JPSA2023 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ショートボード第1戦「さわかみ 種子島プロ」はDAY-4。7日からロングボードから始まり、続いてショートボードのプロトライアル、シニアプロを行い、今日がショートボードの最終日。男子のセミファイナルからスタートして、男女とも決勝を行った。
今日の会場は快晴。風は弱いサイドオフで面はキレイ。セット間は長いものの、待てばコシハラの波が入る。沖からのセットを上手くつかんで技数入れたもん勝ち。あとはインサイドでどれだけ手数を出せるかで、スコアに差が出る結果となった。
まずは男子から。セミファイナル H-1は加藤翔平 vs 金沢呂偉。
このヒートは加藤が、昨日のように先行逃げ切り作戦でスタート。リズミカルに波をつかんで、1本目に4.50ポイント。
ヒート10分で5本目に7.50ポイントを出し、トータル12.50ポイントでリード。ここから加藤が優先権を持ち、金沢にプレッシャーをかけるように横に並ぶ。
金沢は波を探すもセットはつかめず、インサイドの波でポイント加算するも得点は伸びず。このまま試合が終了し、加藤の決勝進出が決定。
H-2は西慶司郎 vs 須田喬士郎。
このヒートは西の戦略勝ち。波が入る保証が無いと踏んで、前半で固める作戦。右に左に波を追いかけて、優先権が無くても、コンスタントに当て込んで得点を重ねる。
これで須田にプレッシャー。須田は一発逆転するにはエクセレントを出すしかなく、今の波の状況ではそのセットは来ず。そのまま成す術もなくここで敗退となった。
決勝は加藤翔平 vs 西慶司郎。
2人とも先行して逃げ切りたい作戦だから、試合はすぐに動いた。まず西がバックサイド3発で4.00ポイント。加藤も3本目にインサイドでエアーリバースで5.20ポイントとやり返す。西はインサイドでのショートライドでもコンパクトにヒットさせて6.50ポイントでリード。
加藤はニード5.55ポイントとなり、追い込まれる形に。残り7分で加藤がセットをつかむとバックサイド連続ヒットで、なんと6.00で逆転。西がニード5.71ポイントとなり、立場は逆転。
このまま加藤の初優勝かという雰囲気が出始めた1分前に試合は動いた。優先権を持った加藤が突き放しに賭け、インサイドでエアリバを仕掛けて成功。終了20秒を切ったところで、今度は西がフルレールのバックサイド2発を叩き込んでタイムアップ。
ジャッジの裁定は、加藤のエアリバに4.40。なので、西のニード5.71は変わらず。そして、西の得点が何と6.50ポイント!大逆転という劇的な幕切れとなった。
西慶司郎、奇跡の逆転劇。
「気持ち良いですね。最初は自分がリードして、ヒートを引っ張る立場だったんですけど、加藤翔平くん、ここまで勝ち上がってくるだけあって勢いもあって、サーフィンも凄く上手かったんで。1本乗らせたら、絶対に(スコアを)出されると思っていました。
ちょっと隙を突かれて、1本乗られて2番に回ってしまったんですけど、最後まで自分の『動き続ける』というものからブレずに攻めて。最後1本拾えたんで良かったです。」
残り20秒に掴んだ大逆転勝利の波については、
「波が来たのは全然わからなかったですね。パッて岸を見たら、仲間たちが『沖だぁ!』ってやっているから、え?って感じで。そしたらバッキーってセットが来ちゃってて。「うぉー! 来ちゃった! 勝ったなって思いました。 今回は動くと決めて、ずっと試合をやってきたんで、自分的にも、こういう戦い方があるんだなって勉強になりました。」
続いて女子。セミファイナルのH-1は野中美波 vs 川瀬心那。
ここは経験の差なのか。野中が動いて波を見つけるも、川瀬は波を選びきれない。野中はセットもインサイドブレイクも丁寧に板を蹴り返す。このヒートで野中が出した8.50ポイントが今日のシングルハイエスト。ここは野中の貫禄勝ち。
セミファイナルH-2が川合美乃里 vs 中塩佳那。
