WSLジャパン・リージョナル・Jrチャンピオン、WJC日本代表、森友二インタビュー

エアも見せ絶好調だったJPSA最終戦。photo:s.yamamoto
エアも見せ絶好調だったJPSA最終戦。

 

 

めざましい活躍で日本のプロサーフィン界に新風を巻き起こしている森友二。JPSA第8戦にプロトライアルから出場して初優勝という快挙は、その実力がフロックでないことを示した。2017年の活躍に期待が集まる本人に彼のライフスタイルやサーフィンそしてコンテストについてインタビューした。

 

Inteview & Portrait by Ri Ryo

 

今シーズンは大活躍だったね。しかも全米プロジュニアとISAジュニア世界戦で3位。

ありがとうございます。

茅ヶ崎がホーム?

そうです。

そういえば茅ヶ崎のローカルたちって仲良いよね。

そうなんです。仲がすごく良いんです。茅ヶ崎は先輩とか後輩ってあんまり関係なくて友達って感じですね。だからJPSAの試合も茅ヶ崎のみんなが応援団で来てくれてそれが心強かったです。三日間交代で応援に来てくれたんですよ。超うれしかったです。

 

 

yuji-mori_u0a0289
JPSA最終戦の勝利は茅ヶ崎の友人たちの応援があったからこその優勝だった。photo:s.yamamoto

 

 

家族はサーフィン一家って感じなの?

いえ父親はサーフィンしてましたが、そんなに熱くなってるという感じではなかったです。母親も海は好きですがサーフィンはしていないです。

兄弟は?

兄がいてオーストラリアに留学してます。それと妹が1人いますね。三人兄弟です。

お兄さんはサーフィン留学?

いえサーフィンしてますが、今はオーストラリアの大学で勉強して将来は自分で設計してウェーブプール作るって夢があります。そのために勉強中で、いつか湘南に作るって言ってます。

実現したらすごいね。

そうですね。

 

rr_sm0044

 

 

一日の生活を聞いてもいいかな?高校は通信制?

はい、実際に行くのは1ヶ月のうち2回か3回です。

学校はどこにあるの?

東京です。芸能スポーツコースっていうのがあって、芸能人とプロアスリートしかいないんです。でもおかげでプロスノーボーダーとか芸能の世界の友達ができました。

普段の勉強はパソコンでやるの?

いえ登校した日にレポート提出するんです。その時に次のレポートや授業を受けます。

じゃあ家族と住んで勉強して、波があればサーフィンしてるんだね。

そうです、あとコーチの田中樹さんのところに行って練習してます。

 

 

rr_sm0038

 

練習は千葉に行くんだね。

そうです。だから茅ヶ崎はサーフィンというより自分の気持ちをリセットする場所なんです。

海外や試合から疲れて帰って来て茅ヶ崎に来るとほっとするんです。友達と会って遊んだり飯食ったりしていると気持ちがリセットされるんです。僕にとって茅ヶ崎はそういうところです。ここが僕の原点なので・・・。

茅ヶ崎はそういう意味でもホームなんだ。

そうですね。

サーフィンは友二君にとっては楽しむというよりもう仕事というスタンスなのかな?

そうですね仕事です。

 

jr-yuji-mori_u0a7498
国内全3戦のプロジュニアでは伊勢志摩と南房総で2勝をあげた

 

 

試合は好きですか?

好きですね。勝つのが好きだし、負ければ悔しいけどそれを受け止めるようにしています。

負けを受け止める?

ええ、うまく言葉では説明できないんですが、試合でベストを出し切るのが目標なのでそれができたかどうかが重要なんです。勝ち負けはその結果だと思うんです。だから負けたときは素直にそれを受け止めて分析するんです。なぜ勝てなかったのかと。

 

樹君と出会ってから戦い方が変わりました。

 

コーチである田中樹との出会いが森友二の大きな転換期となった
コーチである田中樹との出会いが森友二の大きな転換期となった

 

コーチの存在は大きいですか?

樹君と出会ってから戦い方が変わりました。僕はサーフィンはうまいけど試合が下手だよねって言われ続けてたんです。だから俺に足りないものはなんだろうってずっと考えていたんです。

やはりタクティクスが足りないのかなって思っているときにオニールさんからスポンサーのオファーが来て、それでチームに参加させてもらって樹君のコーチングを受けられるようになりました。そこから変わりましたね。

 

それは具体的には、どう変わったの?

