カイ・サラスとソレイユ・エリコがベルズ・ビーチ・ロングボード・クラシックで優勝。田岡なつみと井上鷹は5位

ファイナリスト© WSL / Sloane

ベルズ・ビーチ、トーキー、ビクトリア/オーストラリア(2023年9月2日土曜日)-カイ・サラス(HAW)とソレイユ・エリコ(USA)は、クラシックなコンディションのベルズ・ビーチで開催された第1回バイオグラン・ベルズ・ビーチ・ロングボード・クラシック・プレゼンテッド・バイ・リップ・カールで優勝。

 

3~4フィートのクリーンなコンディションで行われたファイナルデイ。2023年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)ロングボード・ツアー第2戦の素晴らしいフィニッシュとなった。

 

 

準優勝のデクラン・ワイトン(AUS)とアリス・リモイン(FRA)の二人は、ファイナルのホーンが鳴るまでプレッシャーをかけ続け、両ファイナルの勝者との差は1ポイントにも満たないものだった。

 

 

ツアーベテランのカイ・サラスが2011年以来の優勝

カイ・サラス© WSL / Sloane

 

WSLロングボード・ツアーで最後に優勝してから12年、42歳のカイ・サラスは表彰台の頂点に立ち、彼の弟子でツアー・パートナーのカニエラ・スチュワート(HAW)と並んでランキング2位にジャンプアップした。

 

スチュワートを含む多くの若手ハワイアンのボードをシェイプし、自分自身を指導者として見ているにもかかわらず、サラスは相変わらずコンペティティブなサーファーである。

 

「この大会に来るまでは、ハードにトレーニングをして、ボードを作り、サーフィンをして、本当に真剣に取り組んでいました。」とサラス。「優勝したいイベントがあるとしたら、ここです。この場所は素晴らしいし、波も素晴らしい。」

 

カイ・サラス© WSL / Pierucki
カイ・サラス© WSL / Pierucki

 

クオーターファイナルでトニー・シルバーニ(USA)に勝利し、セミファイナルでは長年のライバルであるテイラー・ジェンセン(USA)にクラッチ・パフォーマンスで勝利し、イベント最高のヒートトータルを記録したサラスは、止められないように見えた。

 

しかし、ファイナルは一転、コンディションの悪化に見舞われ、サラスもワイトンも序盤のリズムを取り戻すのに苦労。ヒート中盤にサラスが出した7.00(10点満点中)が決め手となり、ワイトンは6点台後半から抜け出すことができず。オーストラリアのロングボード・ワールド・タイトルのホープであるワイトンは、自身初のWSLロングボード・ツアー・ファイナルに進出したことに感激していた。

 

 

デクラン・ワイトン(AUS)© WSL / Pierucki

 

「友人や家族の前でファイナルを迎えられたことは、とても特別なことでした。」とワイトン。「ファイナルではプレッシャーを感じませんでした。 なんだかすべてが軽くなったような気がします。最後は波が来なかったのでスコアは出ませんでしたが、それとは関係なく、とにかく興奮しました。特にトップ8フォーマットでマリブに行くのに大きな助けになります」。

 

エリコ、ランキング首位とロングボード・チャンピオンシップ・トップ8入り確定

 

ソレイユ・エリコ(USA)© WSL / Sloane

 

2度のワールド・ロングボード・チャンピオンであるソレイユ・エリコ(USA)は、3度目のWSLロングボード・ツアー優勝を果たし、ランキング・トップに立った。

 

マリブ・ローカルのソレイユ・エリコは、10月に開催されるWSLロングボード・ツアーのクライマックス・イベント「Original Sprout マリブ・ロングボード・チャンピオンシップ Presented by Tractor Beverage Company」において、昨年に続きロングボード世界タイトルを防衛するチャンスを得ることとなった。

 

ソレイユ・エリコ(USA)© WSL / Sloane

 

