フランスが完全制覇。日本6位。浜瀬海と吉川広夏は個人7位。ISAロングボード世界選手権大会最終日

完全優勝のチームフランス

サーフシティ・エルサルバドル – 2023年5月13日

2023年サーフ・シティ・エルサルバドルISAワールド・ロングボード・チャンピオンシップ(WLC)のファイナルデーは、4~5フィートの安定したスウェルで、ロングボード世界チャンピオンを決めるのに理想的なキャンバスを提供。

 

 

 

フランスは、アリス・リモインとアントワン・デルペロがそれぞれ2個目と3個目の金メダルを獲得し、ISAロングボードの支配を続け、チームを歴史的な3度目の金メダルに導いた。アリス・リモインは、女子初の2度目の金メダルを獲得、デルペロは、ISAロングボードで6度目のメダルを獲得し、その記録をさらに更新した。

 

アントワン・デルペロ(FRA)Credit: ISA / Pablo Franco

 

ファイナルデイの序盤は、アントワンの弟エドゥアール・デルペロ(FRA)とマリア・フェルナンダ・レイエス(PER)に勢いがあり、コンビネーションでの圧倒的な勝利でグランドファイナルへ勝ち進んだ。

 

アリス・リモイン Credit: ISA / Jersson Barboza

 

しかし女子グランドファイナルでは、アリス・リモインが力強いスタートを切り、レイズとの激しい競り合いにもかかわらず、その勢いを止めることなく圧勝。 レユニオン島出身の金メダリストは、2日間にわたる緊迫したヒートの後、再びワールドチャンピオンのフォームを手に入れた。

 

アリス・リモイン Credit: ISA / Pablo_Jimenez

 

「このスポーツが大好きなんです」と言ったリモイン。「2度目のワールドチャンピオンになれて、本当にうれしいです。フランス、レユニオン島のためにこのメダルを獲得できたことをとても誇りに思います。夢が叶ったような気分です。


「ロングボードは世界で最も美しいスポーツの1つだと思います。ボードの上で踊っているようなものです。そのフロー、コネクション。すべてのアスリートがオリンピックに行き、私たちの美しいスポーツを代表することができれば素晴らしいことだと思います。」

 

アントワン・デルペロ Credit: ISA / Pablo_Jimenez
アントワン・デルペロCredit: ISA / Jersson Barboza

 

男子ファイナルでは、カルロス・バヒア(BRA)が8ポイントのライディングで優位に立った。アントワンは、ファイナルにおけるラストライディングで銅メダル圏内から一気に金メダルへと駆け上がり優勝。

 

バヒアは銀メダル、エドゥアールは銅メダルとなり、フィリピンのロジェリオ・エスキベル・ジュニアはトラディショナルなロングボードサーフィンを披露してカッパーメダルを獲得した。

 

「信じられないような気分だよ」とアントワンは言った。「この1週間、ヒート、ヒートと常に考えていたけれど、最後に金メダルを獲得すると、全てのプレッシャーから解放されるような気分です。

 

ISA世界選手権は、チームメイトと一緒に参加するため、いつも良い経験になります。他の大会では、自分一人で参加するため、全く違うものになります。チームと一緒だと、別のエネルギーが自分を高めてくれるんです。」

 

フィリピンのジェリオ・エスキベル・ジュニアが4位入賞 Credit: ISA / Jersson Barboza

 

エスキベルのパフォーマンスは、フィリピン代表の歴史的な活躍を締めくくった。彼の銅メダルとチームの銅メダルは、フィリピンにとって初のISAメダルである。


「メダルを獲得できたことは、自分にとっても嬉しいことですが、特にフィリピンにとっては嬉しいことです」とコメントしたエスキベル。「次の大会が楽しみです。もっと練習して、次回はもっと強くなって戻ってきます。」と言った。

 

 

ISA会長フェルナンド・アギーレ氏は言った:

「史上最高のロングボードサーフィン大会が開催された、素晴らしい1週間でした。エルサルバドルのの継続的なサポートと素晴らしいホスピタリティに感謝します。素晴らしい波と暖かい天候に恵まれた、素晴らしい1週間でした。

この1週間は、いかに多くの信じられないほど才能あるアスリートが国際的なロングボードコミュニティの一員であるか、そしてそのコミュニティが常に成長し、世界の新しい地域へと拡大していることを証明しました。

