写真、リポート:山本貞彦 千葉県長生郡一宮町釣ヶ崎海岸(志田下)で開催中のJPSAショートボード第7戦(最終戦)「Trident Seafoods Chiba Ichinomiya Pro」は大会最終日。
今日が大会最終日。天気は曇りで、風はサイドオフ。昨日の夜に風はあまり吹かなかったことで、サイズダウンはまぬがれた。波は肩頭。潮が引くとダンパーになり、波の選択も難しい。流れも入っているし、アウトも遠い。試合はあまりポイントが伸びず、僅差での戦い。よって、最後の最後で逆転劇が繰り返された。
カレントリーダーであった西修司はクォーターで敗退。同ヒートの茅ヶ崎の大橋海人が佐藤魁を援護する形となったものの、佐藤魁も同ヒートの修司の弟、西優司に押し出される形で敗退。あとは河谷佐助の結果次第となった。
大阪魂。河谷佐助、悲願のグラチャン
河谷はセミファイナルを勝ち上がれば、グラチャン決定。ここを見事勝ち上がり、自らの力で引き寄せタイトル奪取。子供の頃からの夢であった大阪出身のグランドチャンピオンの誕生だ。おめでとう!
「人に涙を見せるのが嫌で、海からなかなか上がれませんでした。普段と変わらずに、この1年間やってきたんですけど、昨日の夜は、自分てこんなに弱かったかなって思うほど震えて眠れなかったです。」
「去年、大阪に優勝を持って帰ったんですけど、優勝だけでは納得いってなくて、グランドチャンピオンを大阪に持って帰るのが自分の夢で、今年真剣に取り組みました。チャンピオンになれて本当に嬉しいです。」
河谷佐助
グランドチャンピオンは年間でどんな波の状況でもコンスタントに結果を積み上げた結果、手に入れる称号。河谷佐助、須田那月は試合を重ねるごとに上手くなっていった選手。スキルだけでなく、メンタルの強さも身に付けた。
祖父に捧げた勝利。須田那月
女子は庵原美穂がR-3、宮坂麻衣子がセミファイナルで敗退。あとは須田那月がファイナル進出で2位以上ならば、念願のチャンピオン。試合をこなすごとに演技のバリエーションも増え、攻め続けて2位でフィニッシュ。
ほぼ確実と言われていた都築虹帆から逆転タイトル奪還。怪我からの長いリハビリ、そして、大会遠征、祖父の死を乗り越え、手に入れたタイトル。それはみんながサポートしてくれたから成し遂げられたと改めて感謝と御礼。本当におめでとう!
「今日は朝から会う人会う人に2番になればグラチャンだねって言われて、プレッシャーも感じてたんですけど、そんな中でも集中できたのが結果につながったのかなって思います。
今年1年を振り返って、アベレージで表彰台に上がっていたわけではないんですけど、自分のサーフィンが出来ていたことと、試合が楽しめていたこと、集中力が続いていたことが勝因だったのかなって思っています。
ファイナルは最初から最後までドキドキしてて、そんな中でも波は見えててたんですが、周りの選手も決めてくるなって感じていたんで、本当に自分は来た波をメイクするだけで、あとは周り次第と思っていました。いつも私を応援してくれた祖父が今年の3月に亡くなって、この勝利を天国で見て喜んでくれていると思います。」
男子
優勝:仲村拓久未
2位:河谷佐助
3位:河村海沙
4位:大橋海人
女子
優勝:川合美乃里
2位:須田那月
3位:大村奈央
4位:川瀬心那
2019年 JPSAショートボード グランドチャンピオン
男子:河谷佐助
女子:須田那月
2019年 JPSAショートボード ルーキーオブザイヤー
男子:加藤翔平
女子:都築虹帆
「今年からJPSAを回るようになって、前半は勝てる試合も少なかったんですが、途中から少しづつ自分のサーフィンも出来るようになってきて、ルーキーオブザイヤーを取れて良かったです。来年はもっと良い結果を残せるように頑張りたいです。」加藤翔平
4年ぶりの復活優勝。仲村拓久未
仲村拓久未
1ヒート、1ヒート集中していた。投げ出すことなく、我慢のサーフィン 。 今日のヒート進行ぶりを見る限り、あの強い拓久未が戻ってきた。 2015年JPSAの田原での大会で優勝してから4年ぶりの優勝となる。 勝てない時期が続いたものの、スキルはあるしコンペ感も良い。 これで来年に向けて飛躍のきっかけになるはずだ。 おめでとう!