「肩の荷が下りたのは確かです。」とエリコ。「自分の目標はマリブに行くことだったし、それを達成できたから、本当にいい気分です。またあの場所で戦えることに興奮しています。成功するよう、全力で頑張ります」。

 

ソレイユ・エリコ(USA)© WSL / Sloane

 


今日のファイナルは、エリコとアリス・リモイン(フランス)の3度目の対戦。ハンティントン・ビーチとマリブで行なわれた前ヒートと同様、エリコは終了間際に必要なスコアを叩き出して逆転で勝利をつかんだ。

 

セミファイナルで3度の世界ロングボード・チャンピオンに輝いたホノルア・ブルームフィールド(HAW)と対戦したエリコは、有名なベルズ・ボウルから、より深くクラシックなポイント・セットアップのリンコン・ボウルへ変更した最初のサーファー。この作戦が功を奏し、エリコはブルームフィールドをロングボード・ツアーで初めて破り、その後の試合の流れを掴んだ。

 

ソレイユ・エリコ(USA)© WSL / Sloane
アリス・リモイン© WSL / Sloane

 

ファイナルでも同じセクションのラインナップが続き、小康状態となったリモインとエリコはヒートスタートまで10分間待機。リスタートのホーンが鳴った直後、エリコが波に乗り、その後ろにリモインが続く展開。何度も転倒しながらも、エリコはレールをフルに使い、クリティカルなノーズライドでトップをキープ。そして最後の波で見せた強烈なカーブで逆転し、彼女に勝利をもたらした

 

「思っていた以上にバンピーだったので、転び続けて本当に緊張しました」と言ったエリコ。「でも、彼女は素晴らしいコンペティターであり、素晴らしい人なので、彼女とラインナップを共有できたのはクールでした」。

 

 

フランスのアリス・リモイン© WSL / Sloane

 

クオーターファイナルで田岡なつみ、セミファイナルでクロエ・カルモン(BRA)を破ったリモイン。レユニオン島出身の彼女は、今年初めに開催されたISAワールド・ロングボード・チャンピオンシップで金メダルを獲得した後、同じ場所で開催されるWSLロングボード・ワールドツアーの第3戦となるサーフ・シティ・エルサルバドル・ロングボード・クラシックに興奮している。

 

アリス・リモイン© WSL / Sloane

 

「特に残り10秒で2位になったのは少し悲しいです」と言ったリモイン。「このコンテストで優勝したかったけど、コンテストを通しての自分のサーフィンに満足しているし、最後のエルサルバドルの前の順位にも満足しています。だから気分はいいし、最高の気分。」と言った。

 

ヒート前に集中する田岡なつみ© WSL / Pierucki
田岡なつみ© WSL / Sloane

 

女子クオーターファイナルのH3では、田岡なつみがフランスのアリス・リモインと対戦。スタートから果敢に攻める田岡はクリーンなノーズライドで3.83をスコア。細かくスコアを集めてヒートをリードしていく。

 

田岡なつみ© WSL / Sloane
田岡なつみ© WSL / Sloane

 

アリスがスコアを伸ばせない中、田岡はビッグセットをキャッチ。インサイドまで繋がるロングウォールでノーズライドをコンビネーション。6.17という高得点をマークしてヒート前半をリードする。

 

そのまま黙っている訳もないアリスは、ニード8.83と追い込まれながらも完璧なソウルアーチからコミットしたノーズライドとカービングのコンビネーション・マニューバーで 6.83をスコア。ニードスコアは3.17まで縮まる。

 

田岡なつみ© WSL / Sloane

 

ヒート後半に5.50をスコアしたアリスが逆転。田岡はニード6.17と追い込まれてします。残り時間は10分を切った。ヒート終盤にはトップスコアを7.00 に塗り替えたアリスが圧勝。

 

果敢に攻めた田岡だったが惜しくもここで敗退。それでも今大会5位という成績で、9月19日からエルサルバドルで始まる第3戦に繋がる成績を収めた。

 

