使い捨てプラスチックごみ削減プロジェクト『HEROs PLEDGE』が始動。サーフィンからは都筑有夢路、武知実波が参加。

都筑有夢路、武知実波

日本財団が提唱する「HEROs Sportsmanship for the future 」。これはアスリートが競技活動だけでなく、社会とつながり、社会の助けとなる活動を積極的に行うというもの。

 

財団では2017年からアスリートに向けて社会貢献活動のプラットフォームを作り、情報提供やサポートを積極的に行っている。

 

今回の『HEROs PLEDGE』は、環境破壊の原因の一つである、“ 使い捨てプラスチックごみ ”の削減プロジェクト。現在の地球は気候変動や海洋汚染が進み、世界では自然の脅威にさらされている。スポーツ界を見ても、特に自然環境に左右される競技では大会が開催できないケースも増えてきている。

 

そこで「スポーツ界から使い捨てプラゼロに」することを目標に、アスリート自身が削減の行動を起こすだけでなく、その競技を運営する協会や連盟、さらにそれを取り巻くファン層、スポンサー企業などに働きかけ、スポーツ界において使い捨てプラごみを削減する活動をアスリートから広げていくという。

 

敬称略:後列 左から/笹川順平、堀由美恵、杉山文野、加藤友里恵、伊藤みき、武知実波、根木慎志      前列 左から/田渡凌、渡部暁斗、都筑有夢路、井本直歩子、岩崎恭子、一ノ瀬メイ

 

 

『HEROs PLEDGE』に賛同しているアスリートは現在、33名と10の団体。プロジェクト参加を PLEDGE(宣言)したパートナーアスリートは、環境問題に関する勉強会や視察会、関連イベントなどに参加して、具体的な個別の施策を検討しながら実施していく。

 

この『HEROs PLEDGE』を通して、参加しているアスリートやチームが正しい知識とアクションを発信することで、普段、何気なく捨てているゴミにより関心をもってもらい、アクションを起こすきっかけを作っていくというものだ。

 

井本直歩子(競泳)
岩崎恭子(競泳)

 

その発表会に参加したのは、リーダーを務める井本直歩子(競泳)を中心に、サーフィンからオリンピアンの都筑有夢路に、NSA(日本サーフィン連盟・教育本部担当)理事でありプロサーファーの武知実波。

さらに、一ノ瀬メイ(パラ競泳)、根木慎志(車いすバスケットボール)、田渡凌(バスケットボール)、堀由美恵(ボディーボード)、岩崎恭子(競泳)、渡部暁斗(ノルディックスキー複合)、加藤友里恵(トライアスロン)、伊藤みき(フリースタイルスキー・モーグル)、杉山文野(フェンシング)の12人。それぞれがこの活動に対しての想いを語った。

 

武知実波

 

環境問題は身近な一人一人の問題であるということに気づいてもらいたい。

 

ここでサーフィン界から、武知実波は

「私は幼少期から自然の中でする’サーフィンをやっております。やはり海に生きる一人の人間として目にするのは海水温が変わってきたり、台風の進路が変わったりと、本当にいろんな事を体感しています。

そういったことを受けて、やはり海を守りたいという気持ちから、私自身も海洋環境や気候変動問題というのは取り組んできましたが、この大きな問題、大きな壁に当たった時に、一人ではどうしようもできないもどかしさがありました。

この『HEROs PLEDGE』に参加したことで仲間も増え、気候変動問題の解決に向けて、スポーツ業界で協働していくことができるようになりました。この環境問題は身近な一人一人の問題であるということに気づいてもらい、そのきっかけ作りだったり、そして、皆で協働していく未来を描いております。」と述べた。

 

都筑有夢路

 

少しでも多くの人に自然環境を考えるきっかけを与えられたら。

 

都筑有夢路は

「サーフィンという自然とすごく密接なスポーツをしていて、肌で感じる自然の素晴らしさであったり、海が無いとできないスポーツなので、その海を守りたいという気持ちがすごくあります。

勉強会でもいろいろ勉強させてもらって、自分でもゴミの分別だったり、マイボトルの持参などいろいろ実践してきました。海という自然の中でやるスポーツですから、ビーチクリーンが一番身近なものなので、そういう活動をどんどんしていきたいなと思います。

サーフィンを通して、プロサーファーの一人として、この取り組みを自分が発信していくことで、少しでも多くの人に自然環境を考えるきっかけを与えられたらと良いなと思っています。」と語った。

 

スポーツ界から行動を変えることで、社会を変えるムーブメントを起こす。

 

この『HEROs PLEDGE』はスポーツ界を横断してプラごみ削減に取り組むプロジェクト。未来の子供達に持続可能な環境を残すために、競技を超えてスポーツ界が立ち上がった。2024年のパリオリンピックでは“ 使い捨てプラスチック ”の使用禁止が計画され、リユースカップを使っていく計画だと言う。

 

