エアの練習をすごくしているので。また、今日もその何だろう、大会ですけど練習のように思ってやっている部分もあります」

 

 

ネクストコールは、現地時間の木曜日の午前8時35分、日本時間の 2021年10月20日15時35分です。

 

明日は予報が嵐と、開催の可能性は高くないが、もし試合が行われるなら男子のラウンド3、H4に五十嵐カノアが登場する。次も素晴らしいサーフィンに期待したい。

 

満潮が近づくにつれ海水がかなりの位置まで砂浜を覆う。明日21日は強風、大波、潮位も高いため、特設会場に損傷が出てしまうのではないか、と心配する大会関係者も

 

2021年チャレンジャーシリーズ「Quiksilver and ROXY Pro France」は、2021年10月16日から24日まで開催。WorldSurfLeague.comでライブでご覧ください。

 

 

今回も彼らの活躍を期待しエールを送り続けたい。がんばれ!日本!

 

男子:Quiksilver Pro France

女子:ROXY Pro France