世界で最も有名なサーフィンイベントであるパイプ・マスターズは、1971年の初開催以来、50年以上にわたって冬のハワイで開催され、主力イベントであると同時に進化の原動力となってきた。
パイプ・マスターズは、その歴史の中で様々な形を取ってきた。1976年のプロツアー・デビューシーズンに開催されたシングルヒート・サーフオフに始まり、プロツアーから独立して開催されることもあれば、世界チャンピオンを決定することもあり、1983年にはサーフィンのトリプルクラウンとしてデビューし、52年間、偉大なサーファーのキャリアを決定づける舞台として存在し続けてきた。
1997年、パイプ・マスターズの創設者であるフレッド・ヘミングスとディレクターのランディ・ラリックは、パイプ・マスターズとトリプルクラウンの両方の所有権をVansに譲り、以来、Vansが両名門イベントのIPホルダーとして活動している。
近年はワールド・サーフ・リーグにライセンスされていたが、Vansは2022年12月にパイプ・マスターズの新時代を切り開き、ハワイをはじめ世界中から世界最高の男女チューブライダー、そしてエアリアリストを招いたグローバル・スペシャリティ・インビテーショナルとして開催する。その名も「Vans パイプ・マスターズ」。
今回のイベントでは、WSLなどの試合とは異なった独自のルールが採用され、ジャッジ・クライテリアも変更され、バレルライド以外もマニューバーやエアリアルも評価される。男女の優勝者はそれぞれ10万ドルと、サーフィン界で最も権威のあるタイトルを手にすることになる。
フォーマットは４人ヒート・フォーマットでうち２名がハワイアン。全ての選手が３ヒート（ラウンド）を戦って、そのうちのベスト３ウェイブの合計で競い合う。そして、男女ともトップ４がファイナルに進出。４５分ヒートでパイプ・マスターの称号をかけて戦う。
そこにはプライオリティがなく、激しいパドルバトルが予想される。ある意味では、ローカル色の強いバックドアシュートアウト的な要素も組み込まれた、エキサイティングなイベントになりそうだ。
これまでパイプ・マスターズの出場選手は90パーセントがCTサーファーで10パーセントがワイルドカードだったが、今回は20パーセントがCTサーファーで、80パーセントがノンCTサーファー。女子も10名のハワイアン・サーファーと10名のノン・ハワイアンサーファーで２０名が出場。
そしてバンズ・パイプ・マスターズ招待者リストも発表され、日本の伊東李安琉が名誉あるパイプマスターズの招待者リストに加えられた事が分かった。２０２２年のバックドアシュートアウトでは素晴らしいパフォーマンスを見せ、タヒチでも素晴らしい映像を残した伊東李安琉の活躍に期待したい。また、来年のCT入りが決まったインドネシアの和井田理央も参加予定。
女子招待選手２０名
カリッサ・ムーア、ステファニー・ギルモア、モアナ・ジョーンズ-ウォン、ココ・ホー、ゾーイ・マクドゥーガル、ベティ・ルー・サクラ・ジョンソン、タティアナ・ウェストン-ウェブ、マリア・マニュエル、プア・デソト、ベサニー・ハミルトン、エイリアン・ヴァースト、ケイティ・シマーズ、シエラ・カー、タイラー・ライト、ベラ・ナル、ヴァヒネ・フィエロ、マルヒア・キニマカ、ルアナ・シルバ、ソフィー・ベル、ローラ・エネバー
男子招待選手
CTサーファー：ジョン・ジョン・フローレンス、フィリッペ・トリード、ジャック・ロビンソン、イタロ・フェレイラ、セス・モニーツ、バロン・マミヤ、ガブリエル・メディーナ、ケリー・スレーター。
ハワイアン招待選手：ビリー・ケンパー、コア・スミス、メイソン・ホー、ネイザン・フローレンス、アイヴァン・フローレンス、シェイデン・パカロ、イーライ・ハンネマン、マカナ・パング、コア・ロスマン、イーライ・オルソン、セス・モニーツ、バロン・マミヤ、ジェイミー・オブライエン、マット・メオラ、ノア・ベシェン、イマイカラニ・デボルト、ジャクソン・バンチ、カラ・グレース、カウラナ・アポ
ブローインズ：トッシュ・テューダー、アイメオ・チェルマク、カウリ・ヴァースト、バララム・スタック、ニック・ヴォン・ラップ、ジョアン・チアンカ、アル・クレランドJr、クロスビー・コラピント、伊東李安琉。
ミスフィッツ ：マット・メオラ、和井田理央（CT2023）、クレイグ・アンダーソン、マイキー・フェブラリー、ハリー・ブライアント、ノア・ディーン、バンズ・スタブハイ・ウィナー。
2022年のVans Pipe Mastersのイベントウィンドウは12月8日から20日。VansPipeMasters.com、Stabmag.com、YouTubeでライブアクションを見ることができる。
