稲葉玲王、パリ2024オリンピック条件付き出場権獲得 記者会見。コナー・オレアリーは日本へ移籍承認

一般社団法人日本サーフィン連盟・強化部は、パリ2024オリンピック条件付き出場権獲得などについて記者会見を行った。

記者会見には、日本サーフィン連盟 理事長 酒井 厚志氏、事務局長 関口 嘉雄氏、 副理事長 佐藤 正麗穂氏、 強化委員長 牛越 峰統氏、 代表監督 宗像 富次郎氏が登壇。

そして、今回波乗りジャパン3人目のパリ2024オリンピック条件付き出場権獲得となった稲葉玲王が出席。また日本へ移籍が承認されたコナー・オレアリーからのビデオメッセージが紹介された。

 

日本サーフィン連盟 理事長 酒井 厚志氏

 

「日本サーフィン連盟では、JPSA日本プロサーフィン連盟と協力して日本のサーフィン界を一つにして、2024年のワールドサーフィンゲームス(WSG)では更にオリンピックの出場権を取りに行きます。またオリンピックでは一つでも上の順位を目指していきたいと思っております。

今後は世界に通用するジュニア世代の育成のため、ジュニア合宿やワールドジュニアチャンピオンシップに力を注いで参ります。」と酒井理事長が冒頭で挨拶した。

 

パリ2024オリンピック条件付き出場権獲得となった稲葉玲王

 

稲葉玲王

 

「こんにちは。稲葉玲王です。今回パリオリンピック出場内定もらって、凄く光栄に思います。こういうチャンスをくれた連盟に感謝して、オリンピアンとして自覚を持って行動し行きたいと思います。

出るからには金メダルを狙っていきたいと思うので、応援よろしくお願いします。」

「チョープーは一言でいうと恐怖っていう感じの波なんですけど。でも凄い波なので、本当に一生に一本っていう波に乗れたらなって思います。波が10フィートになったとしても行くしかないですね。」

 

 

 

「外国人選手に負けないパワーとか力強さとかは、いけるなと思っているんですけど、今回のオリンピック会場は波が波なので、気合を入れ直して準備したいと思います。

東京オリンピックはもちろん悔しい思いはしましたけど、オリンピックにこだわらず、今までやってきたツアーだったりとか、そういう目標のためにやってきたので、それがこういう結果につながったのかなって思います。

13歳でプロになってから、ここまでは時間として一瞬でしたけど、気持ちとしてはやっとだなっていう感じです。その時の自分に我慢すれば、こういう結果になるからって言ってやりたいです。」

 

 

パリ2024オリンピック 条件付き出場権獲得選手

 

 

続いて、強化本部担当理事 佐藤 正麗穂氏からは、パリ2024オリンピック 条件付き出場権獲得選手が説明された。

 

五十嵐 カノアが2023年 WSL CTランキングにて 条件付き出場権獲得。そして、今回、稲葉 玲王が2023年 WORLD SURFING GAMES MENアジア2位 アジア最高位選手(五十嵐カノア)のCTクオリファイにより、繰り下がり条件付き出場権獲得した。

 

女子に関しては、松田 詩野のみが2023年 WORLD SURFING GAMES WOMENアジア最高位 条件付き出場権獲得。出場枠は最大3枠まで可能のため、2024年プエルトリコで行われるWSGで7位入賞して1枠、国別で1位を獲得して1枠、合計で女子も3枠獲得を目指す。

 

現在は、以上の男女合わせて3名が条件付き出場権を獲得しており、ISA-WSGにて男子国別1位となり1枠獲得している。日本サーフィン連盟は2024年ISA大会にこの3選手を選出する意向を発表した。

 

 

第二回選考 パリ2024特定強化指定選手の発表。

 

 

日本サーフィン連盟では、申請動画が男女合わせて40名以上100本以上ある中から、以下の男子7名、女子5名に絞り込み選抜。審査委員会では、送られてきた動画、過去の実績、各大会での活躍、プエルトリコの波で勝てる確率のある選手、チョープーの波で勝てる確率のある選手を総合的に判断し、パリ2024特定強化指定選手12名を発表した。

 

 

  1. 五十嵐 カノア
  2. 伊東 李安琉
  3. 稲葉 玲王
  4. 大原 洋人
  5. コナー・カラサワ・オレアリー
  6. 村上 舜
  7. 脇田 泰地

 

  1. 都筑 有夢路
  2. 都築 虹帆
  3. 前田 マヒナ
  4. 松岡 亜音
  5. 松田 詩野

 

 

2024 ISA WSGプエルトリコ日本代表選手選考基準

 

強化委員長 牛越 峰統

 

強化委員長 牛越 峰統氏より、2024 ISA WSGプエルトリコ日本代表選手選考基準が発表された。大会は、プエルトリコのアレシボ市にて開催。大会期間は2024年2月22日(木)~3月2日(土)を暫定期間として開催を準備している。

 

男子
1、パリ2024オリンピック条件付き出場権獲得者(五十嵐カノア)

2 、パリ2024オリンピック条件付き出場権獲得者(稲葉玲王)

3 、推薦枠(2023実績、選考会成績等)

補欠、推薦枠(2023実績、選考会成績等)

 

