
カリフォルニア州サンクレメンテ(2025年6月11日水曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第8戦、レクサス・トレッスルズ・プロ・プレゼンテッド・バイ・アウターノウンが、ローワーズ・トレッスルズの玉石ブレイクで今日も開催された。
4~6フィートの完璧なコンディションの中、ハイパフォーマンスなショーダウンが繰り広げられ、2日目は男子エリミネーション・ラウンドが終了し、女子エリミネーション・ラウンド、男子ラウンドオブ16、女子クオーターファイナルの最初の2ヒートが終了した。
男子、女子ともに、世界タイトル争いに動きがあり、ランキングに波乱が起きた。
6月12日(木)と13日(金)はコンペティションはオフ。ネクストコールは現地時間の6月14日(土)午前7時45分。
ジョエル・ヴォーンとジャック・ロビンソン、ローワーズの波でネクストレベルへ

このイベントでこれまでのベストパフォーマンスは、ジャック・ロビンソン(AUS)が、エアリアル技とパワーを駆使した見事な演技で、ヒート合計 17.07(最高点 20)を記録したものだった。
CT の主力選手同士のバトルでは、レオナルド・フィオラバンティ(ITA)が 8.50(10 点満点)のエクセレントなパフォーマンスを見せ、ロビンソンも調子を戻して 8.87 のビッグスコアでフィオラバンティを上回った。
そして、すでに大きなリードを築いたロビンソンは、見事なブローテールを決め、さらに複数のマニューバーで波を締めくくり、8.20 をマークした。
27歳のロビンソンは、フィオラバンティに圧勝し、リップカール・プロ・ベルズ・ビーチ・プレゼンテッド・バイ・ボンソイでの優勝以来、初めてクオーターファイナル進出を決めた。

「これはいい試合になる、本当に熱い試合になるってわかっていました。私たちは一緒に育ち、それ以来ずっとこの仕事を続けています。いつも良い戦いになり、彼は常に最高のパフォーマンスを見せてくれます」とロビンソンは語った。
「画面にランキングが表示されても、まったく気になりません。イベントに集中し、ここで楽しい時間を過ごすことがより重要です。私はただ戦っているだけです。今年は重要なイベントが続く時期なので、ただ前進し続けるだけです」


ヒート・オブ・ザ・イヤーにノミネートされたヒートでは、現在の世界ランキング 2 位のイタロ・フェレイラ(BRA)がルーキーのジョエル・ヴォーン(AUS)と激しいデッドヒートを展開、両選手ともエアの技を存分に披露した。
フェレイラが 7.83 でヒートをスタートさせたが、ヴォーンはパワフルなハックを繰り出し、オフアクシス・エアリバースで 8.57 のエクセレントスコアを記録して反撃した。
しかし、2019 年の世界チャンピオンであるフェレイラは、まだ諦めていなかった。再びエアを決め、灼熱のカットバックからエア・リバースをメイク。8.37 のスコアでリードを奪い返した。
終了間際にヴォーンは最後のチャンスを捉え、巨大なストレートエアを決め、8.30 のスコアでヒートを制した。21歳のヴォーンは、ヒート合計 16.87 をスコアし、フェレイラを上回って勝ち進んだ。
「イタロは素晴らしい選手で、彼が何をするかまったく予測できないことを知っています。だから、思い切ってリスクを承知で大きな技に挑戦しようと思ったんです。そして、素晴らしいパフォーマンスができました」とヴォーンは語った。
「その直前にストレートエアで転んでしまい、少し落ち込んでいたので、とにかく成功させたかった。グラブを少し外して少しバランスを崩しましたが、なんとか成功して回り込み、もう 1 つのターンも決まりました。波をキャッチしてパドルバックしたのは、本能的な行動だったと思います。」
サンクレメンテの地元ヒーローたちがクオーターファイナルに進出


