2024年度より開幕する新たな国内プロサーフィンリーグ「S.LEAGUE」の開幕シーズンツアー概要が発表。

一般社団法人日本プロサーフィン連盟(以下 JPSA)は、昨年の2月に「S.LEAGUE」の名称を発表。その後、10月にはチェアマンに大野修聖氏が就任し、国内最高峰のプロサーフィンツアーを作ることを明言したことは記憶に新しい。

そして、ついにその情報解禁となる第2弾「S.LEAGUEーその先のプロツアー構想」が「INTERSTYLE 2024」展示会内で多くの報道陣、観客が集まる中、その全貌が明らかになった。

 

大野修聖氏、田中樹氏、橋本恋氏、木下デイヴィッド氏

 

この記者会見には「S.LEAGUE」からチェアマンの大野修聖氏、サブチェアマンの田中樹氏(ツアーマネージャー)、橋本恋氏(ショートボード担当)、木下デイヴィッド氏(ロングボード担当)が参加。

 

NSA酒井厚志氏、NSSA長岡新一郎氏、 S.LEAGUE大野修聖氏、JPBA前山剛志氏

 

さらに国内団体のNSA(日本サーフィン連盟)理事長の酒井厚志氏、NSSA(日本学生サーフィン連盟)代表理事の長岡新一郎氏に加え、新たにJPBA(日本プロボディボード連盟)理事長の前山剛志氏も登壇し、このツアーへの参加が発表された。

 

S.LEAGUE大野修聖氏とさわかみグループ代表の澤上龍氏
さわかみグループ代表の澤上龍氏

 

ツアー名称が「さわかみ S.LEAGUE 24-25」と決まったことで、冠スポンサーであるさわかみグループ代表の澤上龍氏が冒頭で、「この「S.LEAGUE」を通じて、日本の競技レベルを全体的に上げていき世界への道筋というものを作ること。海に囲まれているこの環境をサーフィンなど海を楽しむことが、この「S.LEAGUE」で体験できるようになることを期待する」と語り、

さらに「サーフィン業界というのがものすごく活性化していき、その上でこのサーフィンという素晴らしいスポーツが次の世代、そして次の次の世代に引き継がれていくこと。単にスポーツ競技ということだけではなくて、産業としても『S.LEAGUE』の果たす役割は大きいと思っています。皆さんと一緒に作っていきましょう!」と力強い挨拶を行った。

 

S.LEAGUE サブチェアマン 田中 樹氏

 

続いて大野修聖氏からツアーのスケジュールが発表となり、ツアーの仕組みと詳細はツアーマネージャーの田中樹氏がスライドを掲示して説明を行った。

 

今回の発表された内容は下記。

 

 

総合名称:「さわかみ S.LEAGUE 24-25」

 

期間:2024年8月〜2025年4月
※ 開幕戦:8月茨城大洗、最終戦:千葉県一宮町釣ヶ崎海岸、その他大会は調整中

形式:ツアーはランキング戦とし、上位の選手のみが最終戦へ出場することができる

ショートボード:男子 36位以内、女子 18位以内
ロングボード :男子 24位以内、女子 12位以内
→「S.LEAGUE Grand Final」出場権を獲得

※ ツアーランキングの計算は対象となる各試合の獲得ポイントの内、最低ポイントの1戦分をカットした合計ポイント。対象の試合が3試合以下の場合。全戦のポイント合計。

 

大会数:ショートボード、ロングボード2〜3戦を予定

 

シード枠:
WSL CSシード(JPSA登録選手) :男子5名、女子3名
NSAシード(アマチュア選手)  :男子2名、女子2名
NSSAシード(アマチュア選手)  :男子1名、女子1名
スポンサーシード及びJPSAシード:男子2名、女子2名

 

名称:「マスターズツアー」(シニアツアーから名称変更)

 

※2023年まで行われていたマスタープロはレジェンドプロに名称変更

大会数:3戦を予定(その内1戦をトライアル共催予定)
対象年齢:ツアー開始時に満45歳以上となる選手

出場権者:
JPSAショートボード男子プロ

JPSAマスターズ男子プロ
マスターズトライアル出場者(トライアル共催の場合 ※JPSAプロ登録していない選手も出場可能)
※ ツアーランキングの計算は全戦のポイント合計。

 

名称:「S.LEAGUE Grand Finals」

出場条件:
ショートボード男子:36位以内、女子:18位以内

ロングボード男子:24位以内、女子:12位以内
ボディボード  :JPBA選出の上位選手

表彰:S.LEAGUE チャンピオン(ショート、ロング、マスターズ)
   S.LEAGUE ルーキー・オブ・ザ・イヤー(ショート、ロング)
※ランキング戦及びS.LEAGUE Grand Finalsのすべての結果によるツアー最終ランキングで決定

代表:アジアチャレンジ代表へ

※ S.LEAGUE24-25ランキングの上位者は特別戦Asia challengeの出場権を獲得
※ S.LEAGUE24-25ランキングの上位者は日本代表強化指定選手の選考対象

 

名称:S.LEAGUE 特別戦

① Legend Pro Invitational. →開催検討中
②Asia Challenge→S.LEAGUE24-25ツアー終了後に1戦を開催予定
③Team Challenge→S.LEAGUE24-25ツアーシーズンに1戦を開催予定

 

名称:S.LEAGUE トライアル

※ショートボード/ロングボードクラス同時開催

日時:
第1戦 4月24日(水)~25日(木) 千葉県大網白里市 白里海岸
第2戦 5月29日(水)~30日(木) 千葉県旭市井戸野浜海岸(旧かんぽサーフポイント)

