田岡なつみがベスト8進出。井上鷹はR3へ。WSLロングボードツアー最終戦「マリブ・クラシック」大会初日

田岡なつみ

カリフォルニア州マリブ/アメリカ(2021年10月11日月曜日)ワールド・サーフ・リーグ(WSL)の2021年ロングボード・ツアーの最終戦となる「Jeep® マリブ・クラシック presented by Havaianas」がスタート。

 

大会初日は2~3フィートのクリーンな南うねりの中でスタート。午後に沖合の風が強まり、面を乱したがサイズアップを見せ、女子のR1、男子のR1に続き、男女共R2に進み、オーバーラップ・フォーマットで女子のR3が行われ、女子はベスト8が決定した。

 

 

2度のWSLロングボード・チャンピオンであるホノルア・ブロムフィールド(HAW)は、スローコンディションの中、ヒート終盤のセット・ウェーブで5.17(10点満点中)を獲得して、ラウンド1を勝利。同じハワイ州オアフ島出身のケアニ・カヌロとのラウンド3を勝ち上がりクオーターファイナル進出を決めた。

 

ホノルア © WSL / ito

 

「正直なところ、コンテストではあまり緊張せず、ただ楽しもうと思っています」とブロムフィールドが言った。「サーフィンが好きですし、コンテストも好きです。今は一歩一歩進んでいるだけで、再び世界タイトルを狙えるのはエキサイティングです。今日はかなり小さかったですが、いくつか良い波もゲットできたので興奮しています」。

 

ホノルアは、クオーターファイナルのヒートに勝てば、2020/21年のWSLロングボード・チャンピオンになり、史上最年少の3x WSLロングボード・チャンピオンとなる。

 

一方、ここマリブ出身のソレイユ・エリコは、新鋭のマヒナ・アカカ(HAW)とアバロン・ガル(USA)を圧倒し、素早いフットワークとラッピング・カーヴィングを披露し、6.67をスコアしてラウンド3進出。

 

そこで2018年のWSLロングボード・チャンピオンは、ラウンド2を生き残ったゾーイ・グロスピロン(FRA)と対戦。中盤まではロースコアの展開となったが、グロスピロンは、終盤になって調子を上げ、7.33をスコア。世界タイトル候補を下す大金星を挙げた。

 

また、ワールド・ロングボードツアーで2度の準優勝を誇るクロエ・カルモン(ブラジル)は、ラウンド3でハワイのヘイリー・オットーに大勝し、ワールドタイトル獲得への望みをつないだ。

 

そして、今日の首尾一貫しないコンディションは番狂わせも多く、現在2位のケリス・カレオパアやリンジー・ステンライディ(USA)はラウンド3に進出したが、16歳の世界タイトル候補は、彼女のロールモデルである2x WSLロングボード・チャンピオンのケリア・モニーツ(HAW)に敗退となった。

 

 

男子の世界タイトルレースは如何に。

 

ジョエル・チューダー

 

男子ラウンド1のヒート5では、2度のWSLロングボード・チャンピオンであるジョエル・チューダー(USA)、現在ランキングでNo.1のエドゥアール・デルペロ(FRA)、そしてWSLロングボード・チャンピオンのスティーブン・ソイヤー(ZAF)が登場し、絶対的なスーパーヒートを展開。

 

ソイヤーは、その印象的なスタイルとドロップニーターンで7.33をスコアし、チューダーとともにデルペロを下し、ラウンド2に追いやった。

 

ジョエル・チューダー© WSL / Lodin

 

デルペロは、敗者復活戦のラウンド2を強いられて、ジェファソン・シルバとロドリゴ・スファイアのブラジリアン・コンビと対戦。スファイアは終了間際に6.33をスコアし、好調なシルバに次いで2位に浮上して、世界タイトル候補のデルペロはまさかのラウンド2敗退となった。

 

 

デルペロ敗れ、ハリソン・ローチがトップに

 

