ハンティントン・ビーチ、カリフォルニア、USA(2024年8月9日金曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)のレクサスUSオープン・オブ・サーフィン(2024年チャレンジャー・シリーズ第4戦)は、大会がラスト2日間に近づくにつれ、さらに激しさを増して今日も開催された。
スウェルはピークに達し、5フィートから7フィートのクリーンなコンディションとなり、チャンピオンシップ・ツアー(CT)へのクオリファイを争う熾烈な参加選手の戦いをプッシュ。
大会3日目は男子のラウンドオブ32の戦いと並んで、女子のトップシードがラウンドオブ32で豪快にキックオフ。USオープン・オブ・サーフィンの歴史に名を刻むべく、男子・女子の出場選手は16名に絞られた。
コロヘ・アンディーノ、USオープン初優勝に向けたサルベージ・ラン
元CTのベテランで、カリフォルニアのサンクレメンテ出身のコロヘ・アンディーノ(USA)は、自身初のUSオープン・オブ・サーフィンのタイトルを目指してラウンドアップを続ける。
アンディーノは、ラウンドオブ32の大混戦の中、自身の2024年キャンペーンを土壇場で勝利に導いた。アンディーノのヒートでの腕前と情熱は存分に発揮され、6.67(10点満点)を叩き出し、元CTコンペティターのアレホ・ムニーツ(BRA)、ディミトリ・プーロス(USA)、そして2023年ワールド・ジュニア準優勝の ジャクソン・バンチ(HAW)に勝利した。
「アレホ(・ムニーツ)、ジャクソン(・バンチ)、ディミトリ(・プーロス)が良いサーフィンをしていて、スタック・ヒートだと分かっていたので、そのチャンスに興奮していた」とコロへが語った。
「今日の後半はかなり難しかった。 残り2分で、アレホが自分のポジションよりも上にいることがわかっていた。それであのライトが見えて。特にダウンウインドでは、自分が粘れるかどうかわからなかったけど、やってみたんだ。 ここの4年間は自分にとっていろいろなことがあった、 だから、あの試合を決められるということは、とても大きなことなんだ」。
同じサンクレメンテの注目株で、WSLジュニア・チャンピオンに君臨するジェット・シリング(USA)も、男子のラウンドオブ32を締めくくる大勝利を収め、ディフェンディング・イベント勝利者のイーライ・ハネマン(HAW)をヒート8で退けた。
2022 WSLワールド・ジュニア・チャンピオンのジャービス・アール(AUS)は、カーディフでタイトルを獲得した後、南カリフォルニアに戻り成功を掴み続けている。
アールはラウンドオブ32ヒートで、2023年のワールド・タイトル候補であるジョアオ・チアンカ (BRA)、元CTコンペティターのミゲール・プポ(BRA)、そしてブラジルの最新のクオリファイ候補であるエドガード・グロッジア(BRA)という強豪と対戦。
アールは、ヒートのペースを維持すると、マッシブなエアを披露し、7.67をスコアしてプポからリードを奪い、またもや極めて重要なヒートで勝利を収めた。
「本当に良いブラジリアンサーファーがいて、タフなヒートになる事は分かっていました。」と笑顔のアールが言った。
「そしてこのヒートで勝つことが出来て本当にストークしています。ハンティントンは本当にユニークで、たくさんの人がビーチに来ていて、僕があのエアを決めた時、桟橋全体から悲鳴が聞こえてきて、本当に特別でした。」
イアン・ゴウベイア、6年ぶりにチャンピオンシップ・ツアーに正式出場資格獲得
元CTコンペティターのイアン・ゴウベイア(BRA)は、伊東李安琉(JPN)に続き、2位でラウンド16進出を決め、CTへのリクオリファイを正式に決めた。
ゴウベイアは、今年最高のスタートを切り、バリートで優勝したことで、サーフ・シティUSAでの成功に大きく前進。彼は6年ぶりにCTに復帰となった。
「自分のサーフィンとキャリアを信じ続けてくれた家族とスポンサーに感謝しなければならない」と語ったゴウベイア。
「この6年間はとても長かったし、今年の初めには、この1年が私の勝負の年になると思っていました。でもチャレンジャー・シリーズに出場することができたので、挑戦することにしました。家族、スポンサー、そしてチームにこのようなものを提供できることにとても興奮しています」。
