五十嵐カノア、大原洋人、都筑有夢路が準々決勝進出。オリンピック・サーフィン男女ベスト8が決定

五十嵐カノア ISA / Sean_Evans

2021年7月26日(月)五輪サーフィン大会2日目がスタート。本日は釣ヶ崎海岸で女子ラウンド3からスタート。男子のラウンド3まで行われ、男女ともベスト8が決定。

 

昨日よりもサイズアップしたものの、オンショアのトリッキーコンディションで番狂わせも発生。朝の第1ヒートでは、昨日の初戦で14.5 という大会のベスト・ヒートトータルを叩き出した、世界チャンピオンの金メダル候補であるステファニー・ギルモアが、南アフリカのビアンカ・ブイティンダグに敗れる波乱の幕開けとなった。

 

そんな中で、大会2日目のハイエスト・ヒートスコアをマークしたのは、男子がオーストラリアのオーウェン・ライト、女子はアメリカのキャロライン・マークスとなった。

 

 

前田マヒナ、惜しくも3回戦敗退

 

前田マヒナと大野マー

 

女子の第4ヒートでは、波乗りジャパンの前田マヒナが、アメリカの金メダル候補、強豪キャロライン・マークスと対戦。ヒートは前田マヒナが右奥から癖のあるライトブレイクを見事にコントロールして4.17をスコア。

 

キャロライン・マークス ISA / Ben_Reed

 

それに対し、マークスは縦へのアプローチで大きくスプレーを上げる3マニューバーで圧巻の演技。7.33という高得点をマークし、バックアップを6.50としてヒートを完全にコントロールする。

 

前田マヒナ ISA / Ben_Reed

後半に前田もチャージを見せるがスコアは伸ばせず。マークスは最後にトップスコアを今大会初のエクセレント8.00で引き上げ、圧倒的なサーフィンで準々決勝へと勝ち上がった。

 

 

前田マヒナ ISA / Ben_Reed

 

ヒート前は緊張した面持ちで、試合後は悔し涙を流した前田マヒナ。自分にプレッシャーをかけ過ぎないようにしたいと試合前に言っていたが、やはりオリンピックという初めての舞台は想像を超える場所だったのか。

 

報道によればプライベートで悲しい出来事があり、そのショックを切り替えられなかったと説明したマヒナ。彼女の初の五輪はここで終了となったが、今回の経験で彼女は新たなページを開き、次の目標に向かって邁進していくことだろう。がんばれ!前田マヒナ!

 

 

都筑有夢路が、ブラジルの強豪タティアナを下す大金星。

 

 

都筑有夢路 ISA / Pablo_Jimenez

 

第7ヒートでは都筑有夢路が、ブラジルのタティアナ・ウェストンウェブと対戦。タティアナは、今年CTイベントで優勝もし現在世界ランク4位の強敵だ。

 

朝よりもオンショアが強まり、昼の干潮に向かってコンディションが悪化していく中、都筑がフォアハンドでスタートから縦に上がるストレートアップの物凄いリエントリーをメイク。ワンマニューバーながら5.00をスコアしてヒートを開始する。

 

タティアナはとにかく来た波に乗ってみる作戦。このようなコンディションでは乗ってみないと、どれがいい波なのかわからないからだ。逆に都筑は慎重に波を選ぶ作戦だ。

 

しっかりとスコアリング・ウェイブを見極め、波のキワに板を当て込み、セカンドウェイブも4.50をスコア。得点を重ねてリードする。タティアナは、焦りからか乗る波、乗る波がクローズか肩の張らない波を掴んでしまう。

 

都筑有夢路 ISA / Sean_Evans

 

都筑はヒート後半には、完璧なドライブターンから、パワー全開のカーヴィングターンで大きなスプレーを上げ、トップスコアを5.33に塗り替えてリードを広げる。

 

ヒート終盤、巻き返しを図るタティアナだったが、都筑がそのまま逃げ切りラウンドアップ。本当に落ち着いた試合運びを見せた都筑が、強敵タティアナを下して、準々決勝へと勝ち進んだ。

 

 

五十嵐カノアが、インドネシアの和井田理央を下す。

 

試合後握手を交わすカノアと理央 ISA / Sean_Evans

 

男子のラウンド3は潮を待ってインターバルが取られた。第1ヒートでは五十嵐カノアが、インドネシアの和井田理央と対戦。日本とインドネシアのハーフである和井田とカノアは同じチームで、五輪が決まった時のインタビューで和井田は「カノア君と対戦したい」とインタビューで答えていて、それが実現した。

 

五十嵐カノア ISA / Sean_Evans

 

オンショアによるトリッキーコンディションのなか、カノアはスコアリング・ウェイブを見つけ、テールスライド、カーヴィング、ロールインの3ターンをコンビネーションさせて、8.00のエクセレントを開始早々にスコア。続けてカーヴィングのコンビネーションで6.00を得点。ヒートスコア14.00として、和井田をコンビネーションに追い込む。