ハリソン・ローチ

 

世界タイトル候補のハリソン・ローチ(オーストラリア)は、このイベントにランキング2位で出場、プレッシャーの中でも冷静さを保ち、ラウンド1で大勝し、デルペロが敗退したことでランキングのトップに立った。

 

しかし、このローチには、3x WSLロングボード・チャンピオンのテイラー・ジェンセン(USA)、2x WSLロングボード・チャンピオンのジョエル・チューダー(USA)、ロングボード・ツアーのベテラン、カイ・サラス(HAW)などの大物選手が立ちはだかる。

 

オーストラリアのハリソン・ローチは、12年近く前にコンテストへの意欲を失っていたが、2019年になって再起。31歳の彼は現在、デルペロ(FRA)が敗れたことでランキング1位に位置している。

「世界タイトルを獲得することで、多くの尊敬と影響力を得ることができ、サーファーとして、またロングボーダーとしての自分のキャリアを証明することができると思います。ジャスティン(クインタル)はすでにタイトルを獲得していて、それが僕がサーフィンを再開した理由でもあるんです。自分がそれに挑戦することができて嬉しいです。

 

自分のサーフィンに自信を持っているし、前回の大会に続いて、とても興奮しています。今、ここにいて、世界タイトルを狙えるのは嬉しいことです。楽しい波が来ることを期待しています」とローチがコメントしている。

サラスは、マリブでのデビュー戦で、長年のライバルであるベン・スキナー(イギリス)や、ラウンド2で敗退した元WSLロングボード・チャンピオンのフィル・ラジズマン(ブラジル)を相手に、15.00の完璧なヒート・トータルで実力を発揮。ハワイのオアフ島で活躍する彼にとって、多くのシナリオが必要だが、今日のような試合を重ねることで、初の世界タイトル獲得のチャンスが見えてくる。

 

 

日本の田岡なつみがベスト8進出。

 

 

田岡なつみ © WSL / ito

 

田岡なつみ(JPN)は、予選R1で12.00のヒート・トータルをスコアして、2度世界タイトル争いで2位となっているクロエ・カルモン(BRA)とソフィア・カルヘイン(HAW)を抑えてトップでラウンドアップ。

 

 

ラウンド3でも田岡の勢いは止まらず、6.67の素晴らしいシングルスコアをマークして、オーストラリアの唯一の選手であるタリー・ホワイトを退け、ベスト8進出を決めた。

 

準々決勝で田岡なつみは、フランスのアリス・リモインと対戦する。

 

田岡なつみ

 

日本の井上鷹は、予選R1のH1でハリソン・ローチ(AUS )とルーカス・ガルリド・レッカ(PER)と対戦。スタートからノーズライドを駆使したライディングでヒートをリードした。6.10を5.23でバックアップした井上は、最後のローチに逆転されるも2位でラウンド3進出を果たした。ラウンド3で井上鷹は、ハワイの強豪、カイ・サラスと対戦する。

 

 

一方、サリー・コーヘンは予選R1のH6で元世界チャンピオンのケリア・モニーツ、タリー・ホワイト(AUS)と対戦。最後にケリアの大逆転で3位を強いられて、ラウンド2へ。

 

ラウンド2を2位で勝ち上がり、ラウンド3でキラ・シールと対戦。対戦相手のキラ・シール(HAW)は、木曜日に足を骨折したにもかかわらず、その素晴らしいサーフィンで会場を沸かせ13.10をスコア。サリーは善戦虚しくここで敗退となった。

 

明日は、ファイナルデイ。現地時間の10月12日午前7時35分(PDT)から、WorldSurfLeague.comと無料のWSLアプリでライブ放送される。現地時間の 2021年10月12日7時35分 は、日本時間の 2021年10月12日23時35分です。

 

男子:Jeep® Malibu Classic presented by Havaianas

女子:Jeep® Malibu Classic presented by Havaianas