その素晴らしいパフォーマンスの直後、サンクレメンテ出身のグリフィン・コラピント(USA)が、2022年と2023年のワールドチャンピオン、フィリッペ・トリード(BRA)と、またも完璧な対決を展開した。トリードは、ローワートレッスルズで2度のワールドタイトルを獲得している、この波の熟練者だ。
30歳のトリードは、瞬く間にスタートを切り、コラピントを 15.50 のヒート合計で上回った。その後、コラピントは 7.90 を獲得して反撃し、ヒートに復帰。彼は、エアリバースと複数のオンザフェイス・マニューバーを組み合わせた技を見せたが0.04 ポイント下回った。
ドラマチックなフィナーレでは、トリードが巨大なフルローテーションでフラットにランディング、コラピントは残り 30 秒で波を見つけ 3 つの大きなターンを繰り出し、ヒートを 8.93 で終え、トリードを大逆転、クオーターファイナルに進んだ。
サンクレメンテのサポーターたちは、コラピントの CT ヒート 100 勝目を祝って大歓声を上げた。
「フィリッペ(トリード)に対して100回目のヒート勝利は、良い兆候だと思います。」とコラピントは語った。「よくはわからないけど、昨年のWSLファイナルズでPTSDのような症状が出てしまいました。ビーチに立って、思うようにいかなかったんです。
そのため、何らかの理由で、今回は勝てないだろうと感じていました。フィリペの波を見ていなかったので、自分のスコアがわからないため、判断が難しかったです。スコアを知ったときは、現実ではないような感覚でした。その瞬間に至るまでのすべての努力、すべてのハードワークは、友人や家族とともに過ごした素晴らしいものでした。」


サンクレメンテのサポートは引き続き熱く、地元のヒーロー、コール・ハウシュマン(USA)が、驚異的なフォアハンドのパワーで世界ランキング1位のジョーディ・スミス(RSA)を撃破した。
ハウシュマンは序盤からスミスに圧倒的なアドバンテージを築き、6.17 をマーク。その後、得意のパワーを駆使して、スミスの 8.00 を上回る 8.70 のエクセレントスコアを記録した。24歳のハウシュマンは、CTのベテランにさらに一撃を加え、7.73を記録してクオーターファイナル進出を決めた。
ジョーディ(スミス)がエルサルバドルで自分を打ち負かし、対戦成績は 1 対 1 になりました。この試合に勝った方がトップになるという状況でした。自分はジョーディ(スミス)を見て育ち、彼を尊敬しています」とハウシュマンは語った。
「子供の頃、彼らのサーフィンを見ていました。自分の裏庭で、世界一のサーファーたちと一緒にサーフィンできる、そんな機会はツアーの醍醐味です。
自分はただ夢を実現させて生きているんです。サーフィンを始める前から、ここに来てはサーフィンを見ていました。今、その場にいることは、目指していたものに向かって努力し、その目標を見失いそうになったものの、その目標のために一生懸命努力し続けた結果です。
私はこのために一生を捧げてきました。とても感慨深いですね。あの写真を見て、そして今、その夢を実現している。 若いサーファーたちにアドバイスをするなら、自分自身に投資してください、ということだけです。私は自分自身に全力を尽くし、スポンサー、友人、家族、両親のサポートを受けてきました。あなたの夢を追いかけてください。
地元のワイルドカード、ソイヤー・リンドブラッド(USA)は、彼女の得意とするバックハンドでエクセレントな 8.00 をマークし、現在の世界ランキング 4 位のイザベラ・ニコルズ(AUS)のファイナルデー連続出場記録を阻止した。
リンドブラッドはミッドシーズン・カットを僅差で逃したが、女子選手枠の拡大に伴い、2026年にフルタイムで世界トップの舞台に戻ってくる予定で、クオーターファイナルに向けて、ホームでのさらなる活躍を期待している。
五十嵐カノアが終了間際の大逆転でクロスビー・コラピントを破りQF進出。