試合の勝ち方のノウハウを教えてもらったんです。それで千葉で練習して、試合にも来てアドバイスをもらいました。アドバイスをいろいろ受けて「ああ、そうか」って分かってきたんです。

 

試合のタクティクスですか、具体的にはどんなことなのそれは。

たとえば相手との距離感とかですね。こうしたら相手はウザイと感じるだろうというような駆け引きです。

心理戦なんですね。

そうですね。

 

USオープン2016プロジュニアで3位入賞
USオープン2016プロジュニアでは3位入賞

 

今年の初めはWJCの試合で結果が出せなかったんだね。でもその後から快進撃が始まった。

そうなんです。僕はWJCではフィオラヴァンティ(レオナルド)とかデイビッド・シルバとかトップランキングの連中と当たってしまって、それで歯が立たなかったです。

CT入り確実という選手がごろごろいる中で戦って波もパワーあるし世界の大きさを痛感しました。でもそこが起点になったというか自分の今の位置がわかって、どこを目指せばいいのかがわかったんです。

 

それが全米プロジュニアや ISAでのいい結果につながったの?

そうだと思います。それにやはり樹君のコーチングでタクティクスがわかってきたんだと思います。それで試合に勝てるようになりました。

 

ISA世界ジュニアで惜しく優勝を逃し3位
ISA世界ジュニアで惜しく優勝を逃し3位

 

 

ISAの世界戦はいい試合だったね。

 

でもISAもUSオープンも勝てた試合だったと思います。というのもコーチが一緒ではなかったんです。ISAではセミファイナルで良い波に乗れて9点を出してそれをファイナルで待ったんです。でも勝った選手は一発技を二本決めて勝ったんです。

 

ファイナルは波のコンデションが変わってダンパーしかなかったんです。気持ちが高ぶっていてセミファイナルの波を待つことしか考えられなかったんです。僕の未熟さもありましたが、コーチがいれば作戦を変更したと思います。

 

rp_yuji-mori_C2A2252.jpg
茅ヶ崎からコーチのいる千葉で練習を重ねる森友二

 

でも、その負けがあって、JPSAや南房総での勝利につながったのかなとも思うんです。でも勝ちが続いたから、来年に向けてどうリセットするかが課題です。

 

日本のプロサーファーが海外で勝てないのはなんだと思う?

 

うーん、やっぱり気持ちじゃないかと思います。サーフィンの技術はぜんぜん負けてないですから。大原君(洋人)がUSオープンで勝ったのもそれを証明しています。サーフィンは絶対負けてないです。だから僕は試合では相手が外人だろうと誰だろうと絶対に負けないっていう強い自信を持つようにしています。

 

僕には茅ヶ崎かなって帰ってくるたびに思うんです。

 

カノア五十嵐選手はどう思う?

 

頭が良いと思います。試合もよく考えていてどうすれば勝てるか理解して戦っていると思います。

 

なるほどね、ところでサーフィン以外に趣味は持ってる?

 

そうですね人間観察とか笑。じつは僕は他のスポーツぜんぜんダメなんです。サーフィンしかできないんですよ。だから特に趣味はなくて友達と遊ぶことが好きです。茅ヶ崎に帰ってきて友達と遊ぶのが楽しいんです。海外もいろいろ行ってすばらしいところが一杯あるけど、でも僕には茅ヶ崎かなって帰ってくるたびに思うんです。

 

茅ヶ崎が好きなんだね。

 

そうなんです。海外の試合に行くときも茅ヶ崎の先輩に連れてってもらって面倒見てもらって、それを今度は俺たちがしなきゃあ行けないんだな、これが代々続いて行くんだなって感じますね。だから将来は茅ヶ崎の市長になろうと冗談で考えてます(笑)。

 

誰にでも勝つチャンスはあると思ってますし、あとは気持ち一つだと思います。

 

c41faaa0e51022c11265ad82a95aba46
USオープン@ハンティントン・ピア photo:WSL/Rowland

 

でも良い目標だと思うよ。さて、来年の目標は?

 

プライム(QS10000)ですね。QSプライムに出てランキング上げてトップ10に入ることが来年の目標です。

 

注目している選手は?

 

CT入りを決めたイーサン・ユーイングとか、グリフィン・コラピントとかですね。

 

年明けのWJCでの目標は?

 

優勝ですね。USジュニアオープンの選手たちを考えれば実力は負けていないのだから、あとは試合に向けての気持ちの持っていき方だと思っています。誰にでも勝つチャンスはあると思ってますし、あとは気持ち一つだと思います。

 

 

日本の若い世代が急成長してきている。もちろん森友二もそんなニュースクーラーの一人だ。だが新世代の彼らは彼らのなかで切磋琢磨があり、目指しているものは国内よりもむしろ海外だ。イタリアの選手がCTで堂々と戦っている姿を見れば、波のクオリティなどが勝てない理由にはもうならない。2017年は日本のサーフィン界にとって大きな節目となる年になるかもしれない。