田岡は現ツアーランキング13位。次回の第3戦でランキングを上げてベスト8に残り、最終戦のマリブに出場する権利を掴みたい。

 

井上鷹© WSL / Pierucki

 

男子クオーターファイナルでは井上鷹が、H1で3度の世界チャンピオンであるテイラー・ジェンセン(USA)と対戦。ヒートはスタートからジェンセンが圧倒的なパフォーマンスを披露し、エクセレントの 8.33をスコアして開始。すぐにバックアップも4.67を出し、井上を圧倒する。

 

テイラー・ジェンセン(USA)© WSL / Pierucki

 

優先権を持って波をつかんだ井上だがワイプアウト。スコアを伸ばせない。逆にジェンセンはヒート2本目となるエクセレントの8.40をスコア。ヒートは完全にワンサイドゲームとなり、ジェンセンは残り3分で海から上がってしまう。コンビネーションに追い込まれた井上は、最後に5.27をスコアするも惜しくもここで敗れた。

 

井上鷹© WSL / Pierucki
テイラー・ジェンセンと井上鷹© WSL / Pierucki

 

それでも井上は2試合連続で5位となり、ツアーランキング7位をキープ。次のエルサルバドル戦の結果次第ではトップ8となり、マリブのチャンピオンシップに出場できる。

 

 

 

バイオグラン・ベルズ・ビーチ・ロングボード・クラシック・プレゼンテッド・バイ・リップカール

男子ファイナル結果:
優勝 – カイ・サラス(HAW)12.77
2位- デクラン・ワイトン(AUS)12.34

女子ファイナル結果:
優勝 – ソレイユ・エリコ(HAW)11.97
2位 – アリス・リモイン(USA)11.70

男子セミファイナル結果:
SF 1:カイ・サラス(HAW)15.40 vs テイラー・ジェンセン(USA)15.17
SF 2:デクラン・ワイトン(AUS)15.16 vs エドゥアール・デルペロ(FRA)14.43

女子セミファイナル結果:
SF 1:ソレイユ・エリコ(USA)14.00 vs. ホノルア・ブルームフィールド(HAW)13.40
SF 2:アリス・リモイン(FRA)15.17 vs クロエ・カルモン(USA)14.44

l男子クオーターファイナル結果:
HEAT 1:テイラー・ジェンセン(USA)16.73 DEF. 井上鷹(AUS)9.67
HEAT 2:カイ・サラス(HAW)17.17 DEF. トニー・シルヴァーニ(USA)14.34
HEAT 3:エドゥアール・デルペロ(FRA)14.10 DEF. ランデン・スマレス(AUS)8.43
HEAT 4:デクラン・ワイトン(AUS)15.33 DEF. ベン・スキナー(イギリス)13.90

女子クオーターファイナル結果:
HEAT 1:ホノルア・ブルームフィールド(HAW)13.17 DEF. メイソン・シュレマー(USA)11.86
HEAT 2:ソレイユ・エリコ(USA)13.17 DEF. アヴァロン・ガル(USA)7.94
HEAT 3: アリス・リモイン(フランス)13.83 DEF.田岡なつみ (JPN)10.00
HEAT 4:クロエ・カルモン(BRA)13.24 DEF. ソフィア・カルヘイン(HAW)8.70

 

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ネクスト・ストップ:サーフ・シティ・エルサルバドル・ロングボード・クラシック

 

WSLワールド・ロングボード・ツアーの次の第3戦は、エル・サルバドルのラ・リベルタ、エル・スンザルで開催される「サーフ・シティ・エル・サルバドル・ロングボード・クラシック」。このイベントは9月19日から25日まで開催され、大会の模様はWorldSurfLeague.com、WSLのYouTubeチャンネル、無料のWSLアプリでライブ放送されます。

 

 

Bioglan Bells Beach Longboard Classic

Presented By Rip Curl

Bells Beach, Victoria, Australia