WSL-CEOのエリック・ローガンが3度の世界チャンプ、ガブリエル・メディーナのジャッジ批判に対し正式コメント

WSL CEO Erik Logan. Photo: WSL/Cait Miers

プロスポーツの代表的な運営者が、競技者からの呼びかけに対して正式な声明を出すことは、そうそうあることではない。WSLの今回の騒動は、今やメインストリームのメディアからも注目を集め、収拾のつかない状況に陥っている。

 

この状況を打破するために取った行動にしては、如何なものか。火に油を注いだような形になってしまっている。

 

今回の騒動は、3x世界チャンピオンのガブリエル・メディーナが、WSLのジャッジパネルに対して「ジャッジの不明瞭さと一貫性のなさ」を叫んだことから始まった。その後、メディーナのブラジルの同胞であるイタロ・フェレイラとフィリッペ・トリードがその主張を支持し、再燃した。

 

 

ガブリエル・メディーナ、サーフランチでのWSLのジャッジ基準に疑問を投げかけるSNS投稿が大きな波紋に

 

 

以下は、メディーナの呼びかけに対するWSL CEOのエリック・ローガンの反論である。

 

 

 

「WSLコミュニティの皆さんへ、

 

先日のサーフ・ランチでのチャンピオンシップ・ツアー・イベントの後、私たちのコミュニティで起こった議論について述べたいと思います。ご存知のように、少数のアスリートが、大会のジャッジと最終結果に疑問を呈する発言をしました。


私はこれらの発言に直接応えたいと思いますが、まずはもっと重要な問題に取り組む必要があります。

 

ここ数日、これらの発言の直接的な結果として、多くのサーファー、WSLのジャッジ、およびスタッフが、嫌がらせ、脅迫、および殺害予告を含む暴力の脅威にさらされています。

 

言葉には結果が伴うということを、私たち全員に思い起こさせる重要な出来事です。WSLコミュニティ全体が、あらゆる形態のハラスメントや脅迫を拒否するために、私たちと共に立ち上がることを願っています。

 

このような発言について、私たちは、当社のコンペティションのジャッジがいかなる意味でも不公平または偏ったものであるという指摘を完全に否定します。これらの主張は、何ら根拠がありません。

 

まず、ジャッジ基準は各大会に先駆けて選手に提供されます。その際、すべてのアスリートがジャッジ基準について質問する機会がありました。これらの発言をした選手の中で、サーフランチ・プロでこの機会を利用した者はいません。

 

第二に、我々のルールでは、どの選手もジャッジと一緒に、どんな波のスコアリングも確認することができ、ジャッジと一緒にどのようにスコアリングされたのか、より詳細な説明を受けることができます。

 

このプロセスは数年前から実施されており、ジャッジングプロセスに透明性を持たせるためにサーファーと協力した結果である。サーファーが適切なプロセスに関与せず、代わりにソーシャルメディアで不満を爆発させることは容認できず、リーグのポリシーに反する行為なのです。

 

サーフランチ・プロでは、多くの選手がプログレッションやバラエティといった要素でポイントを獲得しており、これらがジャッジ基準に考慮されていないというのは、単に間違っているとしか言いようがありません。

 

さらに、私たちのルールはシーズンを通して一貫して適用されており、今シーズン、同じルールに疑問を抱いているアスリートが優勝したイベントも含まれています。

 

サーフィンは進化し続ける主観的なスポーツであり、私たちは、私たちのスポーツの進歩や、私たちの競技を判断するために使用される基準について、確固たる議論を歓迎します。

 

しかし、サーファーと同様にエリートプロであるジャッジの誠実さを疑うことは、いかなるアスリートにとっても容認できることではありません。」

 

 

 

この声明文はWSLのオフィシャルサイトに掲載されているもので、そこにはエリックに対する反論の声も多数書き込まれており、事態は沈静化するどころの騒ぎではなくなってきている。

 

この件は多くのアスリートが動揺している、 イーサン・ユーイングは、クオーターファイナルでガブリエル・メディーナと対戦し、勝利したが、その後、ソーシャルメディア上で殺害予告を受けた。このことが、今年の残りの試合にどのように影響するかは非常に気になるところだ。

 

次のイベント、6月9日から18日にかけてキックオフされるサーフシティ・エルサルバドルプロでは、通常通りに試合を行うことができるのだろうか。また多くのCTサーファーが出場するISAの試合にも影響が出ることも考えられる。

 

これまでWSLに対する誹謗中傷などに対してWSLは、選手に対し出場停止処分を課せるケースもあったが、今回そんなことは世論が許さないであろう。1日も早く事態を収束させるためにはWSL側の新たな対応が求められている感じだ。

 

 

 

https://www.worldsurfleague.com/posts/517028/letter-from-wsl-ceo-erik-logan-to-the-wsl-community