「今回は最終戦ということで、毎ヒート100%の力が出せるように集中してやっていました。優勝をずっと目標にしていたんで、やっと勝てたって感じです。
今年JPSAに戻ってもう一度グラチャン取りたかったんですけど、同じ関西の佐助(河谷)がグラチャン取って刺激になりました。最後は勝てて良かったです。来年はブチかまします。」仲村拓久未
今季初優勝。川合美乃里
川合美乃里
国内の試合も久々。 昨年はJPSAで2回優勝、準優勝1回と実績があるものの、今年は海外中心で結果が出せずスタック。でも、海外での経験は無駄になっていない。恵まれた体格から繰り出される演技は大きく、スピードも上がった。 あとは自信を取り戻すこと。 これでWSLの最終戦が楽しみになった。 おめでとう!
「ファイナルは最初から良い波乗れて良かったです。毎日この志田下で難しいコンディションでも入って練習していました。最後は波がすごく良くなったんで楽しかったです。
今年一年、全然良い成績が残せてなくって、今回は楽しんで試合をやってみようって思って、それが結構はまったのかなって思いました。今回は波のサイズもありましたし、QSの試合よりもハードな場面もあったので、自信に繋がりました。」
河村海沙
コーチング業をすることで、試合を観察することが増えた。そのおかげで、ポジショニングや相手の動向で速やかに作戦変更ができるようになった。後半戦で上位に食い込むことも増え、ランキングも着実にアップ。お見事です。大橋海人
サーフィンがカッコいい。前にも書いたけど、体格がゴツくなってパワフルさが増した。試合での攻め方も力強く、リスキー。ワイプアウトもあるけれど、決まった時は半端ない。もっとサーフィンを見ていたいサーファーの一人だ。
「志田は、ちょっと苦手で、最近やっと波長が合ってきた感じなんです。ヒート前に大原洋人と喋ってて、『カイトくん、絶対こことここの間だよ』って言われてて、海に入っても絶対ここだっていう場所が見えてたから。右の奥に行き過ぎると流れがあって。洋人が言ってた場所で待ってたら、良い波2本乗れて良かったです。」
大橋海人
田中英義
QF-H1でヒデヨシが成功させたエアドロップ。「あんなとこ初めて当てました。あんな落ち方も初めてだったし、あんな着地も初めてでした。」とそのライディングを振り返ってコメント。
大村奈央
女子のサーフィンを牽引してきた大村奈央。若手が台頭する中でも、常に安定した実力を発揮。ここぞというところで爆発的なサーフィンを魅せる。川瀬心那
線が細いのは否めないが、応用力はピカイチ。どんな波でも演技を仕掛け、ポイントに結びつける。才能があるからできること。あとはパワーがつけば、常勝は間違いない。
西優司
怪我明けからの波乗りは以前にも増して絶好調。ハイリスクは技をメイクして高得点を叩き出しセミファイナル進出を果たした。来シーズンの活躍を期待させるパフォーマンスだった。
辻裕次郎と高橋健人もセミファイナルまで勝ち上がった。
R-5H-5がリサーフ。
インターフェアで敗退した野呂海利からプロテストが出された。繰り返しビデオを確認後、異議が認められ、ヘッドジャッジ、コンテストディレクターと選手で話し合い、リサーフとなった。
茅ヶ崎から応援団。旗には「茅ヶ崎魁」「茅ヶ崎魂」と書かれていた。佐藤魁だけでなく、大澤伸幸、大橋海人にも声援を贈る。
今回の低気圧と台風21号で被害に遭われた方に対し、試合開始前に選手、スタッフ全員で黙祷を捧げる。
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