2028年のLAオリンピックでロングボードが採用される見通しに、とても興奮しています。この素晴らしいスポーツはオリンピックにふさわしいものであり、それが実現するのを待ちきれません。」

 

 

ロングボードがオリンピック

吉川広夏 Credit: ISA / Pablo Franco

 

明らかになってきたロングボードのオリンピック話。今回のイベントと重なるようにダクトテープ・インビテーショナルがブラジルで開催された。それは世界のトップロガーが集まるお祭りのようなものだ。

 

ショートボードでも、オリンピック決定以前は、WSLで活躍する選手などはISAの試合には出ない風潮があったが、オリンピック予選として格付けされ、ISAに出場することがオリンピック出場資格に加えられたため、イベントは大いに盛り上がるものとなった。

 

今回の試合も素晴らしい波で、ハイレベルなロングボードサーフィンが披露されたが、WSLで活躍する選手や世界的に人気の高いサーファーはダクトテープ。という図式。これから正式にオリンピックという話になってくると、色々と変わってくるのだろう。ただショートボードより、コンペ志向の弱いロングが、どこまでオリンピックを受け入れるかはわからない。

 

ただ、ショートボードのオリンピック時も賛否両論あったが、世界的にオリンピックを目指すサーファーは確実に増えており、オリンピックの競技サーフィンは受け入れられている。

 

 

浜瀬海と吉川広夏は個人7位。

 

今大会でファイナルデイに残った浜瀬海と吉川広夏。この長丁場のISAにおいて、それだけでも厳しい状況のなか、日本では経験できないような高さの波での試合は本当に体力を消耗したに違いない。長時間ライディングし、長距離をパドリングしてハードな戦いを強いられた。

 

そんな中でも最大限のパフォーマンスを披露したチームジャパンの活躍に感動した。本当に頑張った。お疲れ様でした。感動をありがとう。

日本チーム  Photo: Pablo Franco

 

ファイナルデイ。リパチャージ7で浜瀬は、ピッコロ・クレメンテ、ロドリゴ・スファイアー、ジョアオ・ダンタスという濃い面子と対戦。浜瀬はスタートから6.00をスコアして2位のポジションに。

 

浜瀬海 Credit: ISA / Pablo Jimenez

 

残り時間5分を切り、さらにバックアップを5.60としてトップに躍り出る浜瀬。しかし、終了間際のセットでピッコロが、8.27、ロドリゴが7.40をスコアして大逆転。浜瀬は惜しくも3位となり、今大会7位でフィニッシュとなった。

 

吉川広夏 Credit: ISA / Jersson Barboza

 

吉川は、アタランタ・バティスタ 、セバ・ジャラード 、ケイトリン・ミケルセンと対戦。吉川も最後までバトルを繰り広げた。ヒート終盤2位のポジションにつけていた吉川。しかし、3位の差は僅かだった。

 

残り1分で、しっかりとセットの波を掴んだ吉川はインサイドまでつなぎ、4.30をスコアしてバックアップを上げリードを広げた。しかし、ワンライドで4位だったアタランタがラストライドでまさかの5.23で2位に浮上。吉川は3位となり、7位でフィニッシュとなった。

吉川広夏  Credit: ISA / Jersson Barboza
吉川広夏  Credit: ISA / Jersson Barboza

 

今大会では日本人選手には不慣れなビッグコンディションでの戦いを強いられる中で大健闘。それでも浜瀬と吉川は個人7位で日本を団体で6位まで押し上げるに貢献。オリンピックに向けて、更なる活躍を期待したい。がんばれ!日本!

 

 

結果

女子
金メダル:アリス・リモイン(FRA)
銀メダル:マリア・フェルナンダ・レイエス(PER)
銅メダル:クロエ・カルモン(BRA)
カッパー :ゾーイ・グロスピロン(FRA)

男子
金メダル:アントワン・デルペロ(FRA)
銀メダル:カルロス・バヒア(BRA)
銅メダル:エドゥアール・デルペロ(FRA)
カッパー:ロジェリオ・エスキベル・ジュニア(PHI)

チーム・フランス Credit: ISA / Pablo Franco

チーム
金 – フランス
銀メダル:ブラジル
銅メダル – ペルー
カッパーメダル – フィリピン
日本:6位

■大会中の情報

ISA HP  https://isasurf.org/event/2023-surf-city-el-salvador-isa-world-longboard-surfing-championship/

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