推薦枠に関しては、選考会の結果のみで決定されるものではなく、2023年の現在の各種大会の順位やランキングを加味して選考していく。

 

女子
1、 パリ2024オリンピック条件付き出場権獲得者(松田詩野)

2 、推薦枠(2023実績、選考会成績等)

3、 推薦枠(2023実績、選考会成績等)

補欠、 推薦枠(2023実績、選考会成績等)

 

推薦枠に関しては、選考会の結果のみで決定されるものではなく、2023年の現在の各種大会の順位やランキングを加味して選考していく。

 

 

日本代表選手選考会について。

 

 

パリ2024のクオリファイ状況や特にタヒチのチョープーという特殊な波での大会を目指す過程において、日本サーフィン連盟として日本代表を選抜するための「ジャパンオープン・オブ・サーフィン」の開催をしないことを発表した。

 

「ジャパンオープン・オブ・サーフィン」は開催しないが、現在の選手のコンディションやクオリティのチェック、また真剣試合のプレッシャーの中でのパフォーマンスを測るためにも試合形式の選考会を開催することとした。

 

この選考会を持って2024年のISAプエルトリコ大会の「補欠選手」を決定する。日程は調整中だが、2023年12月開催で予定している。会場は協議中。決まり次第発表となる。

 

出場対象選手はパリ2024特定強化指定選手12名だが、既に条件付きで出場権を獲得している選手、2023CT選手は選考会には出場せず、日本代表入りとなる。

 

選考会対象選手は8名。伊東李安琉、大原洋人、村上舜、脇田泰地、都筑有夢路、都築虹帆、前田マヒナ、松岡亜音となる。

 

補欠に関して、佐藤 正麗穂氏から説明があった。1枠目の五十嵐カノア選手は個人で獲得した枠のため、五十嵐選手以外は出れない。2枠目はアジア枠で稲葉玲王しか出れない。

 

しかし3枠目は日本の枠であるため、もしも3枠目として決まった選手がいても、その選手に何かあって出れなくなった場合、補欠の選手が繰り上がっていく枠となる。そのため補欠選手というのは非常に重要な枠なのだということが説明された。

 

 

CTツアー参加中のコナー・カラサワ・オレアリー選手の日本移籍承認。

 

コナー・オレアリー

 

日本とオーストラリア国籍を持つWSL・CTツアー参加中の コナー・カラサワ・オレアリー(パスポート表記)のISA国際大会での日本代表としての参加が認めらたことが日本サーフィン連盟から正式に発表。

 

承認までの流れが説明された。2023年の2月23日 コナー・カラサワ・オレアリー本人より、国籍移籍変更の意思を示す書類が提出され、3月06日 NSA理事会承認を経て、メールにてISAへ書類提出。4月07日 ISAより条件提示され、本人へ意思確認。

 

6月06日に本人より、手続きを進めていただきたい旨の連絡があり、NSAよりISAへ申請。 7月18日 ISAより承認が下り、コナー・オレアリーは日本人選手として、ISA-WSGに出る資格を得た。

 

現CT選手であり、オーストラリア国籍で活動している元JPSAグランドチャンピオン柄沢明美さんの長男であるコナー・オレアリーが、オーストラリから動画でメッセージを送った。

 

 

「みなさん、はじめまして。コナー・カラサワ・オレアリーです。この度、日本人としてISAワールドサーフィンゲームスでオリンピックを目指すことが認められました。

去年から日本への移籍を決めていましたが、手続きに長い時間がかかり、やっと移籍が認められて嬉しいです。

今後は2024 ISAワールドサーフィンゲームスの日本代表を目指し、オリンピックに出てメダルを取れるように頑張りたいと思います。

日本の若いサーファーのお手本になる選手になりたいと思っていますので、これからも応援よろしくお願いします。」とコナーが流暢な日本語で話した。

 

 

現時点では、コナー・オレアリーのオリンピック出場が決まったわけではない。ただ、最後の1枠の選手を決めるにあたり、メダルを取ることが可能な選手ということを考えるならば、男子はコナーが最有力候補であることは間違いない。

 

今後コナーの2月のプエルトリコ大会の出場に関しては、ISAからの最終確認事項の返事を待って、その他の選手の選考会の結果を加味して(コナーはWSLの関係で出場できない)、強化部、理事会で決定していくことになると日本サーフィン連盟が説明した。

 

また日本選手がプエルトリコで5位以内に入れなかった場合の、3枠目の選手の選考方法に関する質問も出たが、それに関しても明確にされていない部分があるためISAの返答待ちという回答だった。

 

 

代表監督 宗像 富次郎氏

 

代表監督の宗像 富次郎氏からは、今後のスケジュールが説明され、9月末から10月の頭にタヒチ合宿を実施する。パリ2024オリンピック条件付き出場権獲得選手や強化指定選手などに声をかけて、タヒチの波や環境に慣れることを目的として、本番でより良いパフォーマンスを発揮できることを目指す。

 

また、同時期にアンダー16のジュニアの強化指定選手を対象にした合宿を宮崎県木崎浜で開催。(キッズの男子選手は勉強に専念させるために)この合宿には、東京五輪金メダリストのカリッサ・ムーアの父親でコーチを務めるクリス・ムーアが特別コーチとして招集されて行うことが発表された。