グリフィンの弟、クロスビー・コラピント(USA)は、五十嵐カノア(JPN)に 対して9.33 をマークし、サンクレメンテの仲間たちとともにファイナルデー進出をほぼ手中に収めていた。しかし五十嵐カノアは最後のパフォーマンスで8.93をスコアして大逆転。クロスビーを 0.04 ポイント差で上回り、見事クオーターファイナル進出を決めた。
「このヒートは波のないヒートで自分もドキドキして、自分のやりたいサーフィンが見せれない感じでしたが、最後の1分ぐらいのところで良い点数が出せたので良かったです。この良いリズムを次のラウンドにも持っていけるように頑張ります。」とカノアが語った。
「今年は良いリズムでいい結果をいくつかゲットしているので、このまま続けていきたいですね。
自分のレベルアップもしたと思いますが、自分のチームも凄く良い感じで、自分のパフォーマンスだけに集中出来るようになってから結果につながってきましたね。
1日1日、1本づつに集中して、このままいいリズムを続けたいと思います。今回の大会のファイナルズデイに向けて、休憩して100パーセントのサーフィンができるように頑張ります。」
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現在の世界ランキング6位のイーサン・ユーイング(AUS)は、サンディエゴのトップサーファーであるジェイク・マーシャル(USA)を相手に、ローワーズで再びエクセレントなパフォーマンスを披露し、ラウンドアップを決めた。

また現在の世界ランキング3位のヤゴ・ドラ(BRA)とジョアオ・チアンカ(BRA)は、ブラジリアン同士のバトルを展開。ドラは、世界タイトル獲得に向けて大きな勝利を収め、クオーターファイナルに進出した。
エリミネーション・ラウンドで11度の世界チャンピオン、ケリー・スレーター(USA)を破ったバロン・マミヤ(HAW)は、負傷のためラウンドオブ16に出場できず、コナー・オレアリー(AUS)が不戦勝となりクオーターファイナルに進出した。
カノア・コナー対決再び。
これでクオーターファイナルでは、日本の五十嵐カノアとコナー・オレアリーの日本人マッチアップが再び実現。前回のマーバレットリヴァーでの対決ではコナーに軍配が上がったが、カノアは地元カリフォルニアの波でリベンジを果たしたいところだ。
日本のコナー・オレアリーが男子エリミネーション・ラウンドを突破し、ラウンドオブ16進出。レクサス・トレッスルズ・プロ2日
エリミネーション・ラウンドとクオーターファイナルを終え、女子セミファイナリストが決定


現世界チャンピオンであり、オーシャンサイドの天才、ケイティ・シマーズ(USA)は、エリミネーション・ラウンドで頭角を現したエリン・ブルックス(CAN)と対戦した。
ブルックスは、エリミネーション・ラウンドでタイラー・ライト(AUS)と対戦し、10点満点中8.83点を獲得し、クオーターファイナル進出を決めた。
スタートはスローだったシマーズだったが、わずかなリードを保ってヒートを進めた。しかし、ブルックスがチャンスを捉え、終盤でリードを奪った。
しかし、シマーズは、そのクラッチフォームを発揮し、6.83 をマークして逆転しヒート勝利を決め、ローワートレッスルズでのファイナルデーへの出場権を手にした。
「ここはローワートレッスルズ。とてもパーフェクトで、いつも楽しい場所なんです。自分にとって、世界で最も楽しい波のひとつです」とシマーズは語った。
「この場所に立ち、人々に刺激を与える立場にあること自体が、とても特別なことだと思う。プレッシャーも大きいけど、それはすべて良い理由のためだと自分に言い聞かせ、自分のやりたいことをやり、自分の心に従うだけです」

現在の世界ランキング3位のモリー・ピックラム(AUS)は、オープニングラウンドの勝利に続き、CTとローワートレッスルズのベテラン、レイキー・ピーターソン(USA)と対戦。
ピックラムの6.17が基準点として10分間経過したところで、ピーターソンが6.30を決めて逆転し、試合は重要な局面を迎えた。しかし、ピックラムの 6.33 がリードを維持し、世界タイトル争いにおける早期敗退の危機を回避した。

