激しさを増すオリンピック代表争い。ケリーはジョン・ジョンを逆転してアメリカ代表の座を手にできるか。

CTからオリンピック出場が内定した8名のサーファー

2020年の東京オリンピックでのサーフィン競技が少しづつ形を見せはじめている。代表選出への道が確立され、コンテストサイトが選択され、少しづつサーファーが暫定的に国の代表選手として決まり始めている。

 

代表選手選考の第1優先として位置付けされる2019年のワールドサーフリーグチャンピオンシップツアーの最終ランキング。今シーズン残りのイベントはハワイのパイプラインのみ。(女子はマウイのみ)

 

合計男子20名と女子20名が東京オリンピックに出場できるが、厳しい代表争いになっている。男女とも資格を得ることができるのは、国ごとに2人のアスリートのみであり、そのうち18スポットは2019 WSLチャンピオンシップツアーから決定される。

 

日本代表でオリンピック出場するカノア

 

すでに、WSLチャンピオンシップツアーからのルートでは、男子4名と女子4名が内定を得ている。日本の五十嵐カノア、南アフリカのジョーディ・スミス、アメリカのコロヘ・アンディーノ、フランスのジェレミー・フローレスが獲得。フランスのジョアン・ディフェイ、ブラジルのタティアナ・ウェストン・ウェッブ、オーストラリアのサリー・フィッツギボンズとステファニー・ギルモアもその地位を獲得した。

 

これにより、2019 WSLチャンピオンシップツアー・サーファーには、6つの男子スポットと4つの女子スポットが残されている。これらは、11月25日から12月20日までの女子のHawaii Proと男子のPipe Mastersで決定される。

 

ケリーとジョン・ジョンの代表争い。

 

アメリカ代表はコロヘが一枠を確保したため残りは一つ。現状でその枠はジョン・ジョン・フローレンスが獲得する可能性がある。ご存知の通り、ジョン・ジョンはACL(膝前十字靱帯)損傷後、シーズン半分の試合を欠場をしたにもかかわらず、世界ランク8位にいる。

 

ジョン・ジョン・フローレンス (C) WSL / Poullenot

 

アメリカ代表争いで彼を追いかけているのは、11度の世界チャンピオンであるケリー・スレーター。「パイプマスターズとオリンピックが間近に迫ってワクワクする」と自身のSNSでコメントしたフローレンス。

 

フローレンスがパイプに出場した場合、たとえスレーターが優勝したとしても、フローレンスは3位でフィニッシュすれば代表枠を獲得できる。要するにスレーターは、フローレンスより早く負けることは許されないということになる。  

 

ケリー Credit: © WSL / Cestari

 

またフローレンスがパイプに出場しない場合、スレーターは逆転するためにパイプで5位が必要。スレーターが3位よりも上位にならなければ、現在ランキング12位のセス・モニーツにも2位になれば逆転のチャンスが残されている。

 

だが、フローレンスがパイプに出場し3位入賞した場合、たとえスレーターが優勝したとしても、フローレンスを逆転できない。たとえフローレンスが9位でも、スレーターが3位以上でフィニッシュしなければ、フローレンスのオリンピック代表が決まる。

 

果たしてジョン・ジョン・フローレンスは、最終戦に出場するのか気になるところだが、パイプラインの前に行われる、ハレイワのハワイアンプロとサンセットのワールドカップのシードリストには、すでに名前がクレジットされているジョン・ジョン・フローレンス。パイプへ向けたウオーミングアップとして試合復帰するのか。

 

 

 

カリッサ PHOTO: © WSL / Sloane

 

アメリカ男子の代表争い同様に、カリッサ・ムーア、レイキー・ピーターソン、キャロライン・マークスが、ワールドタイトルと同時に2枠のアメリカ代表を争い、最終戦のマウイ島で熾烈な戦いを繰り広げる。

 

イタロ・フェレイラ WSL/ Poullenot

 

女子同様でワールドタイトルを争うランキング1位のイタロフェレイラ、2度の世界チャンピオンである2位のガブリエル・メディーナ、4位のフィリーペ・トリードがブラジル代表の2枠を奪い合う。パイプで最高の成績を収めた2人のサーファーがオリンピックチケットを獲得する。

 

 

以下が、これまでに2020年オリンピックに暫定的に資格を与えられた18人のサーファーのリストとなる。

 

日本は2つの開催国枠を保持していたが、五十嵐、村上、松田が通常のルートで内定を得ているため、2020年のISAワールドサーフィンゲームスに2つの枠が追加された。 来年5月のイベント(開催地未定)で、女子7名と男子5名がオリンピックの出場枠を手に入れることができる。

 

これらのすべてのスロットは、2020 ISAワールドサーフィンゲームスの終了時にISAが最終発表するまで暫定的なものであるが、ますますヒートアップするオリンピック代表争い。要チェックだ。

 

 

2019WSL-CT経由
コロヘ・アンディーノ(アメリカ)
ジェレミー・フローレス(フランス)
ジョーディ・スミス(南アフリカ)
五十嵐カノア(日本)
ステファニー・ギルモア(オーストラリア)
サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)
ジョアン・ディフェイ(フランス)
タティアナ・ウエストン-ウェッブ(ブラジル)

ISA-WSG2019 経由
村上舜(日本)
ラムジ・ブキアム(モロッコ)
ビリー・ステアメンド(ニュージーランド)
フレデリコ・モライス(ポルトガル)
松田詩野(日本)
アナト・レリオール(イスラエル)
ビアンカ・ブイティンダッグ(南アフリカ)
エラ・ウィリアムズ(ニュージーランド)

Pan Am Games経由
ルッカ・メシナス(ペルー)
ダニエラ・ロサス(ペルー)

 

Tokyo 2020 Qualification Update:

Men
Women
2019 World Surf League Championship Tour Jordy Smith (RSA)
Kolohe Andino (USA)
Kanoa Igarashi (JPN)
Jeremy Flores (FRA)
6 more slots TBD
Sally Fitzgibbons (AUS)
Stephanie Gilmore (AUS)
Johanne Defay (FRA)
Tatiana Weston-Webb (BRA)
4 more slots TBD
2020 ISA World Surfing Games (May 2020) 5 slots TBD 7 slots TBD
2019 ISA World Surfing Games Shun Murakami (JPN)
Ramzi Boukhiam (MAR)
Billy Stairmand (NZL)
Frederico Morais (POR)
Shino Matsuda (JPN)
Anat Lelior (ISR)
Bianca Buitendag (RSA)
Ella Williams (NZL)
Lima 2019 Pan Am Games Lucca Messinas (PER) Daniella Rosas (PER)
Total 20 men 20 women