ケリー・スレーターは間違いなく、史上最も偉大なプロサーファーだ。サーファーからも、そうでない人たちの間でもセレブリティであり、革新者でパイオニア。
史上最多勝のサーファーであり、歴代最年少(20才)、最年長(39才)の記録を持ち、11回という今後塗り替えられることはないと思われる世界チャンピオンの記録を持っている。
しかし今、52歳のスレーターの選手としてのキャリアは幕を閉じようとしている。彼は先日行われたチャンピオンシップ・ツアーでの最後の試合となったフィジー・プロで敗れ、彼には世話をしなければならない赤ちゃんがいる。11度のワールドチャンプに新たなチャプターが幕を開けたのだ。
ケリーが創設者であるアパレル・ブランド「OUTERKNOWN」(アウターノウン)は、ケリー・スレーターの伝説的な競技キャリアに心からのオマージュを捧げ、映画監督のテイラー・スティールによるビデオを制作し公開した。
幼少期からGOAT( the Greatest Of All Time)に至るまで、我々に大きなインスピレーションを与えてくれたケリー。
このムービーでは、ケリーの比類なき競技キャリアの中で、忘れられない瞬間をフィーチャー。ナレーションは、サーフィンのレジェンドたちが担当し、彼らもまた史上最高のサーファーに敬意を表している。
また「OUTERKNOWN」では写真家トム・ドゥーガンが撮影した若きケリーの写真をあしらったTシャツとスウェットシャツ、テイラー・スティールのショートフィルムにインスパイアされたグラフィックをあしらった帽子など、限定版「Hey, Grom」コレクションを発売
https://www.outerknown.com/pages/grom-to-goat
他にもケリーの様々な場面で収録されたインタビュー映像などを再編集された作品も公開された。これは公式な映像ではないようだが、ケリーの光と影が映し出された映像だ。
40年以上のキャリアと11回のワールドチャンピオンという様々な記録を持つケリーは、単に最も古いプロの一人であるだけでなく、あらゆる面で史上最も支配的なアスリートの一人でもある。
1993年からは年間タイトルを5連覇、1999年に一度引退。2002年に現役復帰後、2011年までにさらに4度の世界チャンピオンに輝いた。右足の怪我で2017-2018年は棒に振ったが、2019年に復帰。2022年のパイプラインでの優勝を最後に勝利の女神は彼に微笑まなかった。
キング・ケリーの偉業への道のりは簡単ではなかった。波乱万丈の家庭環境や破綻から過酷な戦いまで、スレーターは頂点への道のりで数え切れないほどの困難に直面した。これはケリー・スレーターがサーフィンを永遠に変えた物語である。
彼はまだ「引退」という言葉を具体的には口にしていないが、来シーズンのCTにリクオリファイできなかったという事実がある以上。ワイルドカードをもらって出場する以外に世界最高峰の試合で彼の勇姿を見ることは出来ないのか。
考えうるすべての観点から、52歳の彼は史上最高のコンペティティブ・サーファーである。世界タイトル11回、CT56勝。最年少(20歳)と最年長(39歳)の世界チャンピオン。
ケリーが今後もCTワイルドカードを獲得し続けることは考えられるが、フルタイム・サーファーとしての彼のツアー出場は今年で最後となりそうだ。
GOATの世界記録
スレーターは、最多CT勝利数と最多世界タイトルを含む3つのギネス世界記録を持っている。前述の通り、史上最年少・最年長の男子世界王者でもある。
国際的な勝利の男
キャリアを通じて、スレーターは11カ国、6大陸のCTイベントで優勝している。最も優勝回数が多いのはオーストラリアで、13回優勝している。
メディアに愛された男
アメリカの人気ドラマ「ベイウォッチ」にジミー・スレイドとしてレギュラー出演し人気を博しただけでなく、『ピープル』誌の「最も美しい50人」にも選ばれ、『GQ』誌の「最もクールなアスリート25人」にもランクインしている。
世界最高の人工波を発明した
科学者やエンジニアのチームと協力し、サーフ・ランチを発明するための想像力と技術的知識は、スレーターの常に動き続ける頭脳によってもたらされた。
波のプールは何十年も前から存在していたが、カリフォルニア州レモーにそのプールを完成させたとき、彼はこのゲームをまったく新しいレベルに引き上げたのだ。
スレーターはビジネス界でもGOATだ
サーフボードブランド「Slater Designs」の立ち上げから、エココンシャスなアパレルブランド「Outerknown」との仕事まで、スレーターは海でのサーフィンを変えるだけでなく、ビジネスのあり方も変えている。
環境に配慮したサーフボードの構造など、ビジネスにおける成功は世界中のサーファーにとっての成功となっている。
ケリーの記録
世界チャンピオン11回
(1992, 1994, 1995, 1996, 1997, 1998, 2005, 2006, 2008, 2010, 2011)
WSL CT優勝回数 56回
トリプルクラウン3回 (1995, 1998, 2019)
パイプマスター8回 (1992, 1994, 1995, 1996, 1999, 2008, 2013, 2022)