QS1000「ASIA OPEN」稲葉玲王と脇田紗良がQS初優勝。男子4名のCS選手が確定。大会最終日ハイライト

文、写真:山本貞彦  WSL QS1000 Men’s & Women‘s「ASIA OPEN Presented By Parasol」は本日が最終日。男子、女子とも決勝まで行うとコールされた。

 

 

昨日の嵐から一転、暖かい朝になった志田下ポイント。風はサイドオフで、波は肩頭でセットが頭オーバー。ここまでの中で一番良いコンディションではないだろうか。

 

ただ、サイズはあるものの、パワーはあまり無い。ミドルでダラダラとなることから、波選びも重要となった。

 

稲葉劇場はドラマチックな幕切れに。

 

田中樹コーチ率いる、チーム稲葉

 

まずは男子から。今日のトピックスは稲葉玲王に尽きる。いつもより身体がデカいなと感じたけど、田中樹コーチ曰く「今回は体は絞らせていません。千葉なんで。外国で戦うのにもこのデカさは必要です。」との返事。

 

稲葉玲王

 

やはり、パワーを出すために身体をデカくしたことが、今回の試合にうまくハマった。鴨川の強化合宿では波の無さにギブアップだったものの、今日のコンディションなら問題ない。

 

大原洋人

 

やはり、一番なのはQFの大原洋人との戦い。洋人がいつものペースで仕掛けるも、玲王は全く動じず、自分のサーフィンに集中した。波にパワーがないからこそ、自らのパワーでスピードつけてスプレーを飛ばす。ノリノリでチューブにレイバックと波へのアプローチも完璧だった。

 

稲葉玲王

 

残り5分を切って洋人はニード5.91ポイント。洋人には簡単に逆転できるポイント。玲王は最後まで手を緩めない。

 

1分を切ったところで、洋人が入ったセットにアプローチするのを見るや、プライオリティを使って阻止。そこからノートリムのバックサイドリエントリーを2発入れ、フィニッシュで胸を叩いてアピール。

 

大原洋人のラストライド

 

洋人も残り30秒を切ってテイクオフ。リエントリーからフローターで波を繋ぎ、当て込んで最後はレイバックで逆転をアピール。

 

大原洋人はここで破れ、CS出場を逃すこととなった。

 

結果はヒート終了後。まず玲王のポイントが8.00ポイントとコール。これで、洋人のニードは8.25ポイントに上がる。続いて、洋人の得点は7.50ポイントで逆転ならず。これで志田の地元対決は稲葉玲王に軍配が上がった。

 

 

QSと志田での初優勝。

 

これぞレオのパワフル・バックハンド
レオの十八番のフロントサイド・インディエア・リバース

 

ここからが稲葉劇場。セミでは脇田 泰地とエクセレントのたたき返し対決を制し、決勝では村上舜も撃破して、QSと地元での初優勝を決めた。この3人に村上蓮、都筑百斗が加わって「Mobb」というチームの同士。

 

フリーが好きな仲間がコンペでも強さを見せるようになったことは、彼らが本物になった証拠。これからの更なる活躍に期待大だ。

 

今日もお揃いTシャツで稲葉玲王を応援。

 

玲王は勝ち上がるごとに強さを見せた。何をやっても決まると言う自信。俗に言う「ゾーンに入った」状態だったんだろう。セミではフィニッシュを決めるごとに笑顔を見せた。楽しんだろうなー。本当に優勝おめでとう!

 

 

稲葉玲王
「みんなが応援してくれたお陰で優勝できました。ありがとうございます。さっきまでの波とは変わっていて。でも前半にスコアを作れたんで良かったです。志田で初優勝、QS初優勝です。チャレンジャー・シリーズ(CS)は通過点で、CS行ってからが勝負だと思うので、しっかり勝ちたいと思います。」

 

 

脇田紗良がQS初優勝

 

兄の泰地とアムちゃんに担がれる紗良

 

続いて女子。脇田紗良がこの大会では頭一つ抜けた安定感で、大会を制した。まずは先攻でリズムを作る。これができると紗良は誰にも止められない。ましては最初にグッドスコアでも出ようものなら、あとは攻め攻めでポイントを伸ばしてくる。

 

脇田紗良

 

気合が入ったのが決勝の都筑有夢路とのマッチアップ。都筑はどんな状況でも逆転できるだけのスキルがあるから、常に駆け引きをしながらの試合運び。

 

都筑有夢路

 

脇田が試合をリードするも、やはりここぞというところで、都筑が9.00のエクセレントを叩き出す。でも、ここで引かないのが今の脇田。波に合わせて高さのあるロールインで8.00ポイントでやり返す。

 

 

ファイナル後に互いを称え合う紗良とアムちゃん

 

脇田はレールの使い方が上手くなったことで、スピードを殺さずに技を仕掛けることができるようになった。パワーは都筑に分があるものの、そのスピードでは負けない。最後まで自分のサーフィンが出せたことが勝因だった。QS初優勝おめでとう!