同じブラジリアンで元CTライダーのカイオ・イベリ(BRA)は、ラウンドオブ32のヒートで勝利したアラン・クレランド(MEX)、ダコダ・ウォルターズ (AUS)、そして元CTライダーのイアン・ジェンティル(HAW)と共にヒートで勝利し、ゴウベイアと共にラウンドオブ16に進出を決めた。
女子ラウンドオブ32では、アリッサ・スペンサー(USA)とベラ・ケンワーシー(USA)の南カリフォルニア・デュオがホームウォーターに登場。スペンサーは8.17という素晴らしいスコアでラウンドアップ。
サンクレメンテに戻ったケンワーシーはバリート・プロで優勝したことによりランキング5位となり、CT出場圏内に浮上。今、この17歳はUSオープン・オブ・サーフィン初優勝に向けて勢いを維持し、2025年のCT入りを目指す。
またCTベテランで元USオープン優勝者のレイキー・ピーターソン(USA)も、さらなるハンティントン・ビーチの栄光を目指しラウンドアップを続け、オーストラリアの新鋭、エリー・ハリソン (AUS)も見事なパフォーマンスを披露。
現在ランキング6位のナディア・エロスターベ(EUK)、現在チャレンジャー・シリーズNo.1の イザベラ・ニコルズ(AUS)とNo.2のエリン・ブルックス(CAN)も、ケアラ・トモダ・バナート(HAW)と共にUSオープン・オブ・サーフィンのラウンドオブ16に進出した。
都筑有夢路と伊東李安琉がベスト16進出。
日本女子選手4名、H1松岡亜音、H3都築虹帆、H4脇田紗良、H8都筑有夢路がラウンドオブ32に登場。
H1の松岡亜音は、スタートからフォアハンドで2ターンコンボを決めて、5.83、4.77をスコアしてヒートをリード。しかし、ピアに向かって強いカレントがあり、1本乗ってはビーチを走って戻るハードなコンディション。後半に思ったようなスコアを上げられず松岡は17位でフィニッシュとなった。
H3の都築虹帆のヒートは、スローな展開でヒート前半は各選手とも思ったようなスコアを出せない。そんななかでサリー・フィッツギボンズがバックハンドでベスト2を揃えてリード。テッサ・タイセンも6.00と5.00をスコアしてトップに躍り出る。都築は大技をプッシュするが決めきれず。惜しくもここで敗退。
H4の脇田紗良のヒートは、エリン・ブルックスとソフィア・メディーナが先制。脇田もスタイリッシュなバックハンドの2ターンコンボを決め、4.23をマークするがバックアップがなく4位で終盤へ。
ブルックスはトップスコアを6.33としてトップを独走。フランシスカ・ベセルコ(POR)が2位。脇田はラストライドで4.10をスコアするも惜しくも敗退となった。
H8では、都筑有夢路が、イザベラ・ニコルズ(AUS)、メイシー・キャラハン(AUS)、ゾーイ・ベネデット(USA)と対戦。
他の選手がオンショアのコンディションにスコアを伸ばせない中で、都筑有夢路は後半にフォアハンドのパワフルなレイバックとクローズセクションでのリエントリーをメイク。ヒートベストとなる6.00をマークしトップに躍り出る。最後にイザベラに逆転されるも都築は2位でラウンドオブ16進出を決めた。
Round of applause for #RiaraIto, taking home the @originalcupnoodles #WaveOfTheDay. @Lexus #USOpenOfSurfing @pacificobeer pic.twitter.com/ONWQfKdj3F
— World Surf League (@wsl) August 9, 2024
男子ラウンドオブ32では、H2に伊東李安琉が登場。イアン・ゴウベイア(BRA)、ラファエル・テイシェイラ(BRA)、ジャドソン・アンドレ(BRA)という強豪ブラジリアンと対戦。
伊東はスタートから4,73をスコアして、セカンドウェイブではフォアハンドのエアリバース1発でウェイブ・オブ・ザ・デイとなる8.33をスコア。CTクオリファイを決めたゴウベイヤをも抑えてトップでラウンドアップを決めた。
これでベスト16に勝ち上がった日本人選手は伊東と都筑の二人となった。ラウンドオブ16では伊東李安琉がヒート2でミゲール・プポと対戦。都筑有夢路はヒート7でベラ・ケンワーシーと対戦予定となっている。がんばれ!日本!
