都筑百斗、WSL ASIAリージョナル・ジュニア・チャンピオン/3チャンピオンズ・インタビュー

都筑百斗

 

一昨年はWJC(ワールドジュニア)の日本代表入りも果たし、順風満帆かと思えば、昨年はそ の目標としていた代表から落選。そして、今年は見事、復活。千葉のQSのジャパントライアルで 準優勝。ジュニアシリーズも第1戦の千葉、第3戦の伊勢と優勝を決め、本年度のWSL ASIAリー ジョナルでジュニア・チャンピオンとなった。そして、来年の1月にオーストラリアで行われるWJCの日本代表にも選ばれた都筑百斗。その復活にかけた想いは何だったのか聞いた。

 

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写真、インタビュー:山本貞彦

 

ー 去年はWJCの大会でリベンジがしたいと、それに向けて一年、頑張っていましたよね。しか し、いろんなミスもあり、結果、空回りで代表を逃しました。それについてどう考えていました か?

 

そうですね。めちゃくちゃ悔しくて。2016年はWJCに行って、勝つことを目標にしていたのに、 出ることすらできないという感じで。落ち込みました。初めて出たWJCは、緊張して自分の波乗 りができなかったので、次は絶対、決めてやろうって思っていましたから。

 

都筑百斗
都筑百斗

 

ー それが、変わって今年の快進撃。自分ではどう捉えていますか?

 

はい。その悔しさをバネにしたこともあるんですが、板の調子が良かったです。今年、ずーっと1 本でやっていて。それに頼っちゃった部分も実はあるんですけど。その板のおかげで、ジュニアで 結果が出せたということはあります。

 

サーフィン が上手いだけじゃダメだなって思って、コーチングをお願いしました。

 

ー 実際に、昨年から大きく変えたことは何でしょうか?

 

今、思うと一昨年の志田は、たまたま優勝できちゃったみたいな感じでだったなって。昨年はサー フィン自体は、すごい調子が良かったんですけど、インターフェアして負けちゃって。サーフィン が上手いだけじゃダメだなって思って。樹くん(田中樹プロ)にコーチングをお願いしました。

 

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ー 戦術(タクティクス)ということですね。でも、コーチがいつも帯同できるわけじゃないで すよね。そこはどうしていたのですか?

 

樹くんには戦術は教えてもらっているんですけど、波を見ることは自分で判断していて。だから、 最初に自分で行きたいとこを決めて、そこに合わせてコーチングしてもらうというスタイルでやっ てもらっています。基本、お父さんかお母さんのどちらかが一緒に廻ってくれるので、ビデオを撮ってもらって。後でそれを見て、次のヒートの作戦に役立てています。

 

先輩グラチャンの河野正和と同じBEWETチームから3名のグランドチャンピオンが誕生。
先輩グラチャンの河野正和と同じBEWETチームから3名のグランドチャンピオンが誕生。

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湘南から千葉に来て、自分にとってはプラスだったと思います。

 

ー 波を見て判断するのは、難しいですよね。どうしているのですか?

 

昨年に比べて、試合は本当に集中しています。海はヒートの2時間前から見るようにして。そのおかげで、今年は意外に波が見えていて、自分的にもうまくハマれたかなっていう感覚です。

 

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ー それと昨年、湘南から千葉へ拠点を移しました。それも良かったのでしょうか?

 

そうですね。湘南だと波が無くて、一週間サーフィンできないとか、ざらでしたから。千葉だと毎日、サーフィンができますし。練習量自体はすごく増えました。千葉に来て、自分にとってはプラ スだったなって思っています。

 

ー 海に入る時間が増えたことで、練習方法は変わったのですか?

 

けっこう、考えながらやっています。ヒートのことを考えて、時間を決めて練習とか。海に入っている間もいろいろ考えながらやって。お父さんもビデオを撮ってくれるので、そこで新しいテーマ を見つけたりとか。

 

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妹はどんどん上手くなっているし、すごく刺激をもらっています。

 

ー 試合だとアムちゃん(妹の有夢路)もいますけど、ジュニア第1戦の千葉では兄妹優勝。アムちゃんも今年、すごくうまくなりました。やはり刺激にはなりますか?

 

そうですね。いつも一緒にサーフィンしていますし。千葉に来たことで、アムちゃんもどんどん上手くなっているし、すごく刺激はもらっています。

 

ー 来年の計画は?ベース的には海外重視ですか?

 

はい。一年のスケジュールは家族とも相談して、海外回りながら日本の出られる試合には出るつも りです。ジュニアの年齢も終わってしまうので、QSに全部出るんではなく、絞って廻ろうかなっ て感じです。

 

年明けにすぐWJCがあるので、今年は早めにオーストラリアに入って練習します。今回のWJCは 日本人にも十分チャンスはあると思っているので。それが終わったら、一回、アメリカのフロリダ の1500に出てから、オーストラリアに戻って、6000のトライアルに出たいと思っています。

 

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今シーズンは田中樹にコーチングを依頼した。

 

ー 今年の結果で、すごく自信が持てたように思えるんですが。

 

いやー、でもジュニアではそれなりに勝てましたけど、QSはコテンパンにやられちゃって。今年1 年を通してQSはダメダメでした。6000の大会に出られるランキングまで上げるというのが目標だったんですけど、もう全然届かなかったので。やはり、ジュニアで勝てても、それじゃダメだなということを痛感しました。

 

QSで勝つにはタクティクスもそうなんですけど、より技術が必要。今のレベルではスキルが全然、足りなくて。もっと練習しなきゃダメだなって思っています。レベルアップして、勝てる選手 になりたいと思っています。

 

 

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3チャンピオンズ・インタビュー

加藤嵐 永井那旺 都築百斗