撮影&現地リポート:永島未知子 青空が広がる気持ちのよい朝を迎えたパンティン・クラシック・ガリシア・プロの大会4日目。WSLウイメンズQS6000「Pull&Bear Pantin Classic Galicia Pro」のラウンド5、残り4ヒートが行われると、試合はメンズQS3000に移行。ラウンド3のヒート7からが開始され、引き続きラウンド4に続いたが、ヒート4を終えた時点で再びウイメンズの試合に戻った。そしてウイメンズのラウンド6の8ヒートを全て終えこの日は終了。
Pull&Bear Pantin Classic Galicia Pro 2018 Highlights: Big Moves and Big Exits on Day 4
波のサイズは2m弱。前日に比べるとサイズは約2倍だが、上がるといわれていたので想像したよりはサイズアップしなかった。それが選手からの印象のようだ。
この日に登場した日本人はメンズが新井洋人、田中大貴、それにアメリカ国籍だが両親が日本人の小林桂、またバリ人とハーフの和井田理央も加えておく。全員ラウンド3のヒートだったが、そこを突破したのは田中大貴と和井田理央の2名。
和井田理央に至っては、ヒート序盤にグーフィの波に乗ると波の崩れ方とうまく一体化したラインを描きながらバックハンドで華麗なターンを2発。その素晴らしさには会場もザワついた。しかもまだ午前中で関係者の多い時間だ。その1本に8点台が出ると、その流れのままトップ通過。
和井田理央「難しかったです。波がボヨボヨしていて。潮が上げている時間の方がいい波だと思います(引いていく時間帯だった)。ピークもいくつかあって、どこにいこうかと。でもいい波に乗ることができました。なぜいい波に乗れたのか? たまたまでしょうか(笑)」
ラウンド2から勝ち上がった田中大貴のヒートになると、波はダンパー気味に。波選びが難しかったが、中盤を過ぎた頃に際どい場所からテイクオフすると、そのまま力強く鋭いワンターンを披露。ヒート内2位に上がる得点を獲得すると、そのままラウンドアップを果たした。
田中大貴「沖からだと落ち着いて見えるけど、実際はけっこうハード。波もドカンドカン入ってきた。1本乗ると戻るのが大変だと思ったけど、攻めないとダメだから、ショルダーが張りそうな波があったら乗った。ターンは1発、多くて2発の波。でも1発でも点数が出た。勝てたからよかったけど、難しかった。でもまだトップシードが出てくる前。負けられないラウンドなので」
新井洋人、小林桂はいい波を選ぶことができなかったように思えた。観ている者以上に消化不良を感じているのは本人たちの方だろう。毎日、毎時間コンディションが変わるパンティンの波はこの日も変わらずくせ者だった。
前田マヒナがQS6000でクオーターファイナル進出!
しかしそのパンティンの波は日本人だけが苦しんでいるわけではない。ウーメンズはラウンド5からマン・オン・マンとなる。ヒート3に出場した前田マヒナの対戦相手、ブリーサ・ヘネシーはその1人といえるだろう。25分のヒート中、1本しか波に乗らなかった。
その間、前田は最初に3点台を出すと、そのあとレギュラーのバックハンドで2発ターンを決め5.80。1本の点数はブリーサ・ヘネシーの方がほんの少し高かったが、前田が総合で上回った。
前田マヒナ「最初に1本乗って1発しかターンできなくて、難しい波だと思った。でも勝ててよかった。ブリーサも上手な選手だし。なんで彼女が全然波に乗らなかったか? わからない! (マヒナちゃんのサポーターが試合途中でサーフボードを上にあげ、何か合図を送っていたように見えましたが?) 多分そっちの方向にいけってことだったんだと思う。でも見てない!(笑) 最近このラウンドで負けちゃうことが多かった。(次が)久しぶりのクォーターファイナル。そこまで進むことができてすごく嬉しい!」
フランスをベースに2ヶ月前からヨーロッパにいるという前田マヒナ。サポートメンバーの存在もプラスとなり調子がよさそうだ。そしてこの大会は“もっている”と思わされる場面が何度かあった。この快進撃をもってしてより高みに進んでほしい。次はクォーターファイナルでCT選手のニッキ・ヴァン・ダイクと対戦する。
現地時間で明日8月31日(金)はメンズのラウンド4ヒート5から、もしくはウーメンズのクォーターファイナルから始まる。メンズから始まればオープニングヒートに大原洋人が登場となる。前田マヒナのクォーターファイナルは2試合目。ファーストコールは朝9時(日本時間16時)。明日も朝から大事な試合が続く。
週末が近づくごとに出来上がっていく会場設営。日本とは違います
フリーサーフィンを楽しむ田代凪沙ちゃんと松田詩野ちゃん。同じ宿に泊まっています
お昼過ぎにフリーサーフィンに向かう大原洋人。自身が出るヒート直前でウーメンズにチェンジ。明日オープニングヒートになる可能性も
ヒート前に1人で集中するセージ・エリクソン
ピクニックスタイルで出番待ちをするハワイのキーロン・ジャボアくんは、田中大貴と同じヒートのシード選手。トップ通過した
会場内には大型ビジョンが2台設置され、ライブ中継と同じ映像を楽しむことができる。日本からはベン・ウェイ氏がインタビュアーとして今年も参加
午後になると人出が増える。晴れだが海から吹く風は冷たい。それでも日焼けを楽しみながらビーチにいる。スペインのビーチカルチャー。金曜の明日はよりギャラリーが増えるだろう
フランス人たち。このうちコーチは3名。ウーメンズは全員敗退したそう.スペインは隣の国とはいえアウェイであることは変わらず。観ていてくれる人がいて、試合中にホームのような場所、自分の居場所があるとメンタル面でプラスになるのかもしれない。結局、勝つかは選手自身の事だが