 

五十嵐カノア ISA / Sean_Evans

 

それに対し、和井田もフルローテーションのエアリバースをメイク。しかし思ったよりもスコアは伸びず。さらにサイズのある波を掴んだ和井田は6.17をスコア。反撃を開始しニード7.84まで追い上げる。しかし、そのままカノアが勝利し、準々決勝へと勝ち上がった。

 

 

五十嵐カノア ISA / Sean_Evans

 

「今日のコンディションは難しかったんですが、作戦通り良い波に乗って良いサーフィンが出来て良かったと思っています。今日のヒートはとても大切だったんですけど、これからが本当の試合だと思っているので集中して頑張ります。今日はたくさん波は来ていても良い波だけに乗ることに集中していたので、今日のことはリセットして、また明日頑張りたいです。」とカノアがコメント。

 

 

ジョンジョン・フローレンス ISA / Sean_Evans

 

ジョンジョン破れる。

 

H2では、ジョン・ジョン・フローレンスとコロヘ・アンディーノといったアメリカ代表同士が対決。スタートからビッグエアを決めて 8.50をスコアするコロヘ。ジョンジョンも得意のレイバック・スナップで応戦。

 

コロヘ・アンディーノがスロブグラブのビッグエアで8.50をスコア ISA / Sean_Evans

 

しかし完全に勢いに乗ったコロヘが、後半に2本目のビッグエアをメイクし6.33をスコア。ジョンジョンもエアで6.77をスコアしたが、見応えのあるエアゲームを制したコロヘが、世界チャンピオンのジョンジョンを下して準々決勝へ勝ち上がった。

 

 

第3ヒートのパワーサーファー対決となったミシェル・ボレーズとラムジ・ブキアムの対決は、圧倒的なクリティカルなターンを決めていたボレーズが勝利。

 

 

イタロ・フェレイラ ISA / Pablo_Jimenez
ガブリエル・メディーナ ISA / Pablo_Jimenez

 

今回の金メダル最有力候補と言われているブラジルの二人の世界チャンピオンは、今日も猛威を振るう。ガブリエル・メディーナはジュリアン・ウィルソンとの物凄いデッドヒートを制す。イタロ・フェレイラもビリー・ステアメンドを下し、明日の準々決勝へと駒を進めた。

 

 

大原洋人、ラストウェイブで大逆転。

 

 

大逆転勝利を決めてくれた大原洋人

 

大原洋人は第6ヒートでペルーのミゲル・トゥデラと対戦。先手を取ったのはミゲル。ライトブレイクにバックハンドでストレートアップのリエントリーを決めて4.50をスコアする。

 

思うようにスコアリング・ウェイブを見つけられない大原洋人は、レフトブレイクにテイクオフ。バックハンドでクリティカルなリエントリーを決めて3.60をスコアした。

 

一方、ミゲルは2本目の4点台をスコアしてヒートスコア8.73としてヒートをリードしていく。波を読みきれない様子の大原に対して、ライディングをコンプリートしていくミゲル。大原は残り時間10分、カーヴィングからのオフザリップ、3ターンを決めて4.33をスコア。トップスコアを塗り替えて、ニード4.45まで追い上げた。

 

優先権を持って波を待つ大原は、サイズのある波を掴んでストレートアップ。クリティカルなセクションでターンを見せるも逆転ならず。

 

大原洋人  ISA / Ben_Reed

 

完全に追い込まれながら、最後まで諦めずチャージを続けた大原は、ラストウェイブで起死回生となるテールハイのエアリバースをメイクし5.67をスコア。日本中が感動する大逆転で、見事、準々決勝へと勝ち上がった。

 

 

「今日はターン出来る波ではなくて、エアの出来る波を探していました。何本かこけてしまったけど、最後に決められて良かったです。明日はイタロとの戦いですが、世界チャンピオンでも自分のホームであれば倒せると思っているので、明日も応援お願いします。」と大原が力強いコメント。

 

 

男女ともベスト8が決定したサーフィン・オリンピック。明日27日は、準々決勝と準決勝までが行われる予定。

 

7:00から予定されている男子準々決勝 – 第1ヒートでは、五十嵐カノアがコロヘ・アンディーノと対戦。8:12からの第3ヒートでは大原洋人が、イタロ・フェレイラと対戦。

 

11:12からの女子準々決勝第4ヒートでは、都筑有夢路が、サリー・フィッツギボンズと対戦する。波乗りジャパンも正念場。ここを乗り越えればメダルが見えてくる。がんばれ!日本!

 

 

ライブ中継は、下記の2つのサイトで

 

gorin.jp 民放オリンピック公式動画サイト

https://www.gorin.jp/live/game/SRF/

 

NHK 東京2020オリンピックサイト

https://sports.nhk.or.jp/olympic/sports/surfing/

 

Tokyo 2020