レクサスUSオープン・オブ・サーフィン男子ラウンドオブ32結果:
HEAT 1:ジャービス・アール(AUS)14.40 DEF. ミゲール・プポ(BRA)14.00、ジョアオ・チアンカ(BRA)12.47、エドガード・グロッジア(BRA)10.50
HEAT 2:伊東李安琉(JPN)13.06 DEF. イアン・ゴウベイア(BRA)8.63、ラファエル・テイシェイラ(BRA)7.86、ジャドソン・アンドレ(BRA)7.46
HEAT 3: アラン・クレランド(MEX)12.80 DEF. クロスビー・コラピント(USA)11.50、マテウス・ハーディ(BRA)10.76、マイキー・マクドナー(AUS)5.37
HEAT 4:イアン・ジェンティル(HAW)12.73 DEF. マイケル・ロドリゲス(BRA)10.60、ジョエル・ヴォーン(AUS)10.23、ジェイコブ・ウィルコックス(AUS)8.87
HEAT 5:カイオ・イベリ(BRA)11.37 DEF. マルコ・ミニョ(FRA)11.34、ルーク・スライペン(RSA)10.03、ルッカ・メシナス(PER)7.14
HEAT 6:ダコダ・ウォルターズ(AUS)13.66 DEF. ジョージ・ピター(AUS)10.76、ウィンター・ヴィンセント(AUS)10.20、コール・ハウシュマン(USA)7.77
HEAT 7:コロヘ・アンディーノ(USA)12.10 DEF. ジャクソン・バンチ(HAW)11.94、アレホ・ムニーツ(BRA)11.67、ディミトリ・プーロス(USA)10.50
HEAT 8:ジェット・シリング(USA)13.17 DEF. モーガン・シビリック(AUS)11.70、イーライ・ハネマン(HAW)11.14、シオン・クロフォード(HAW)10.13
レクサスUSオープン・オブ・サーフィン女子ラウンドオブ32結果:
HEAT 1:エリー・ハリソン(AUS)14.00 DEF. キラ・ピンカートン(USA)11.90、松岡亜音(JPN)10.60、ソイヤー・リンドブラッド(USA)9.77
HEAT 2:ナディア・エロスターベ(EUK)15.34 DEF. ルアナ・シルバ(BRA)12.53、シエラ・カー(AUS)11.00、フィリッパ・アンダーソン(AUS)8.14
HEAT 3:テッサ・タイセン(FRA)11.00 DEF. サリー・フィッツギボンズ(AUS)10.54、都築虹帆(JPN)5.40、サラ・バウム(RSA)2.33
HEAT 4:エリン・ブルックス(CAN)12.00 DEF. ソフィア・メディーナ(BRA)10.00、フランシスカ・ベセルコ(POR)9.20、脇田紗良(JPN)8.33
HEAT 5:レイキー・ピーターソン(USA)13.00 DEF. ヨランダ・ホプキンス(POR)11.63、ノラ・リオッタ(HAW)8.67、テレサ・ボンバロ(POR)8.53
HEAT 6:ケアラ・トモダ・バナート(HAW)11.27 DEF. ブロンテ・マコーレー(AUS)9.16、ラウラ・ラウプ(BRA)9.03、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)5.37
HEAT 7:ベラ・ケンワーシー(USA)14.10 DEF. アリッサ・スペンサー(USA)14.00、ルイーズ・レプロン(RSA)8.00、ロージー・スマート(AUS)3.77
HEAT 8:イザベラ・ニコルズ(AUS)9.70 DEF. 都筑有夢路(JPN)9.60、メイシー・キャラハン(AUS)9.40、ゾーイ・ベネデット(USA)6.20
レクサスUSオープン・オブ・サーフィン男子オープニング・ラウンド16のマッチアップ:
HEAT 1:ジャービス・アール(AUS)対イアン・ゴウベイア(BRA)
HEAT 2:伊東李安琉(JPN)対ミゲール・プポ(BRA)
HEAT 3.アラン・クレランド(MEX) vs マイケル・ロドリゲス(BRA)
HEAT 4:イアン・ジェンティル(HAW)対クロスビー・コラピント(USA)
HEAT 5:カイオ・イベリ(BRA)対ジョージ・ピター(AUS)
HEAT 6:ダコダ・ウォルターズ(AUS)対マルコ・ミニョ(FRA)
HEAT 7:コロヘ・アンディーノ(USA)対モーガン・シビリック(AUS)
HEAT 8:ジェット・シリング(USA) vs. ジャクソン・バンチ(HAW)
レクサスUSオープン・オブ・サーフィン女子ラウンド16のマッチアップ:
HEAT 1:エリー・ハリソン(AUS) vs. ルアナ・シルバ(BRA)
HEAT 2:ナディア・エロスターベ(EUK)対キラ・ピンカートン(USA)
HEAT 3:テッサ・タイセン(FRA)対ソフィア・メディーナ(BRA)
HEAT 4:エリン・ブルックス(カナダ) vs. サリー・フィッツギボンズ(AUS)
HEAT 5:レイキー・ピーターソン(USA)対ブロンテ・マコーレー(AUS)
HEAT 6:ケアラ・トモダ・バナート(HAW)対ヨランダ・ホプキンス(POR)
HEAT 7:ベラ・ケンワーシー(USA)対 都筑有夢路(JPN)
HEAT 8:イザベラ・ニコルズ(AUS)対アリッサ・スペンサー(USA)
ライブで見る
レクサスUSオープン・オブ・サーフィン Presented by Pacificoは2024年8月11日まで開催。大会の模様はWorldSurfLeague.comと無料のWSLアプリで生中継されます。