2023年8月15日(火)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2023チャンピオンシップ・ツアー(CT)第10戦「SHISEIDOタヒチ・プロ Presented by Outerknown」のメンズ・クオーターファイナルが終了。
6フィートから8フィートのコンディションは、ビッグスコアやブザービーターの大逆転のチャンスが多く提供された。またこの日は、数名のサーファーが2024年パリ・オリンピックの出場権を暫定的に獲得した。
男子と女子のクオーターファイナル進出者が決定し、WSLファイナル5への出場権も残りわずかとなり、ワールドチャンピオンが決定するリップカールWSLファイナルを前に、2023年のCTシーズンを締めくくる壮大なファイナルデーの舞台が整った。
フローレンスとロビンソンが今イベントのハイスコアをマーク
今日のラスト・ヒートでは、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がタヒチでの成功を継続し、2023 CTルーキーの和井田リオ(INA)とのマッチアップのラスト・ウェイブで、ほぼパーフェクトに近い9.57(10点満点中)をマークし、ここまでのイベントでのシングル・ハイエスト・ウェイブをマーク。
フローレンスはヒートを通して勢いをつけ、まずエクセレントの8.07をマーク。そして、今日ベスト・デーの波を見つけ、深くテイクオフし、スピットでパーフェクトにブレイクアウト。ヒート終了間際、2度のワールド・チャンピオンに輝いたフローレンスは、今イベント最高の2ウェイブ・ヒート・トータル17.64(20点満点)をマーク。
「超気持ちいい。ヒート全体を通して、クリーンなダブルアップが出来なかったので、ちょっとフラストレーションが溜まっていました」とフローレンスは言った。「よくない波を手に入れ続けて、”ピンチ “をやり過ごすのに苦労しました。最後の波をゲット出来て本当に嬉しかったです。」
ジャック・ロビンソン(AUS)は、ラウンドオブ16の試合で9.40(10点満点中)という今イベントで2番目に高いスコアをマーク。ロビンソンは、スティープなテイクオフを決め、バレルの中で完全に姿を消すと、フォームボールの後ろの水のウォールから現れ、チャンネルにライディングアウト。
ベルズ・ビーチでの怪我と戦い、ランキングを下げたロビンソンは現在世界ランキング8位。まだWSLファイナル5進出のチャンスは残っているが、そのためにはファイナルに進出する必要がある。
「特別な瞬間。ドロップはとてもクレイジーで、それから大きなパンプをして、何も見えなくなって、それから出てきたんです」とロビンソンが言った。「今はファイナル5進出のことは考えていません。ただ一歩ずつ、一歩ずつ。流れに身を任せるだけ。ヤゴ(ドラ)とは本当に楽しいヒートになりそう。良い波が来ると良いですね。」
また、9ポイント・レンジのスコアをマークしたのはバロン・マミヤ(HAW)。マミヤはビッグバレルをメイクし9.17をスコア。彼はイベント・ワイルドカードのミヒマナ・ブレイ(PYF)とクオーターファイナルで対戦。もしマミヤがセミファイナルに進出することが出来れば、彼はここタヒチで2023年シーズンのベストリザルトを獲得することになる。
コラピントがセカンド・ハイ・シードを獲得、WSLファイナル5への最後の一枠は。
ジョアオ・チアンカ(BRA)がエリミネーション・ラウンドで早々に敗退したことで、グリフィン・コラピント(USA)は、リップカールWSLファイナルへの第2シードを獲得。
チアンカの敗退により、現在6位のガブリエル・メディーナ(BRA)と、現在7位のジョン・ジョン・フローレンス(HAW)がトップ5に潜り込む可能性が出てきた。
メディーナは、セス・モニーツ(HAW)とのラウンドオブ16の対戦を8.17を記録する素晴らしい形で勝ち上がり。フローレンスも和井田リオ(INA)を下してクオーターファイナルに進出。メディーナとフローレンスは、WSLファイナル5進出の夢を現実のものとするため、クオーターファイナルで直接対決する。
ローカル・ワイルドカードのヴァーストとミヒマナがトップ・シードを下す
イベント・ワイルドカードのカウリ・ヴァースト(フランス)は、今日クオーターファイナルに進出するまでに2人のトップランカーを撃破。まずエリミネーション・ラウンドで現世界ランキング4位のジョオ・チアンカ(BRA)を下すと、ラウンドオブ16では現世界ランキング3位のグリフィン・コラピント(USA)を退けた。
ヴァーストは昨年、ワイルドカードでこの大会に出場し、決勝まで進み準優勝。今大会も決勝進出まであと一歩。
怪我人代役のミヒマナ・ブレイ(フランス)は、ラウンド16で現世界ランキング1位の世界チャンピオン、フィリッペ・トリード(BRA)を下し、クオーターファイナル進出を決めた。
7.00をスコアしてトップに立ったブレイは、ヒート終盤にエクセレントの8.50をスコアしてトリードに反撃の余地を与えず。これはブレイにとって初のCTであり、彼は世界最高峰を脅かす存在になりつつあることを示した。
ブレイは、「今年は、かなり苦労しました。今年の前半は本当に苦しかった。このコンテストは、タヒチアンにとって最大のコンテストだとわかっていたので、1ヶ月前からここに移り住み、ひたすらトレーニングを積んできました。毎日、あらゆるコンディションでサーフィンをして、準備は万端。このチョープーというスポットとすごく縁があるし、いい感じ。準備万端です。」と言った。
ヤゴ・ドラ、ブザービーター・バレルでスレーターを下す
ヤゴ・ドラ(BRA)は、11度の世界チャンピオンであるケリー・スレーター(USA)とのエキサイティングなラウンドオブ16の後、クオーターファイナル進出を決めた。
スレーターはヒート中リードを保ち、ドラはニード7.76と追い込まれていたが、残り1分で海はドラに最後のチャンスを与えた。彼はロングバレルを成功させ、8.00をスコアしてスレーターに逆転。ランキング5位以内をキープするために勝利が必要だったドラにとって、この勝利は非常に重要なものとなった。