「一日中、男子のライディングを見て、とても刺激を受けたました。彼らは素晴らしいライディングを見せていた。もっと波が来るだろうとは確信していたが、ローワーズでは波がゆっくりになることもありますからね」とピックラムは語った。
「残念ながら、中盤は長い波のない時間帯があり、終盤も本当に戦うような波は来なかった。でも、より良い波に乗れたことは嬉しいです。
ケイティに勝てたら最高ですね。彼女と2人だけで戦うのは本当に楽しいし、波があるほうがもっと楽しい。彼女の能力も自分の能力も知っているし、彼女に対して勝てるチャンスは十分にあると思う」
エリミネーション・ラウンドを勝ち抜いた 2023 年世界チャンピオン、キャロライン・マークス(USA)もクオーターファイナルに進出。23 歳の彼女は、2024 年世界ジュニアチャンピオン、ルアナ・シルバ(BRA)に対して、世界トップクラスのバックハンドを披露し勝利を収めた。
残りの女子クオーターファイナルでは現在、世界ランキング1位のガブリエラ・ブライアン(HAW)とワイルドカードのソイヤー・リンドブラッド(USA)がヒート3のマッチアップを待っており、キャロライン・マークスは好調のベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)との対戦に備えている。
レクサス・トレッスルズ・プロ男子エリミネーション・ラウンド結果(ヒート 6-8):
HEAT 6:コナー・オレアリー(JPN) 13.90 DEF. アラン・クレランド(MEX) 8.77
HEAT 7:レオナルド・フィオラバンティ(ITA) 12.57 DEF. セス・モニーツ(HAW) 12.50
HEAT 8:クロスビー・コラピント(USA) 12.90 DEF. マルコ・ミニョ(FRA) 11.77
レクサス・トレッスルズ・プロ男子ラウンドオブ16の結果:
HEAT 1:ジョエル・ヴォーン(AUS) 16.87 DEF. イタロ・フェレイラ(BRA) 16.20
HEAT 2:グリフィン・コラピント(USA) 16.83 DEF. フィリッペ・トリード(BRA) 16.30
HEAT 3:ヤゴ・ドラ(BRA) 11.66 DEF. ジョアオ・チアンカ(BRA) 9.33
HEAT 4:イーサン・ユーイング(AUS) 14.67 DEF. ジェイク・マーシャル(USA) 12.70
HEAT 5:コール・ハウシュマン(USA) 16.43 DEF. ジョーディ・スミス(RSA) 14.23
HEAT 6:ジャック・ロビンソン(AUS) 17.07 DEF. レオナルド・フィオラバンティ(ITA) 14.00
HEAT 7:五十嵐カノア(JPN) 15.93 DEF. クロスビー・コラピント(USA) 15.00
HEAT 8:コナー・オレアリー(JPN) DEF. バーロン・マミヤ(HAW)不戦勝
レクサス・トレッスルズ・プロ、男子クオーターファイナルのマッチアップ
HEAT 1: ジョエル・ヴォーン(AUS) vs. グリフィン・コラピント(USA
HEAT 2: ヤゴ・ドラ(BRA) vs. イーサン・ユーイング(AUS
HEAT 3: コール・ハウシュマン(USA) vs. ジャック・ロビンソン(AUS
HEAT 4:五十嵐カノア(JPN) vs. コナー・オレアリー(JPN
レクサス・トレッスルズ・プロ女子エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT 1:ケイトリン・シマーズ(USA) 14.87 DEF. キラ・ピンカートン(USA) 13.96
HEAT 2:エリン・ブルックス(CAN) 16.33 DEF. タイラー・ライト(AUS) 6.84
HEAT 3:ソイヤー・リンドブラッド(USA) 14.17 DEF. イザベラ・ニコルズ(AUS) 13.20
HEAT 4:キャロライン・マークス(USA) 15.20 DEF. ルアナ・シルバ(BRA) 13.44
レクサス・トレッスルズ・プロ女子クオーターファイナル結果(ヒート 1-2):
HEAT 1:ケイトリン・シマーズ(USA) 12.10 DEF. エリン・ブルックス(CAN) 11.66
HEAT 2:モリー・ピックラム(AUS) 12.50 DEF. レイキー・ピーターソン(USA) 11.47
レクサス・トレッスルズ・プロ女子クオーターファイナルマッチアップ(ヒート 3-4):
HEAT 3: ガブリエラ・ブライアン(HAW) vs. ソイヤー・リンドブラッド(USA
HEAT 4: キャロライン・マークス(USA) vs. ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW
レクサス・トレッスルズ・プロ・プレゼンテッド・バイ・アウターノウンは、2025年6月17日まで開催される。
詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。