【現地取材】野中美波と黒川日菜子がR2進出。CS第3戦「Quiksilver and ROXY Pro France」開幕

野中美波と黒川日菜子 photo:michiko-nagashima

取材:永島未知子  キュ・ニュ ホセゴー/フランス (2021年10月16日土曜日) WSL チャレンジャーシリーズ第3戦「Quiksilver and ROXY Pro France」がフランスのホセゴーで開幕した。

 

大会初日ハイライト映像

コンテスト会場 photo:michiko-nagashima

 

前日の波予報は2-3フィートと、16日の開始が心配されてもいたが、朝8時のファーストコールの時点、まだ薄暗い会場には小波だがオフショアで綺麗な波が割れていた。そこで早速女子のラウンド1がスタートする運びとなり、潮が上がるまでの午前中に7ヒートが行われた。

 

タティアナが破れる番狂わせが発生する中、アリッサ・スペンサーが本日の最高点をマーク  © WSL / Poullenot

 

日本人選手はH3に野中美波、H4に都筑有夢路、H5に黒川日菜子と3名が立て続けに登場した。

 

ココ・ホー  © WSL / Poullenot

 

野中美波のH3、試合が始まると真っ先に乗ったのは野中。点数は出なかったが積極性が感じられた。セットが入ると他の選手も続々と乗り、それぞれがスコアを重ねていく。

 

序盤からリードしたのはココ・ホー。そこから開始10分を過ぎたころ、野中はそれまでより多くのアクションを入れ、5点台をスコア。その勢いのまま続いてもう1本乗ると、さらにアクションを重ね、5 .50が出ると2位に浮上した。

 

 

野中美波

 

その時点で3位のシルバナ・リナとの差は5 .90。その後セットの入る間隔が長くなり、残り5分まで順位は変わらず。終盤にセットが入ってくると、野中は波打ち際までリエントリーを入れながら乗り継ぎ、6 .0を出しリードを広げる。終了の合図直前の波にも乗り、最初から最後まで積極的に進め、2位で勝ち上がった。

 

 

 

野中美波「最初の方はリズムが悪いなと感じたけど、中盤で乗ったセットの波で5 .50が出た。それからバックアップを広げようとセットの波に乗ったら6 .0が出た。シルバナ・リマは上手だから(逆転されないか)ドキドキしていたけど、優先権も使って、逆転されないままで終われた。波は小さいけど、当てやすい波でした」

 

 

都筑有夢路  © WSL / Poullenot

 

続くH4は都筑有夢路が登場。時刻も10時くらいを回り、ビーチにはギャラリーも集まり出してきた。都筑はヒート開始から波に乗り、2本目、3本目と本数を重ねるごとに調子を上げているように見えた。しかし5.07ポイントを重ね途中で2位につけるも、その後点数が伸び悩む。ラウンドアップを諦めず最後まで攻めたが、結果は惜しくも3位だった。

 

それまでに比べ、ピークが少し右側に移ったかと思ったら、選手たちはまた左のほうへ戻るなど、ヒートが始まってもしばらくの間ノーライドが続いたH5。

 

 

ブリサ・ヘネシー  © WSL / Poullenot

 

その口火を切ったのはブリサ・ヘネシー。静寂を打ち消すように1本の波に5回ターンを入れるといきなり7 .00をスコア。それを皮切りに他の選手も応戦していく。モー・ル・カーはインサイドまで乗るとギャラリーから拍手が巻き起こるなどローカルらしさを見せつける。

 

黒川日菜子  © WSL / Poullenot

 

その2人がリードしているかのような雰囲気だったが、黒川は2本目で5回アクションを入れて5.5をスコアし存在感をアピール。セットが入ると波数が十分だった為、途中ジャッジ点数のアナウンスが追いつかない時間があった。

 

残り10分を切ったとき黒川はまだ3位だったが、実は2位に浮上していた。黒川はそれに焦る様子もなくそれから落ち着いて4本目に乗ると、さらに5.57をスコアしリードを広げる。そのまま無事にラウンドアップを果たした。

 

 

 

 

黒川日菜子「最初は波が来なくて、リスタートになるかと思っていた。そうしたら乗った人がいたのでリスタートはなく、むしろ試合時間が実質20分になった。最初の15分くらいは乗れずにいたので身体が硬くなっていると感じたり、ゲットバックするときは吐きそうになるほど緊張もしたけれど、徐々に楽しめました。2位争いだったと思います。スコアは言われなくても、他の選手を見て自分の点数も何となく予想できたので、大丈夫でした。楽しめました。好きな波です」

 

 

来週の半ばからは波が上がりハードなコンディションになる予報も

 

 

さて、チャレンジシリーズの3戦目が始まったが、このシリーズ自体の雰囲気は選手からすると「CTにクオリファイできるのは大きいからプレッシャーを感じている人もいれば、楽しんでいる人もいる」のだそう。

 

17日は16日よりさらに波のサイズが下がる予報されているが、その反面、来週の半ばからは波がかなり上がり、ハードなコンディションとの予報も出ている。少しでも可能性があれば17日にも行われるだろう。

 

野中美波と黒川日菜子。やるかやらないか分からないけど、早いヒートだから念の為にと宿からウエットを着てきたという美波ちゃん。一緒に行動している日菜子ちゃんの試合が終わるまで着替えずに待って応援していた。日菜子ちゃんは運転も担当。ポルトガルからマニュアル車の運転を始め、車のアクシデントも経てかなり慣れたそう。度胸に尊敬です!

 

 

ネクストコールは、現地時間の日曜日の午前8時5分、日本時間の 2021年10月17日15時5分です。女子のラウンド1、H8からの再開となればH11 松田詩野、H12 前田マヒナ、H16 に脇田紗良が登場する。

 

 

2021年チャレンジャーシリーズ「Quiksilver and ROXY Pro France」は、2021年10月16日から24日まで開催。WorldSurfLeague.comでライブでご覧ください。

 

 

今回も彼らの活躍を期待しエールを送り続けたい。がんばれ!日本!

 

男子:Quiksilver Pro France

女子:ROXY Pro France