「彼がとても良いリズムだったので、ヒートの終わりには腹が立っていました。彼がもう1本いいライディングをするのが見えたので、最後の1本はリスクを冒さなければならないと思いました。長いヒートになることは分かっていたし、インサイドは浅くなっていたけれど、出来るだけ長い時間、バレルの中にいなければならなかったし、その結果、素晴らしい感触を得ることが出来ました。ケリー(・スレーター)には悪いけど、自分の時間だった」。
五十嵐カノア、ロビンソン、スミスがオリンピック出場権を暫定獲得
五十嵐カノア(日本)、ジョーディ・スミス(RSA)、ジャック・ロビンソン(AUS)は、WSL CTを通じて、2024年パリ・オリンピックに各国代表として出場する暫定資格を獲得。五十嵐は2020年東京オリンピックで銀メダルを獲得しており、2度目のオリンピック出場となる。スミスとロビンソンは、2024年にオリンピックデビューを果たします。スミスは、2020年東京オリンピックの出場権を獲得したものの、負傷のため出場できなかった。
2024年のオリンピックは、巨大なバレル、激しいドロップ、浅いリーフで知られる、このチョープーで開催される。ワールド・チャンピオンを決定する競技サーフィンの最高峰であるWSL CTは、2024年オリンピックのサーフィンの第一次予選です。WSLは、男子10名、女子8名を2024年パリ大会に出場させます。サーフィンのオリンピック出場権獲得プロセスについては、こちらをご覧ください。
カノア、コナーとも17位でフィニッシュ。
五十嵐カノア(JPN)は敗者復活ラウンドで和井田リオ(INA)と対戦。スタートからバックハンドでスコアを固めた和井田に対し、ヒートハイエストの6.00をスコアしたカノアだったがバックアップを見つけられず惜しくもここで敗退。今大会17位でフィニッシュ。
コナー・オレアリーも敗者復活ラウンドで、ハワイのセス・モニーツと対戦。ディープバレルをメイクしてヒートをリードしたが、ヒート終盤にモニーツがビッグバレルをメイクして8.00のエクセレントをスコアして逆転。惜しくもコナー・オレアリーもここで敗退となった。
SHISEIDOタヒチプロ Presented by Outerknown
メンズ・ラウンドオブ16結果:
HEAT 1:カウリ・ヴァースト(FRA)10.84 DEF. グリフィン・コラピント(USA)5.93
HEAT 2:レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)12.84 DEF. ジョーディ・スミス(RSA)6.83
HEAT 3:ヤゴ・ドラ(BRA)14.50 DEF. ケリー・スレーター(USA)14.26
HEAT 4:ジャック・ロビンソン(AUS)16.40 DEF. リアム・オブライエン(AUS)12.03
HEAT 5:ミヒマナ・ブレイ(PYF)15.50 DEF. フィリッペ・トリード(BRA)5.73
HEAT 6:バロン・マミヤ(HAW)14.50 DEF. イアン・ジェンティル(HAW)12.37
HEAT 7:ガブリエル・メディーナ(BRA)14.17 DEF. セス・モニーツ(HAW)8.77
HEAT 8:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)17.64 DEF. 和井田リオ(INA)10.43
SHISEIDO Tahiti Pro Presented by Outerknown
メンズ・エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT 1:グリフィン・コラピント(USA)10.16 DEF. マタヒ・ドローレ(PYF)8.66
HEAT 2:和井田リオ(INA)10.07 DEF. 五十嵐カノア(JPN) 7.50
HEAT 3:カウリ・ヴァースト(FRA)13.00 DEF. ジョアオ・チアンカ(BRA)4.90
HEAT 4:バロン・マミヤ(HAW)9.83 DEF. カラム・ロブソン(AUS)3.96
HEAT 5:ケリー・スレーター(USA)14.27 DEF. ライアン・カリナン(AUS)12.50
HEAT 6:イアン・ジェンティル(HAW)8.00 DEF. マシュー・マクギリブレイ(RSA)3.17
HEAT 7:セス・モニーツ(HAW)12.23 DEF. コナー・オレアリー(AUS)9.66
HEAT 8:リアム・オブライエン(AUS)11.00 DEF. カイオ・イベリ(BRA)10.84
SHISEIDO タヒチ・プロ Presented by Outerknown
メンズ・クオーターファイナル・マッチアップ:
HEAT 1:カウリ・ヴァースト(FRA)対レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
HEAT 2:ヤゴ・ドラ(BRA)対ジャック・ロビンソン(AUS)
HEAT 3:ミヒマナ・ブレイ(PYF)対バロン・マミヤ(HAW)
HEAT 4:ガブリエル・メディーナ(BRA) 対 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
ウイメンズ・クオーターファイナル・マッチアップ:
HEAT 1:タイラー・ライト(AUS)対 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
HEAT 2:キャロライン・マークス(USA)対ステファニー・ギルモア(AUS)
HEAT 3: カリッサ・ムーア(HAW)対ヴァヒネ・フィエロ(FRA)
HEAT 4:モリー・ピックラム(AUS)対ケイトリン・シマーズ(USA)
詳しくは、WorldSurfLeague.comをご覧ください。