 

脇田紗良
「アムちゃん(都筑有夢路)が相手だったので、エクセレントを出さないと優勝できないなとは分かっていたので、8点を出せたんですけど、そのあとアムちゃんが9点を出して、そのアナウンスを聞いている時がビーチを走っている時だったので、焦りも出ていました。そんな中で勝てて本当にラッキーでした。初のQS優勝で嬉しく思います。これからも試合が続くので、気を抜かずこれからも優勝できるように頑張ります。」

 

 

WSL QS1000 Men’s 「ASIA OPEN Presented By Parasol」

優勝:稲葉 玲王
2位:村上 舜
3位:上山 キアヌ 久里朱、脇田 泰地

WSL QS1000 Women‘s「ASIA OPEN Presented By Parasol」

優勝:脇田 紗良
2位:都筑 有夢路
3位:野中美波、松永 莉奈

副賞として。優勝者にはZIPAIR様からハワイへのペア往復航空券。2位、3位には一宮町稲作研究会が作ったお米が贈られた。

 

 

男子のWSLチャレンジャー・シリーズへの出場権獲得者

 

男子のWSLチャレンジャー・シリーズへの出場権獲得者

稲葉 玲王、村上 舜、上山 キアヌ 久里朱、脇田 泰地の4名。

 

男子のアジア枠6名のうち、日本3枠、インドネシア2枠、ワイルドカード1枠が内訳。今日の時点でAPACオフィスが、当初3名だった日本枠にワイルドカード枠1名を足して、4名にすると発表。これで、セミファイナル進出者の4名が自動的に出場権を獲得することになった。

 

 

3名までだった場合、セミで敗退した2人で3位決定戦をやるか。もしくは、やらない場合、セミで敗退した選手の獲得したトータルポイントの差で決めるか、ハイポイントで決めるのか。それとも、昨年までの順位で決めるのか。ここは公平にするのが難しい。なので、今回、ワイルドカード枠を使って、4名にして選考を避けた形だ。

 

 

これで5月7日からオーストラリアのゴールドコーストで始まるチャレンジャー・シリーズに男子は稲葉 玲王、村上 舜、上山 キアヌ 久里朱、脇田 泰地の4名、女子は野中 美波、都筑 有夢路、松永 莉奈、脇田 紗良、松田詩野の5名が参戦する。

 

最終日には多くの観客も集まった。感染対策しながらの観戦。

 

村上舜
鈴木仁と対したQFでは、ラストウェイブでエクセレントの8.00をスコアして大逆転勝利。上山キアヌと対したSFでは、さらに調子を上げる村上は、エクセレントの8.50を含むヒートスコア15.75でコンビネーションで圧勝。

ファイナルではゾーンに入った稲葉と対戦した村上舜。そんな稲葉の勢いを止めることはできずに準優勝。それでも今回の目標であったCS枠を手に入れて、今シーズンも活躍に期待がかかる。

上山 キアヌ 久里朱
2018年のISA世界ジュニア選手権には、U-18日本代表として出場して優勝し、金メダルを獲得。しかし2020年10月の大会中に骨折し、そこから復活。今大会では、好調に勝ち上がりQFでは田中大貴を下してSF進出。 CS出場権を獲得した。

脇田 泰地
QFは、昨年のJPSA最終戦のリマッチとなり、宿敵である西慶司郎と対戦。好調なバックハンドサーフィンで再び西を破ってラウンドアップ。SFではエクセレントの8.15をマークするも、今回優勝の稲葉に一歩及ばず、3位でフィニッシュ。それでも妹の紗良とともにCSのツアー戦を戦うチャンスを手に入れた。

都筑有夢路
今回準優勝の都筑。静波のジャパンオープンに出場後、CT第1戦のトライアルで4月頭からオーストラリアへ。
3位入賞の野中美波。今回の目標の一つであったCS枠を獲得。CS2年目の活躍に期待したい。
松永 莉奈も3位でCS枠を獲得。「SFでは自分のサーフィンが出来ずに負けてしまい悔しいですが、CSでは自分のサーフィンができるように頑張ります」とSNSでコメントした。

 

 

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