どちらも波に乗れば点数が出せるから、波をつかんだもの勝ち。2人とも手こずりながら、技数を出して仕掛ける。ここは僅差の戦いとなって、見栄えの良いセットをつかんだ川合が勝利。中塩は演技が単発すぎたか。これでJPSA連勝記録もストップとなった。
決勝は野中美波 vs 川合美乃里。
上げいっぱいの状況で、波の入るところも限られる。2人とも右奥から、時折正面に移動して演技を試みる。前半はお互い、5、6点台の攻防で一進一退。
しかし、野中がまたもやエクセレントライドの8.25を出して、トータル14.75ポイントとして、川合を突き放す。これが今日のトータルハイエスト。川合もミドルから体格を活かしたスピードある大きな演技で、7.50ポイントを出すもニードには届かず。最後まで野中がリードを守ったまま、逃げ切った。
「さわかみ 種子島プロ」結果
男子
優勝:西慶司郎(¥740,000)
2位:加藤翔平(¥360,000)
3位:金沢呂偉、須田喬士郎(¥210,000)
女子
優勝:野中美波(¥320,000)
2位:川合美乃里(¥150,000)
3位:川瀬心那、中塩佳那(¥85,000)
※ 表彰のプレゼンターは、さわかみグループ代表 澤上龍 氏
いつもと違う自分を見せれた。野中美波
野中美波
2年連続でWSL CS(チャレンジャーシリーズ)に参戦する野中美波。やはり、この一年の経験が彼女を強くした。これまでに得た自信が、この結果にも現れている。優勝おめでとう!そして、今シーズンは海外中心に転戦となるために、JPSAは不参加の意向。
今回、野中にとっては2019年ぶりの(伊豆・下田)JPSA優勝となった。
「やっと優勝出来て、凄く嬉しいです。凄くいい試合だったなと思います。自分も6.50、8.25と出して、みのりちゃんも7.50とか凄いスコアを出してきて、最後の最後まで気の抜けない、緊張感のある試合で、良い試合でした。
今回のJPSAでは、いつもと違う自分を見せれたかなと思います。今回学んだことを次のチャレンジャーシリーズで活かせるように頑張ります。」
加藤翔平
あと一歩のところで、優勝が手からこぼれた。でも、金沢、西と戦って、この結果は立派。実力は伸びているだけに、あとは試合運びを学ぶことか。
須田喬士郎
セミファイナルで敗退となったものの、今までの戦歴でベストリザルト。今大会で得たものは大きいはず。そして、何が足りないかもわかったことだろう。この悔しい敗退は、次に繋げるステップとなる。ガンバ!
今回は須田喬士郎のコーチを森友ニが務める。さらに試合終わりには、同じBeWetチームの加藤嵐からもアドバイス。
今日のAbemaライブのゲスト解説者は地元、種子島の須田那月プロ。これにnicoさん、水野亜彩子プロという布陣。
今大会は種子島ということもあり、地元の須田那月プロの引退会見。JPSAからは花束贈呈。
ジャッジのコールでがっくしの、加藤翔平。
メンズ ファイナルの最後の演技は逆転がかかっているから、何度もリプレイを見て確認。
日本最高峰のプロサーフィン大会をABEMA独占で生中継!
【ABEMA LIVE配信URL】
■4/10 (月) 大会1日目
https://abema.tv/channels/world-sports-4/slots/A2FCS7seYRrL7q
■4/11 (火) 大会2日目
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■4/12 (水) 大会3日目
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■4/13 (木) 大会4日目
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JPSAオフィシャルサイト:http://www.jpsa.com/
※波のコンディションや進行状況により変更されることがあります。大会当日は随時、会場インフォメーションを確認してください。
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