五十嵐カノア、今シーズン最高の3位入賞。コナー・オレアリーは5位。コロナ・オープンJベイ最終日

五十嵐カノア© WSL / Van Gysen

ジェフリーズ・ベイ、イースタン・ケープ、南アフリカ(2023年7月19日水曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2023チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第9戦「コロナ・オープンJベイ」のファイナルデイは、強いオフショアの風を伴った4~6フィートの波で開催。

 

ジェフリーズベイ© WSL / Van Gysen

 

ファイナルデイは、女子のクオーターファイナルからスタート。その後、男子クオーターファイナル、女子、男子セミファイナル、ファイナルが行われた。

 

 

 

 

昨日、素晴らしいバックハンド・サーフィンを披露したコナー・オレアリーはQF2でイーサン・ユーイングと対戦。明らかに昨日よりサイズダウンしたコンディション。

 

イーサン・ユーイング© WSL / Van Gysen

 

ユーイングはスムースなサーフィンに加え、要所にキレのあるターンを繰り出し、6.50、5.50というスコアをマーク。コナーはじっくりと波を待ってビッグマニューバーで応戦。しかし早い波だったり思うようにスコアを伸ばせない。

 

後半に入り、セットの波をつかんだユーイングは、早いセクションを高速ターンで切り抜け、そのスピードを生かしたビッグターンで7.83をスコア。コナーをコンビネーションに追い込む。

 

コナー・オレアリー© WSL / Van Gysen

 

ナーも縦に上がる3つのストレートアップのオフザリップで応戦。5.87をスコアするもそこまで。ユーイングは更にバックアップを6.77まで伸ばして圧勝。コナー・オレアリーは今シーズン5度目の5位でフィニッシュとなった。

 

五十嵐カノア© WSL / Van Gysen

 

昨日体調が優れない中、ハイパフォーマンスを披露した五十嵐カノアがQF4でヤゴ・ドラトと対戦。

 

五十嵐カノア© WSL / Van Gysen
ヤゴ・ドラ© WSL / Van Gysen

 

カノアはスタートから最大セットをキャッチ。ドリフティング・マニューバーで6.67、5.33を続けてスコア。先制攻撃を仕掛ける。しかし、そのスコアは安心できるものではない。ヤゴはエアトリックが得意な選手で、オープニング・ラウンドでもワンエアで9.27をスコアした危険な選手なのだ。

 

優先権を持ってセットを待つヤゴ。しかし、ジャックロボとトリードの前のヒートが嘘のようにセットがピタリと止まってしまう。

 

 

残り10分で波を掴むヤゴ。しかし、早い波で抜けられず技がほんとんど掛けられず。ニードスコアは9.07。残り5分で波を掴んだヤゴはベストスコアを塗り替えるもニードスコアは7.83とカノアが依然リード。そのままタイムアップとなり、カノアがセミファイナル進出を決めた。

 

SFでフィリッペ・トリードと対戦した五十嵐カノア。

 

五十嵐カノア© WSL / Ryder
五十嵐カノア© WSL / Ryder

 

セミファイナルでは、現在ランキング1位のフィリッペ・トリードと対戦したカノア。セット波をつかんだカノアは、クリティカルなセクションでのソリッドなターンでを連発し、8.00というエクセレント・ライドでヒートを開始した。それに対しトリードはファーストウェイブで4.83と出遅れる。

 

五十嵐カノア© WSL / Ryder

このスコリング・ウェイブが少ない中で、エクセレントをスコアすることは大きなアドバンテージとなる。

 

しかし、優先権のないトリードはポイントの奥にポジショニングし、小振りながらウォールになる波をキャッチし、6.83をスコア。その後は優先権を気にせずにミドルから乗りまくるトリード。ノーズピック・リバースでワイプアウトするもカノアを捕らえ、逆転に成功する。

 

とはいえ、エクセレントを持っているカノアのニードスコアは3.66。ワンライドで逆転できるが、ここまで波数が少ないと、スコアリング・ウェイブを掴むチャンスは多くない。2本目でどこまでスコアを上げられるかがカノアの勝利の鍵だ。再びセットは入らず時間だけが過ぎていく。

 

フィリッペ・トリード© WSL / Ryder

 

そんな中で再びトリードが波を掴む。インサイドの掘れ上がってくるセクションで物凄いパワーハックを見せて、それがなんと8.50。

 

カノアは残り時間5分でニード7.34と追い込まれてしまう。しかしカノアは波を待ち続け、沖を見つめる。残り2分。ようやく待ちに待った波が入って来た。

 

テイクオフのポジションを見極めて、カノアがすっと立ち上がる。板を踏み込むようにスピードを付けながらボトムに降りて、一気にトップへ。いつものスナップより力が入る。

 

そして、早いセクションを高速で潜り抜けて、素早いチェックターンからバレルにプルイン。しかし無情にも出口は崩れ落ち、カノアはホワイトウオーターに飲まれた。

 

 

再びカノアがラインナップに戻った時にはタイムアップとなり、敗退を受け入れることとなった。確かにイエロージャージを着る、いまのトリードを倒すことは並大抵のことではない。

 

しかし、駆け引きの中でカノアにも勝利のチャンスが巡ってきた。そのチャンスを生かしきれなかったのが非常に残念だが、この経験がカノアをさらに強くすることだろう。

 

今シーズンのベストリザルトとなった今回の成績は、このJベイで2年連続の3位という結果。次のタヒチで行われる最終戦につながる素晴らしい試合となった。

 

WSLオフィシャルサイト

Jeffreys Bay, Eastern Cape, South Africa