松田詩野がオンラインで実施するリモート記者会見で、いまの気持ちとオリンピックへの意気込みを語る。

 

東京五輪代表に条件付き内定する松田詩野が、オンライン上で報道各社のインタビューに応えた。今回は、エルサルバドルで開催予定のオリンピック最終予選となる「ISA ワールドサーフィンゲームス」の開催時期が2020年10月〜12月もしくは、2021年1月〜2月の間に開催へと延期されたこと。

 

そして、東京オリンピック延期決定前に出場権を獲得した選手は、その権利は維持されることが、ISA(世界サーフィン連盟)から発表され、それらを受けての会見となった。

 

 

今シーズンのオーストラリアではQS3000で5位入賞を果たし、好調な滑り出しを見せた松田詩野

 

「オリンピックが延期になるニュースを聞いて、改めてコロナウイルスが世界中に蔓延しているんだなって実感しました。それでオリンピックが1年延期になることを知って、正直ちょっと安心しました。」

 

 

目標を見失わずに、今できることに集中して、自分を高めていきたい

 

 

「この状況に関しては、ネガティブになることはなかったです。しょうがないことですから。今回オリンピックまで1年伸びたことで、戦いのレベルも更に上がると思うので、そこに向けで自分も頑張って練習していくつもりです。1年間あるのでトレーニングなども時間をかけてやっていけるのでポジティブに考えています。」

 

オリンピックの気持ちについて聞かれると「オリンピックへの気持ちは変わらないです。いまは試合がいつ始まるのかも確定してないんですが、目標を見失わずに、今できることに集中して、自分を高めていきたいなと思います。自分が笑顔で挑んで、笑顔で終われるオリンピックにしたいです。」とコメント。

 

 

 

 

全てにおいて強く、自信を持って挑めるように

 

 

「いまは練習とかトレーニングする時間がたくさんあるので、1年後はメンタルとかフィジカルとかスキルも含めて、全てにおいて強くして、自信を持って挑めるようにしたいです。

 

この期間を利用して、トレーニングに加えて、サーフィンのビデオを見たり、オンラインで英語の勉強をするなどをやっています。小さいことでも自信につながると思っているので、いままでやっていたことにプラスしたり、量を増やしたりすることで、1年前の自分より成長できているかなと思っています。」

 

「技術の向上に関しては、前の自分の映像とか見ると、成長しているところもあるし、まだまだだなって思うところもあるので、パワーもサイズもある海外の波で練習がしたいですね。日本でもサイズのある良い波を探して、練習するようにしてスキルアップしていきたいです。」

 

家ではストレッチや腹筋、下半身の強化などのトレーニングも行ってきた松田詩野。

 

普段はあまりしないんですけど、料理とかもしました。

 

自粛期間の過ごし方は?

 

今シーズンは年始から多くの試合に出るために海外にずっといて、学校のレポートとかをやる時間が取れなかったので、この2ヶ月間は勉強する時間に充てられました。それと自主トレーニング。普段はあまりしないんですけど、料理とかもしました。スイーツとかが多くて、スコーンとかチーズケーキとか自分の好きなものを作っていました。笑

 

3ヶ月以上試合に出ていませんが、サーフィン人生でここまで試合に出ないのは初めてですか? 試合の感覚とかが鈍ったりすることを不安に感じることはないですか?

 

「そうですね。これだけ長いのは試合を回るようになってからはないかもしれないですね。久しぶりに試合に出るときよりも、続けて試合に出ているときのほうが、試合の組み立て方とか調子が良いです。だからフリーサーフィンのときも試合のシチュエーションを想定して練習します。」

 

松田詩野

一日中ビーチにいてサーフィンするとか、通常通りの生活が恋しいです。

 

 

厳しい状況の中で、松田選手がプロとして協会や連盟にして欲しいことはありますか?

 

サーフィンは他のスポーツとは違って競技場とかがあるわけではないです。プロサーファーだけが練習できる場所とかがあれば良いなと思ったりはするんですが、サーフィンは自然のスポーツなので、ちょっと違うのかなとも思うんです。でも、そういうのがあればストレスなく練習ができるので良いなとは思います。

 

 

この状況が改善されて、元の生活に戻れたら一番やりたいことはなんですか?

 

「海外に行って、試合に出るのが楽しみですし、一日中ビーチにいてサーフィンするとか、通常通りの生活が恋しいです。」

 

 

新たにツイッターも始めた松田詩野。現在は地域のガイドラインに沿って、海での練習を行いながら、ランニングなどの陸上トレーニングなどで、足りない練習量を補いながら更にパワーアップを図っている。

 

松田は、エルサルバドルで10月以降に開催見通しのオリンピック最終予選となる「ISA ワールドサーフィンゲームス」に日本代表として出場が確定。

 

各国2枠までのオリンピック代表のなかで、松田のオリンピック日本代表はエルサルバドルの結果次第となっている。今回の会見では、笑顔の向こうに一点だけを見つめる松田の闘志が感じられた。「目標を見失わずに、今できることに集中して、自分を高めていきたい」と語った松田詩野。そんな彼女にエールを送り続けたい。