ディスカバリーインドネシアⅡ〜最終回/西チモ-ル「その波は、突然我々の目の前に現れた」
東西南北、四方を海に囲れ、年間を通じて良質なスウェルが打寄せるインドネシアの知られざる波の魅力 に迫る「ディスカバリーインドネシア」。2シーズン目を迎えた今年も、世界が認める有数なサ-フデェスティネ-ションをクロ-ズアップし、年間で5つのロケーションを紹介。そして、ついに迎えたシーズン2の最終回は、インドネシアの最南端の西チモ-ル。
その波は、突然我々の目の前に現れた。
サマサマ号は夜通し休む間もなく長い距離を走り続け、とある島の入り江に錨を落としたところまでは記憶にあるのだが辺りは真っ暗な闇、深夜2時ぐらいだろうか。
一瞬眼が覚めかけたが強い睡魔に襲われ、再び深い眠りについた。寝ぼけながらも船が左右に揺れているのをしっかりと感じていた。翌朝の”ウェ-クアップコ-ル”は波のリップが浅い棚に炸裂して砕け散る爆音だった。
ディスカバリ-インドネシア2最終回は、我々の期待を裏切ることなく見事にシリ-ズ最高 の波で有終の美を飾る事となった。
インドネシアの最南端、西チモ-ル沖合にその島はあった。その波は、メンタワイ諸島のHTの様でもなく、バニャック諸島のトレジャ-の様でもない。 ミドルリ-フの棚に沿って、手ごろな掘れ具合を保ったまま永遠と規則正しくブレイクを繰り返す。 ハ-ドでもなく、メロウでもない、ちょうどアベレ-ジサ-ファ-にとって少しだけ背伸び したら届くような、そんな理想を絵に描いた様な波だった。
さらに特筆すべきは、そのロケ-ションである、クオリティはライトブレイク程ではないが、 狭いパスを挟んで目と鼻の先にレフト方向へ素直にブレイクしていく波もそこにあった。 しかも、この島にはサ-フキャンプの類はなく、ロ-カルキッズが使い古されたオ-ルドボ-ド を数人で使い回している光景を一度見ただけである。
そう、我々メンバ-だけで争うことなく楽しい、和やかなセッションが繰り広げられたのである。
19年前、メンタワイを初めて訪れた時、その喜びは他に例えようがなかった。 サ-フィン界において今世紀最大の発見ともいえる「楽園」であったからである。
西スマトラ、北スマトラは一年中質の高いスウェルが打ち寄せるゴ-ルデンエリアと言える。 メンタワイ諸島の発見と前後して北スマトラのアチェ州にバニャック諸島が発見され、 インドネシアNo,1ライトブレイクと称されるトレジャ-ポイントが出現した。 そして、今回の発見はスマトラ島とは真逆の方向に位置する東ヌサ・テンガラ諸島だ。
群島国家インドネシアには、東西南北、全域に渡って人知れず、無人のブレイクを繰り返す 垂涎もののポイントがまだまだ多く点在しているという事は疑う余地がないようだ。 これからも我々のディスカバリ-インドネシアの旅は続いていく。
今回もチャンティックなSAMASAMA号が我々を夢の世界へといざなった。
[旅後記]
2014年の10月、スンバ島のミラ-ズライトを皮切りに様々な未だ見ぬインドネシアの魅力あふれる波を5回に分けてご紹介してきたディスカバリ-・インドネシア2。 今回の第五弾西チモ-ル ロテ&サブを持ちまして終了となります。
思えばいろいろなハプニングもございました、荷物が届かない、迎えが来ていない、 荒れ狂う海であわや遭難という危機にも直面しました。 しかし、終わってみればその全てが良き思い出となって一層感慨深いものとなりました。 旅にハプニングはつきもの、ましてインドネシアはまだまだ発展途上です。
これからインドネシアへ旅する予定のある方はどうぞ大らかな気持ちと寛大な心で 理不尽なことに直面しても怒らず笑顔で受け止めていただければと思います。
そのうち、またか!こんなもんか!仕方ないな!と些細な事は気にならなくなったら 貴方もインドネシアを楽しく旅する達人の仲間入りです。 最後にディスカバリーインドネシア2にご参加いただきました皆様、また実施にあたり ご理解とご協力、ご支援をいただきましたインドネシア在住カメラマンNobu Fuku氏 、ライターの有本圭氏、中川淳氏、波伝説加藤社長、サーフメディア徳植編集長、 雑誌Blue戸井田編集長、ガルーダインドネシア航空真壁氏、関係各社、 皆々様に改めて心より感謝とお礼を申し上げます。
そして、サ-フメディア愛好者の皆様、1年間ご愛読ありがとうございました。
OM tour代表 丹野準二
Thanks to all fellows
See you somewhere in INDONESIA…
【ディスカバリ-・インドネシア2】の模様はBlue誌のバックナンバ-、波伝説サイト、 弊社サイト「旅日記」等でもご覧いただけます。
協力:波伝説、ガル-ダインドネシア航空、BLUE、OMtour、
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