出場枠:男子96名、女子32名(エントリー先着順)
※ 大会開催の1ヶ月前からエントリー開始

プロ合格規定順位:
ショートボード男子:4位以内、女子:2位以内
ロングボード 男子:2位以内、女子:1位

※トライアルのヒート中に、1ウェイブで7点、もしくはベスト2のスコアで11点以上を出した場合に、公認プロ資格が獲得できていたが、これは廃止となる。

 

 

S.LEAGUE 25-26 ツアー構想

 

①国内ツアー戦 S1/S2(2部制)に変更 
※マスターズツアーは2部制は行わない

→24-25ツアー最終ランキングで規定順位に入った選手
→翌25-26シーズンのS1ツアー出場権を獲得

S1ツアー出場規定順位:
ショートボード 男子:29位以内、女子:13位以内

ロングボード  男子:22位以内、女子:10位以内
→規定順位外の選手は、25-26シーズンのS2ツアー出場権を獲得

 

② S.LEAGUE Premium Tour

・S.LEAGUE はアジア各国と連携し、アジアが世界に誇るワールドクラスの波を舞台にしたサーフリーグの設立を目指す

・ 25-26シーズンより、特別戦 Asia Challengeをツアー化し、JPSAを含むアジア各国の連盟から国内ツアー上位選手が参加する「S.LEAGUE Premium Tour」の開催を準備

・この「S.LEAGUE Premium Tour」への日本代表参加権は、S.LEAGUE24-25 ツアー最終ランキングの上位者に与えられる。

 

 

 

今回の第2弾となった『S.LEAGUEーその先のプロツアー構想』は、日本の国内サーフィン団体である JPSA、NSA、NSSAに加え、JPBAのボディーボードも参加する壮大なプロジェクトとなった。

 

大野修聖チェアマン

 

2部リーグ制の導入とAsia Challengeツアー化へ。

 

大野修聖チェアマンが考えるのは日本から世界へ。一本化の道筋をつける最初の一歩がこの国内改革である「S.LEAGUE」となった。まずは国内のサーフィン団体と協力体制を整え、プロツアーに参加できるシード枠の導入。このシード枠にはWSLの選手も引き続き参加できるとしている。

 

さらに、最終戦をランキング上位選手のみ大会として、より目にみえる形で選手の価値を上げる場と変える。さらに25-26の構想には目玉としての2部リーグ制の導入がある。選手の実力に伴い細分化。常に上を目指すことが選手の強化につながるという考えだ。

 

これに加え、世界への道筋にアジアの連携も掲げる。現在ある各国のサーフィン団体の大小にとらわれず、連携を進めて特別戦だった「Asia Challenge」をツアー化すること。それが「S.LEAGUE Premium Tour」として、日本からアジアへ、そして世界へ続く道となると語る。

 

大野修聖チェアマンは「自分がツアーを回っていたときに思ったことは、アマチュアからプロリーグへ、そしてさらに世界の大会までが一つにつながっていたら良いなという思いがありました。

 

世界を目指すにあたって、日本の先の一つにアジアリーグがあって。アジアは世界でも良い波がありますし、まず、そこでアジアのチャンピオンになるということも一つの目標になると思います。これがアジア全体のサーフィンの底上げになりますし、プロ選手の更なる活躍の場所の提供につながると思っています。」と語った。

 

このJPSAが提案した「S.LEAGUE 」は、JPSAだけの改革ではなく、日本のサーフィン、ボディボードを含め、海のレジャーのスポーツ化を推進すると同時に、選手の強化にもつながるという大きな改革となるだろう。これからの動向に注目したい。

 

さらなる情報は下記HPまで。
「S.LEAGUE」
https://sleague.jp/

「S.LEAGUE / Tour」
https://sleague.jp/tour.php

 

「S.LEAGUE Grand Final」で使用するゼッケン。背中にはそれぞれのランキングの順位の番号が入る。

高橋健人 ショートボード男子選手会長
川合美乃里 ショートボード女子選手副会長
秋本祥坪  ロングボード男子選手会長
古家伸子  ロングボード女子選手会長

JPBA(日本プロボディボード連盟)前山剛志 理事長
「JPBAの所属選手として昨年度は大原沙莉選手、2018年には鈴木彩加選手がワールドチャンピオンになり、世界でで活躍する選手が多くおります。この「S.LEAGUE」という最高なステージで世界レベルでライディングを披露して、さらにボディボード業界、そして「S.LEAGUE」を盛り上げていければと思っております。」

NSSA(日本学生サーフィン連盟)長岡新一郎 代表理事
「この度、シード枠いただきまして、本当に感謝申し上げます。学生のサーフィンにつきまして、昨年のNSSAのグランドチャンピオンの学生の選手がNSA全日本で優勝という結果を残しました。学生のサーフィンもレベルアップしおりますので、この「S.LEAGUE」でチャレンジして学生のサーフィンを盛り上げ、さらに「S.LEAGUE」を盛り上げていくために頑張っていきたいと思います。」

NSA(日本サーフィン連盟)酒井厚志 理事長
「S.LEAGUE」の立ち上げに、まず感動しております。これから今日がスタートということで、新しい取り組みにわくわくしております。私ども日本サーフィン連盟は強化部の方でJPSAさんと一緒になって、選手強化に力を入れております。オリンピックもありますが、やはり底辺を広げていくこと。もっと一般の人たちに知ってもらうことも大切だと思っております。この活動も一緒にもっと広げていきましょう。」

 

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