カテゴライズされ過ぎているサーフィンの垣根を取り払いたい。サーフィン誌『SURF MAGAZINE』創刊

SURF MAGAZINEの創刊メンバー(左奥より) 中村竜フィールドリサーチャー/横山泰介スーパーバイザー/富山英輔プロデューサー/松永光人ウェブディレクター/高橋淳チーフエディター

カテゴライズの壁を超えて

 

撮影、文:李リョウ

 

桜の花びらが舞い散る東京の六本木で『SURF MAGAZINE(サーフマガジン)』の創刊パーティーが開かれた。もうすでにこの本を手に取り、じっくりとページをめくっている人も少なくないだろう。そこで当編集部では『SURF MAGAZINE』が創刊された背景や、これからの方向性をプロデューサーの富山英輔と編集長の高橋淳両氏にうかがうことにした。

 

 

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創刊号のカバーショットは芝田満之

 

 

「竜君(中村)に誘われて、泰介さん(横山)と3人で奄美大島へサーフトリップに行ったのがきっかけだったんですよ」と富山英輔氏は創刊までのいきさつを語ってくれた。

 

3人はその旅の途中でサーフィンの本について語り合い、日本のサーフィンメディアの中心的な役割を担っていた雑誌(旧サーフィンライフ)が無くなって、このままで良いのかという共通の認識をお互い持っていることに気づいたという。

 

「じゃあ、僕達で作ってみようかという気持ちが自然に湧き上がってきたんです」そこで3人は島から戻るとトレスクリエイティブという会社を立ち上げ、編集長に高橋淳氏を選んだ。高橋は旧サーフィンライフ編集部に所属していた千葉在住のサーファーだ。

 

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編集長に就任した高橋淳。ホームブレイクは千葉太東、レギュラースタンス、所有サーフボードは10本

 

「制作室は僕のホームブレイクでもある太東にあります。編集に関してはスタッフの誰もが率直な意見をぶつけあえるような雰囲気なんです」

 

さて、サーフマガジンという名前を聞くと昭和の時代にあったサーフィン誌を思い出すミドルエイジのサーファーも多いだろう。

 

「本のタイトルには悩みました。いろいろ候補が上がり議論も重ねたのですが、最終的にこの名前が残りました。かつてあった本を継承するという意図はありません」と富山は言う。

 

さらに、この本を手に取った人ならば表紙にサーファーズ・ユナイトというサブタイトルが在ることに気づいただろう。

 

それについて高橋は「編集方針として、まずはカテゴライズされすぎている現在のサーフィンのその垣根を取り払いたいという気持ちがあるんです。サーフィンはどんなボードに乗っていようとサーフィンなんだから、こだわりを捨てて一つになろうよ。そういう意味が込められています」

 

日本のサーフィンも成熟期を過ぎて新たな展開を迎えようとしている。情報を得るだけならばインターネットで済む時代でもある。それでもピュアなサーフィンを伝える媒体として雑誌を創刊した彼らの意義は大きい。スマホ世代のサーファーにも支持されるようになれば、この新しいサーフマガジンが担う役割は大きくなるだろう。

 

 

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創刊号特別定価:  ¥1,000 (税込)
発売日: 偶数月10日(隔月刊)
発行: 株式会社トレスクリエイティブ (tres-creative.co.jp)
問い合わせ: info@surfmagazine.jp