永井那旺、JPBAボディボード・グランド・チャンピオン/3チャンピオンズ・インタビュー

永井那旺

2017年、第1戦の千葉でプロ初優勝を飾っただけでなく、続けて第2戦の新島でも優勝。第5戦 の最終戦の鴨川も優勝と今期3勝を上げて、文句無しのJPBAグランドチャンピオンの栄冠を手に入れた。学生時代からプロ活動との両輪で頑張って来た永井那旺の今年の活躍。そこにあったのは、 大きな転機。そこでつかんだものとは一体なんだったのか?

 

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写真、インタビュー:山本貞彦 

Riding Photos*Masahiko Yoshioka/Nikon https://risingmagazine.com

 

ー2017年は5戦中3戦を優勝。しかもプロになっての初優勝からの2連勝、さらに最終戦も勝ってグ ラチャン獲得。素晴らしい結果でした。プロとしてやって来て、コンペティターとしてやって来て、 初めての結果でした。今年、何があったのでしょうか?

 

そうですね、4月から四国に引っ越して。単純に海の近くに住んだからかもしれません。海の近くに住んだことで、海に入る回数が増えたというのが、単純にあります。入る時間というよりは、いろいろなコンディションでやれること。毎日、波さえあればやるというのが大きかったのかなって思います。

 

海の近くに住んだから、いろいろなコンディションでやれること。毎日、波さえあればやる。

 

ーそれまではどこをベースにしていたのですか?

 

自分は東京なんですけど、アマチュア時代はNSA藤沢支部に登録していたので、湘南に行くこと が多かったです。ムラサキスポーツさんがスポンサーなので、イベントがあって1ヶ月の半分は湘南に行ったりしてました。プロになって、本社ライダーになってからは、けっこう千葉とかもベー スになりました。

 

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限られた時間の中で、自分を追い詰め、それがストレスになっていました。

 

ー今まで通いだった海が、海自体がベースになったことが大きなきっかけですか?

 

そうですね。海を見て、コンディションがよりわかるようになりました。東京で生活していた時 は、都会は都会。海は海って分けて考えていました。意識していたかどうかはわかりませんけど、 別なものという認識でいました。それが海の近くに住んで、常に海のことを考えられるようになっ たからかもしれません。

 

今までだと海に行くことが限られていたからこそ、その時間を無駄にしないようにしようと集中 していました。練習しなきゃとか、今しかないという考えだったと思うんですけど。

 

限られた時間の中で、自分を追い詰めながらじゃないですけど、心的にも体力的にも頭的にもキャパ以上だっ たのかなって。それがストレスになったりとかして。それで、試合では無理して、力を発揮できずに不完全燃焼で終わるということが多くて。それが自分の中のもどかしさでもありました。

 

 

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渡辺萌、西村優花の親友のプロ達と。

 

 

ー環境を変えることで、価値観も変わる。そして、人生も変わる。海を中心とした生活でそれを 手にいれたんですね。それが、この結果につながった。

 

ここまで海にいるのは初めてなんですけど。気持ち的に余裕ができたんじゃないかなって思います。 意識してじゃなくて、ここまでリラックスできるのは初めてです。

 

それに、ずーっと海の近くに引っ越したいという想いも叶って、それが自分にとって一番良かっ たっていうのが、結果に出たのかなって思います。でも、グラチャンもそんな意識はしてなかった ですし、優勝もそうですけど。

 

自分がベストを尽くして、それに結果が乗っかってくればイイなっ て思っていたので。でも、応援してくださった方に、ちゃんとした結果で見せることができたの が、一番良かったです。それは、自分がグラチャン取って嬉しいという気持ちよりも望んでいたことなので。

 

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イイ波に乗って、それに結果がついてくるのがベストですね。

 

ー今年の大会で記憶に残っていることはありますか?

 

ファイナルに残るというのが、本当に片手で数えるぐらいしか今までなくて。第1戦で決勝は落ち着き過ぎというぐらい、緊張はしていませんでした。結果も海から上がって来てのコールだったので。それで逆転で優勝だったんです。でも、正直、優勝したということは実感がなかったです。

 

あとはスポンサーの大会の湘南オープンですね。結果は7位でした。気合が入りすぎたかもしれま せん。自分ではそう思っていなかったんですけど、冠の大会という意識がすごい強かったという か、自分の中ではこの大会で優勝することが恩返しって信じていて。優勝したいっていう気持ち が強すぎたのが、裏目に出てしまったのが心残りです。

 

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ー来年に向けて、今後の目標は?

 

まず、目標はトップに。とにかく、イイ波に乗ることです。それで結果はついてくると思うので。 あえて、2連覇とは言いません。区切りがついたこともあるし、自分のライディングスタイルが魅 せられたらいいなって。

 

昔から試合に出ていてわかったことは、スポンサーの大会だと、頑張らんなきゃ、優勝しなきゃ とか思うと、絶対、結果がダメだってことです。だから、自分自身の心の持って行き方じゃないですけど、自分の性格も理解してやることができれば。やはり、自分にとってはイイ波に乗って、それに結果がついてくるのが一番ベストだと思っています。

 

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3チャンピオンズ・インタビュー

加藤嵐 永井那旺 都築百斗