塚本将也と吉川広夏が優勝。JPSA2020特別戦「さわかみチャレンジシリーズ 鴨川」DAY 2ロングボード

 

写真、リポート:山本貞彦 10/12-10/16(予備日17) JPSA「ショートボード・ロングボード特別戦/さわかみ チャレンジシリーズ 鴨川」は千葉県鴨川のマルキポイントで開催。DAY-2はロングボード女子のR-2からスタート、男子R-3のあとクォーターファイナル、セミと続き、ファイナルまで。これでロングボードのスケジュールはすべて終了。

 

今日の会場の天候は晴れ時々曇り。風は朝は無風でサイドオフからサイド。波は昨日より下がり腰胸。台風が熱帯低気圧に変わり、ウネリは入るもののセット間隔が長くなる。

 

午後には風も入り、コンディションが乱されるものの、セットで腹胸はキープ。ただ、波数の減ったこともあり、ミスは致命傷。なので、作戦は先手必勝となった。

 

塚本将也と井上鷹のファイナル。

今大会の唯一のエクセレントをマークした塚本将也
井上鷹

 

男子ファイナルは、今回絶好調でファイナルへ勝ち上がった塚本将也が、昨年のグランドチャンピオンである井上鷹と対戦。塚本はヒート前半に5.50をスコアしてヒートをリード。それに対し井上はチューブをメイクするライディングで5.35をマークし逆転する。

 

しかし、その直後に二人が同じ波にテイクオフし交錯。二人とも何が起こっているのか分からない様子。そこに井上のプライオリティ・インタフェアがコールされ、思いもよらない展開になる。

塚本将也

ヒート終盤にリードすることとなった塚本は、さらにバックアップを伸ばす。井上は最後にフィンファーストから、2度のハングファイブとニーカットバック。最後にはハング10ヒールまで披露し、7.00をマークするも最後までインタフェアが響いて逆転できず。塚本将也が逃げ切り、2017年のバリ島でのJPSA初優勝以来の勝利を手にした。

 

勝利者インタビュー:塚本将也
「インタフェアの時は少しヒヤッとしたんですけど、ちゃんとチェックしてたんで良かったです。去年より楽しんで試合に集中することができたんで、外からでも観れるように上手くやれました。まだ実感わかないんですけど、嬉しかったなというのと周りに感謝したいですね。ありがとうございました。」

 

吉川広夏と田岡なつみのファイナル

吉川と田岡。この二人はこれまでに何度ファイナルを戦っただろう。

 

吉川広夏と田岡なつみという日本のロングボードシーンをリードする二人によってファイナルが行われた。オンショアが吹き、潮も上げてセットの本数も減り、ウネリも弱く厳しいコンディションでのヒートとなった。

 

田岡なつみ

 

スタートから両者とも波を掴むもスコアが伸びず。そんな中で田岡なつみがバックハンドで5.50をスコアしてヒートをリード。続けてライトのセットをつかんだ田岡が綺麗なハングファイブをメイクし、5.65をスコア。ヒートをコントロール。

 

 

吉川も後半、フロントサイドのノーズライドで応戦。スタイルのあるパフォーマンスでその差を縮めていく。そして残り時間5分を切って、吉川がハングテンとハングファイブのコンビネーションで6.25をスコアして大逆転。田岡も果敢に攻めるもわずかに逆転ならず。そのまま吉川が逃げ切り勝利を決めた。

 

勝利者インタビュー:吉川広夏

「ヒヤヒヤでした。いつも一緒にサーフィンしている田岡なつみプロとのヒートだったので、お互い真剣に頑張ろうって言ってやりました。最後の最後に良い波のテンポをつかめて良かったです。

最初はバックウオッシュの入っている波でノーズライドしてもふらついて、すごく難しかったんですけど、最後の最後に決められて良かったです。

最後になつみがレフトに乗って行った時は、やばいなって思いました。久しぶりの試合を楽しくできました。今年はこれで終わりですが、また来年頑張りますので応援よろしくお願いします。

 

男子
優勝:塚本 将也(賞金総額¥368,500)
2位:井上鷹(賞金総額¥205,000)
3位:西崎公彦(賞金総額¥81,250)、鈴木剛(賞金総額¥94,750)

