「2024 パリオリンピック」のサーフィン競技は、日本時間の8/6(火)に全行程を終了。優勝は男子がカウリ・ヴァースト(FRA)、女子はキャロライン・マークス(USA)が金メダルを獲得して、大会は無事に幕を閉じた。
日本代表の「NAMINORI JAPAN」は、女子の松田詩野が9位。男子の五十嵐カノア、コナー柄沢オレアリーが9位。稲葉玲王がクォーターファイナルまで勝ち上がるも、ここで敗退し、今大会は5位という成績で終了。今大会、残念ながら日本はメダル獲得には至らなかった。
その稲葉玲王が一足早く、スタッフと共にタヒチから8月6日に帰国。応援の観客や友人たちが出迎える中、初のオリンピック出場であり、日本人選手最高位となった稲葉の言葉を聞くために、多くの報道陣も成田空港に集まった。
五十嵐カノアはWSL CS出場のためにアメリカ。コナー柄沢オレアリーは CTの次戦の準備でオーストラリアに。松田詩野は閉会式に出るためにフランス パリへ。
囲み会見では、今回のオリンピックや、自身の試合についての率直な気持ち。また、これからのこと、4年後のロサンゼルスオリンピックを目指すかなど、多くの質問に対し、笑顔で丁寧に答えた稲葉。その顔はこの大会で得た自信と力強さがみなぎっていた。
宝物になるような経験。日本代表して戦えたことを誇りに思う。
ーオリンピックを振り返り
「タヒチという、すごい波のところでオリンピックという、一番大きな大会でサーフィンをできたこと。本当に(自分は)初めてのオリンピックで、メダルに一歩届かなかったというのが、本当に悔しいんですけど。
本当に今まで感じたことないような、ものすごい応援だったので、本当に力になりました。ただ、期待に応えられずメダルを見せることができなかったのが、本当に悔しいです。でも、すごい宝物になるような経験ができたので、日本代表して戦えたことを誇りに思います。
今回、(日本代表)男子で日本から生まれ育ったという選手は、自分一人だったので。そういう意味で日本の本当の底上げというか、みんなに夢とか希望を与えたいという気持ちで、ずっとやってきたので。それが少しでも見せることができたのなら、嬉しいかなと思います。」
ー準々決勝で納得する演技ができたか?
「あの海の状況の中での1本、7.33ポイントのをチューブライドで決めれたっていうのは、すごい良かったと思います。本当にチューブが無いような状況だったので。試合前から1本チューブに入れば絶対勝てるという作戦もありました。
あれを乗れた時は、本当に勝ったなって、思っちゃいました。船の上からチームメイトも応援してくれていたので、みんなに向かってアピール(拳を挙げた)しました。
相手選手(アロンソ・コレア / ペルー)が、技で点数を出していたのですけど、(タヒチの)基準的にはチューブに点が出るかなと思っていたので、そこは勝ってても良かったんじゃないかっていう気持ちもありますけど。でも、もう1本乗れなかったというのが、敗因になりました。
やはり、本当にメダルを取るという自信もありましたし、この一年半、ここに賭けてきたし、メダルを取れるチャンスがあったから、本当に悔しいです。」
一番でかいセットに乗れたっていうのが良かった。
ー今回のベストウェイブは?
「それで言うと、ラウンド3でフィリッペ・トリード(ブラジル)とのヒートです。1本目はワイプアウトしたのですけど。あの日、朝の一番最初に入ってきた一番でかいセットに乗れたっていうのは、すごく良かったなと思います。ただ、一生に一本(の波に乗る)というのが叶わなかったかなっていうのが、少し悔いとしては残りました。」
ー小川直久プロのヘルメットをかぶって競技に臨んだ心境は?
「直さんが今までやってきたことだったりとか、オリンピックに向けてずっとやってきたものを引き継いでというか、それが少しでも引き継げたのであれば、嬉しいなというのと。やはりヘルメットがあることによって、自分も安心感とパワーをすごくもらえました。
準々決勝ではヘルメットをかぶっていなかったのは、波が小さくなった時に、チューブで最後のセクションを抜けるところが頭に(リップ、波が)当たっちゃうんす。ヘルメットかぶっていると、よりその波を受けて、コケやすくなっちゃうので。
本当はかぶりたかったのですけど、練習の時にそれで何回かコケちゃったので、ここはもう仕方ないけど(ヘルメット)無しで行こうっていう感じで決めました。でも、本当に感謝しかありません。」
サーフィン人生で初めて試合をやっている時にリラックスできた。
ーこのオリンピックで日本を背負うというプレッシャーはあったか?
「びっくりするぐらい今回、緊張感が無かったというか。サーフィン人生で本当に初めてっていうぐらい、試合をやっている時にリラックスできていて、本当に楽しめたなと思います。今までで一番試合でサーフィンを楽しめたという実感です。
この一年ぐらい何回もタヒチに通って、いろんなコンディションで練習して。試合期間中に無かったような、もっと大きい波も練習で入っていました。また、最後みたいな波が小さい時もありましたし。
相手選手は全然関係が無くて、波さえ来てくれれば、決められる
タヒチは波との勝負というか、もう海と一体化できるかみたいな感じなので。相手選手は全然関係が無くて、波さえ来てくれれば、決められるっていう感覚になっていましたから。
どんなコンディションでも一番やっていたので。そこはポジショニングだったり、波に対しても安心感がありました。それが本当に自信に繋がって、うまく試合に影響してたかなと思います。
ただ、あの場で緊張感が無かったと言っても、少しはあったと思うので、そういうプレッシャーとか緊張感の中でも、リラックスして楽しむことの大事さというかを、このオリンピックで知ることができました。」
リラックスして楽しむことの大事さを、このオリンピックで知ることができた
ー次のロサンゼルスオリンピックは?
「少し考えたいと思います。自分は(世界で)まだ戦えるなと感じた部分もあるので。今回はすごい経験ができたので、自分の競技人生もそうですし。あとは次の日本のサーファーのジェネレーションにバトンを渡していけたらという気持ちもあるので、いろいろ考えながら、決めたいと思います。」
次のジェネレーションにバトンを渡していきたい
ー最後に応援していただいた方々にメッセージ
「本当に応援ありがとうございました。たくさんの方に応援していただいて、それが本当に力になりました。ちょっと期待に応えられず申し訳なかったのですけど、今後も頑張っていくので、応援よろしくお願いします。」
稲葉が確信したその自信。そして、自分が経験したことを、次世代に伝えていきたいという想い。日本のサーフィンはメダルこそ取れなかったが、ここから新たな一歩を踏み出した。稲葉玲王も日本も、ここから強くなる!Go!Reo!Go!JAPAN!
・NAMINORI JAPAN(日本代表選手)結果
[ 男子 ]
稲葉 玲王 5位
五十嵐カノア 9位
コナー柄沢オレアリー 9位
[ 女子 ]
松田 詩野 9位
名 称:Olympic Games Paris 2024
主 催:国際オリンピック委員会 (IOC)
運 営:国際サーフィン連盟(ISA)
期 間:2024年7月27日(土)~8月6日(火)
開催地:フランスポリネシア領 タヒチ(チョープー)
オリンピック
https://olympics.com/ja/paris-2024
サーフィン競技
https://olympics.com/ja/paris-2024/sports/surfing
国際サーフィン連盟(ISA)
https://isasurf.org/event/paris-2024/
日本サーフィン連盟(NSA)
https://www.nsa-surf.org/
NAMINORI JAPAN: Instagram
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