コロナ後初となるJPSA2020特別戦「さわかみ チャレンジシリーズ 鴨川」開幕。男女ベスト12決定。

塚本将也

写真、リポート:山本貞彦 10/12-10/16(予備日17) JPSA「ショートボード・ロングボード特別戦/さわかみ チャレンジシリーズ 鴨川」は千葉県鴨川のマルキポイントで開催。

コロナ禍で今年のツアーが全てキャンセルとなったJPSAが、今回、特別戦として唯一開催する大会となる。安全対策を実施。選手、スタッフとも各自健康手帳に検温(開催前の10日間)を記入し、さらに当日に検温チエック。選手とスタッフのエリア分を行い、往来を禁止。

さらにマスク着用、人との距離を取る為のソーシャルディスタンス用の傘も配布するなど徹底した管理を行って初日を迎えた。

昨年のグランドチャンピオンである井上鷹

DAY-1 はロングボードからスタート。今回は特別戦ということもあり、ノンシードで全ての選手がR-1から出場。そして、スポンサーの意向もあり、全てのヒートがマネーラウンドとなり、勝ち上がるごとに賞金が上積みされる。

今日は男女ともR-1を勝ち上がると 1位=¥7,000 / 2位=¥3,500。R-2は男子 1位=¥13,000 / 2位=¥6,500 、女子 1位=¥9,000 / 2位=¥4,500 となっている。

 

今日の会場の天候は曇り時々晴れ。風はオフからサイドオフ。波は台風の影響が残り、肩頭とベストなコンディションとなった。

 

秋本祥平

ロングボードは2020年の初戦となるわけで、今回は新しいジャッジクライテリアのもとで行われた。ロングボードのジャッジクライテリアは下記。

選手は、ボード全体を活用し、伝統的なロングボードサーフィンで、コントロールされたマニューバを演じる必要がある。

マニューバの難易度に加えスタイル、フロー、魅せ方の完成度が高いほど高得点を得る。加えて、ジャッジは以下の点を考慮する。

 

尾頭信弘 ノーズライド

 

1. ノーズライディングとレールサーフィン
2. 波のクリティカルセクション
3. 技のバラエティ
4. スピードとパワー
5. コミットメント(積極性)
6. コントロール
7. フットワーク

 

得点基準のうちどの要素を重視するかは、ポイントの地形や当日の波のコンディションによって変動する。

 

https://www.jpsa.com/wp-content/uploads/2020/10/JPSA%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB.pdf

 

このジャッジクライテリアはWSLを元に今年、更新されたものである。この中で大きなポイントは「ボード全体を活用し、伝統的なロングボードサーフィンで、コントロールされたマニューバを演じる」こと。

 

これは2019年にWSLツアーディレクターになったデヴォン・ハワードのロングボードの改革が発端である。

 

デヴォンはツアーの内容、さらにジャッジクライテリアについても見直すため、ジョエル・チューダーに相談。そこで今までのマニューバーに傾いたスタイルを再び、ロングボードの伝統的な動きを取り入れる方向にチェンジ。レールワークとノーズライディング、ロングボードの持つ優雅さも重視することとなった。

 

今年のコロナ前の2月に開催された「Noosa Longboard Open」では、そのジョエル・チューダーが優勝。再びツアーに復帰したジョエルが魅せた演技は、シングルフィン回帰となる素晴らしいものとなった。

 

コロナ禍で大会が無かったため、JPSAは今大会が新しいジャッジクライテリアとなる。ただ、注意点はシングルフィンでないと点がつかないのかと勘違いしないこと。フィンの数で点が決まるのではなく、その演技に注目しているので、そこは注意してほしい。

 

浜瀬海はシングルスタビ

浜瀬海
久々に見た海のサーフィン。丁寧に乗るだけでなく、足捌きもスムーズでスキルがアップしている。このコロナ禍の間もできる範囲で練習を重ねたことが伺える。

井上鷹もシングルスタビ

井上鷹
三刀流(ロング、ショート、SUP)の鷹。フィニッシュまで止まらないサーフィン。スピードある演技で、新境地を開拓中か。

田岡なつみ
今大会に持ってきた板3本、すべてがシングルフィン。今年の2月のWSLヌーサでの大会で、トライフィンでは点が出ないと実感。自分のサーフィンの成長のためにも今大会はシングルフィンで挑む。

吉川広夏
クラシックな大会にも積極的に参加していたピロたん。今大会もシングルフィンで優雅に乗りこなす。演技中も笑顔を絶やさず。

 

浜瀬海
「久しぶりの試合で決めなくちゃいけないって思ったり、波が分かりずらかったりで緊張しました。ラウンド1に比べると試合の感覚も戻ってきて、波もワイドな波も入ってくるんですがロングボード向きな波も入ってきて、その中に良い波もあって良かったです。今年はスクールとかが多くて、自分の練習もあまりできなかったんですけど、試合前に会場に来て練習できてよかったです。」

井上鷹
ラウンド1のハイエストを出した波については「最初たるかったんですが、最後に当てるところが出てきてよかったです」「小波も得意なんですが、このようにサイズのある波の方が派手なマニューバーができるので好きですね。」

西崎公彦は、ラウンド2のラストウェイブで逆転2位でラウンドアップ。明日のファイナルデイにつなげた。

秋本祥平
ラウンド1は今年初めてのヒートということもあって、シングルフィンでやってみたんですが、波も大きいのでフィニッシュを入れられた方が良いかなと思ってラウンド2からは板を変えました。ラウンド2からはテイクオフからノーズライドも決まって良いサーフィンができたかなと思います。

堀井哲
最初の波でミスを犯し、そのあとプライオリティを持ち良い波を待ちすぎた。堀井がまさかの初戦敗退の番狂わせ。

森大騎
自分の板は軽いんで、風が強くて煽られましたね。今年の夏は試合もなくて波もなくて歯がゆいスタートでしたけど、こうやって試合ができて嬉しいです。

塚本将也
今回絶好調の塚本。今年の夏は毎日サーフィンしていたので、その練習の成果を発揮したいと思っています。この夏でサーフィンが大好きになりました。

田岡なつみ
試合を凄く楽しみにしていたんですが、凄く緊張しました。足が震えるほどです。今年は試合がなくて良い練習期間になりましたね。初心に戻って練習できてよかったです。家庭菜園やったり、日本に居れるからこその趣味を見つけることもできました。

吉川広夏
久しぶりの試合だったので、最初は緊張していたんですけど、波周りも良くて最後は自分らしいサーフィンができたかなって思います。いつもはロングボードにとらわれがちだったんですけど、ツインフィンやミッドレングスなど父がたくさん作ってくれて楽しい夏でした。

大村結衣
体力がなさすぎて。最初は波も来なくて本当に心配しました。でも最後に乗れてよかったです。子供の幼稚園も始まったので、週に1回しかサーフィンできなかったんですが、今回は試合に出れてよかったです。

 

明日の集合時間は6:00AM。女子のラウンド2から行われる見込みだ。

 

 

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JPSAオフィシャルサイト:http://www.jpsa.com/

 

 

 

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10/13(火)06:30-18:00 DAY2 ロングボート
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