女子
優勝:吉川広夏(賞金総額¥98,250)
2位:田岡なつみ(賞金総額¥51,250)
3位:松本望希(賞金総額¥17,500)、大村結衣(賞金総額¥31,000)

※ 今回は特別戦で全てのヒートを勝ち上がるごとに賞金が上積みされる。

 

塚本将也
昨年よりも戦い方が上手くなった上に、スキルもアップ。技の失敗もなくなり、試合運びが安定した。決勝で井上鷹のインターフェア(プライオリティ)も、パドルバック競争の中で沖に着いて、何度もパネルを確認したと言う。冷静でいられるというのは、自信を持っているからこそできるもの。文句なしの優勝です。おめでとう!

ソウルアーチを決める鷹。技のバリエーションが豊富でまさに「技の玉手箱や〜」彦摩呂風

井上鷹
技のバリエーションはトップクラス。粗削りな一面も見られるが、スピード&スムースな演技は他を圧倒するほど。すべてが合致すれば、誰も止められない。ロングでも果敢にチューブにプルイン。フィンファーストでテイクオフ、そのまま横に板を滑らせて、演技に入る。枠にハマらない自由なサーフィンが鷹の真骨頂。

吉川広夏
久々に見た演技は、とても洗練されていた。自分の追い求めるスタイルを探して海外へも遠征。学んで帰って来た成果が花開く。今のロングボードを自ら体現できるサーファーの一人となった。優勝おめでとう!

田岡なつみ
決勝では先手必勝で挑むものの、最後に逆転負け。しかし、そのガッツは伸びる証。小柄ながらなっちゃんの演技は大きくて見栄えがある。可能性はまだまだ無限大です。

 

新型コロナウィルス感染症対策としてゼッケンも通常の4セットを7セット用意。
一度使用したものは30分消毒し、さらに水で洗う作業を毎ヒート行う。

手洗い場などアルコール消毒の用のボトル配備、選手スタッフ専用のトイレの増設、エリア分けによるスタッフの増員など。
今回の感染症対策により、通常の運営コストの2倍かかっているとのこと。

選手、スタッフも毎朝、検温から始まる。(菅谷裕美)

 

表彰式もソーシャルディスタンス。
マスクに傘と今年のコロナ禍ならではの新しいスタイル。写っていないが、メディアも同じくソーシャルディスタンスで、幅広く離れて撮影。

 

 

塚本将也
クオーターファイナルから、PUの重目の板に変えた塚本は、ライトのロングウォールに見事なハングファイブを決め、大会初のエクセレント8.0をスコア。強敵の浜瀬海を倒してセミファイナル進出。その勢いのまま決勝進出を決め、勝利を手にした。

西崎公彦
ラウンド2でもラストウェイブで逆転した西崎は、クオータファイナルで秋本祥平に先手を取られて、追い込まれていた。「前半は終わったかなと持った」と西崎。しかしラストウェイブで素晴らしいハングファイブを決め、大逆転でセミファイナル進出。しかしセミファイナルで好調な塚本を止めることはできなかった。

鈴木剛
ベテランらしいノーズライドのコンビネーションで6.25をスコアしてセミファイナル進出。しかし、セミファイナルでは、井上鷹に対しインタフェアを侵し敗退となった。

大村結衣
一昨年は最終ランキング3位でルーキーオブザイヤーを獲得した大村。昨年は第二子出産のため休場。今年は子供の幼稚園も始まって週一しか海に行けず、体力が落ちてしまったと語るも、安定したバックハンドで3位入賞は見事。

浜瀬海
秋本祥平

今日のコンディションに番狂わせも多く発生し、浜瀬海、秋本祥平がクオーターファイナルでまさかの敗退となった。

松本望希
鴨川がホームポイントという松本が今回3位と大健闘。セミファイナルでは田岡に敗れたが来年の活躍が楽しみだ。

 

明日10/14(水) はいよいよショートボードがスタート。初日は男子のスケジュールのみ進行。AM6:00男子選手集合。女子の試合は行いません。

 

ショートボードヒート表
ショートボード日程:10/14(水)~10/16(金) 予備日:10/17(土)

 

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JPSAオフィシャルサイト:http://www.jpsa.com/

 

 

 

ライブ中継はこちら

10/14(水)06:30-18:00 DAY3 ショートボード
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