まずはできることから。自分の身近な問題として考え、それを行動に移す。そして、周りへの働きかけ。大事なのは、それを持続すること。スポーツ界から行動を変えることで、社会を変えるムーブメントを起こすという画期的なプロジェクトが、今、始動した。

 

 


日本財団常務理事:笹川順平 氏

「人々が生活しづらい地球になっ てきています、またスポーツを楽しむ場が奪われています。この原因の一つである気候変動の問題をなんとか しようとアスリートらとともに『HEROs PLEDGE』というプロジェクトとして立ち上げました。アスリー ト・スポーツが持つ力を活かして、社会問題を解決していきたいです。」

日本財団 経営企画広報 HEROs チーム チームリーダー:藤田滋 氏

「プロジェクトのアクションは大きく二つあります。一つはスポーツ界から行動を変えるということで、アスリートが中心となってチームや協会スポンサーに働きかけて、使い捨てプラ削減のモデルケースをしっかり作って広めていくということ。

もう一つはそういったスポーツ団体に働きかけるだけではなく、そういった動きを後押しするためにファンの理解というところが必要ですので、ファンに対する働きかけとして、アスリート、チームから情報発信をして、ファンの意識、行動変容という二つの柱を立てていきます。」

プロジェクトリーダー:井本直歩子氏

「今日のような華々しいプロジェクトの始動を迎えられたことにワクワクしていますし、ここからスタートできることを嬉しく思います。自分には環境問題についての知識が無い、周りに声を上げている人がいない、自分が何をしたら良いのかわからない。

そういった方がまだたくさんいらっしゃいます。みんなで学び、一緒に声を上げていくことで、多くの効果が出せるのではないかと感じているので、日本財団、そして、アスリートやスポーツ団体の皆様と課題解決の為に本気の取り組みをしていきたいと思います。」

 


トークセッション①

「海洋汚染・気候変動問題に対して、スポーツ界から取り組む意義」

井本直歩子氏 、ヴァンフォーレ甲府 渡辺敬太 氏、岩崎恭子 氏、同志社大学 准教授 原田禎夫 氏(左から)

トークセッション②

「アスリートが社会問題に取り組み、発信することについて」

井本直歩子氏 、渡部暁斗 氏、一ノ瀬メイ 氏、田渡凌 氏(左から)

 

【今後のアクション予定】

・一⻫アクションキャンペーン(4 月 13 日〜5 月末)
千葉ジェッツ(バスケットボール)やヴァンフォーレ甲府(サッカー)などパートナー団体 によるホームゲームでのファン参加型のごみ拾い・分別イベント(計 9 イベント予定)
・啓発コンテンツの制作、特設サイト・SNS 上の展開
・具体的なアスリートの活動
井本直歩子氏:国内バドミントン大会でのごみ廃棄量の計測(Rethink)
一ノ瀬メイ氏:国内パラ競泳大会におけるウォーターサーバーの導入(Reduce)
田渡凌選手:所属する福島ファイヤーボンズでの廃棄グッズのアップサイクルとファンへのごみ問題の啓発(Recycle, Advocate)

 

HEROs PLEDGE 参画アスリート・団体
※五十音順/敬称略/2024年3月28日時点

アスリート:
荒井 daze善正(スノーボード)/安藤美姫(フィギアスケート)/一ノ瀬メイ(パラ競泳)伊藤みき(フリースタイルスキー・モーグル)/井上康生(柔道)/井本直歩子(競泳)岩崎恭子(競泳)/岩下達郎(3×3)/岡田麻央(3×3)/加藤友里恵(トライアスロン)近賀ゆかり(サッカー)/櫛橋茉由(フェンシング)/久保大樹(パラ競泳)五郎丸歩(ラグビー)/杉本一樹(空手)/杉山文野(フェンシング)杉山美紗(アーティスティックスイミング)/高梨沙羅(スキージャンプ)武知実波(サーフィン)/谷川真理(陸上)/田渡凌(バスケットボール)都筑有夢路(サーフィン)/戸邉直人(陸上)/鳥谷敬(野球)/中川真依(飛び込み)長嶋万記(ボートレース)/根木慎志(車いすバスケットボール)/野中生萌(クライミング)堀由美恵(ボディボード)/真壁伸弥(ラグビー)/益子直美(バレーボール)山田明季(ホッケー)/渡部暁斗(スキーノルディック複合)

団体:
ヴァンフォーレ甲府(サッカー)/鹿島アントラーズ(サッカー)川崎フロンターレ(サッカー)/千葉ジェッツ(バスケットボール)日本セーリング連盟(セーリング)/日本バドミントン協会(バドミントン)B.LEAGUE(バスケットボール)/Jリーグ(サッカー)/FC今治(サッカー)FC東京(サッカー)

 

HEROs PLEDGE

https://www.heros-pledge.jp/

HEROs Sportsmanship for the future

https://sportsmanship-heros.jp/

日本財団

https://www.nippon-foundation.or.jp/