脇田泰地と都築虹帆がJPSA初優勝。西慶司郎と松岡亜音がグランドチャンピオンを獲得。ALL JAPAN 田原プロ

文、写真:山本貞彦  11/15-19 JPSA「さわかみチャレンジシリーズ ALL JAPAN 田原プロ -Challenge III-」大会4日目。ショートボードは最終日で、ロングボードは今日から明日の日程でスタート。

 

本日は曇り時々晴れ。風は変わって、北東サイドに振った。朝から波のサイズは腰腹とまずまずのサイズ。ダブルバンクでAバンク(左)でロングボード。Bバンク(右)でショートボードの男女とも決勝まで行った。

 

 

まずはショートボードから。
男子クォーターファイナルで西慶司郎が仲村拓久未を破り、セミに進出したことでグランドチャンピオンが確定。この勢いのまま決勝に進出。相手は今大会、キレにキレている脇田泰地。

 

脇田泰地
西慶司郎

 

決勝では終始攻めていた脇田がリード。西も追い上げるも、終了間際にプライオリティーインターフェアを犯し、最大のピンチ。そのままタイムアップで脇田が初栄冠を手に入れた。

 

 

女子のグラチャン候補の須田那月が決勝進出するも、松岡亜音がなんとセミで敗退。これで須田が優勝すれば、グランドチャンピオンが転がり込む。決勝の相手は地元の都築虹帆。

 

 

都築虹帆
須田那月

 

都築はローカルナレッジと落ち着いた試合運びで、その須田を撃破して優勝。須田は2位となり、グランドチャンピオンは松岡亜音に決まった。

 

 

グラチャン争いには絡まない浜瀬海。マイペースでラウンドアップする

 

 

続いてロングボード。今日は男子がラウンド2まで、女子がラウンド1まで行って終了。明日までのスケジュールということもあり、マンオンマンでやる予定だったヒートは全て4人ヒートに変更。そのかわり、明日はワンバンクに戻し、試合を進行することになった。

 

AMシードの男子は木村雅彦、酒井達矢、篠塚昇に女子は櫻庭 志乃。ラウンド1を勝ち上がれば公認プロ資格を獲得できるが、結果は全員4位で敗退。プロの壁は厚かったか。

 

 

まさかの敗退となった堀井哲

 

さて、ロングボードのグランドチャンピオン争い。

現在のランキングトップの堀井哲がなんとラウンド2で敗退。3位の森大騎は怪我でレイトエントリーとなり欠場となった。よって、2位の塚本将也、4位の西口京佑、5位の秋本祥坪、6位の井上鷹の4名に可能性が残っている。

 

井上鷹

 

アジャストすると1戦欠場しても、現在6位の2019年のグラチャンである井上鷹が有利なポジション。ただ、グラチャンを取るために、全員がQF、SFを確実に勝ち上がり、ファイナルでの勝負に持ち込みたいところだ。

 

 

塚本将也

 

  • 井上鷹がQFで敗れ、9位か13位になった場合、西口と秋本は2位以上が必要。塚本は決勝進出が必要。
  • 井上鷹がSFで敗れ、7位になった場合、西口は優勝、秋本は2位以上が必要。塚本は決勝進出が必要。
  • 井上鷹が SFで敗れ5位になった場合、西口と秋本は優勝が必要。塚本は決勝進出が必要。
  • 井上鷹が決勝に進出した場合、西口と秋本は優勝が必要。だが、井上が4位の条件付き。塚本は井上より上に入ればグラチャン獲得となる。

誰にもチャンスがあるということで、男子は混戦状態か。

 

吉川広夏
吉川広夏

 

逆に女子は、吉川と田岡の一騎打ち。必ずファイナルまで勝ち上がる2人だから、今回も間違いなくファイナル進出が予想される。そこで吉川が優勝して、田岡が4位で5度目のグラチャンを獲得。逆に田岡は吉川が優勝しても3位以上で3度目の王冠を手にすることができる。

 

田岡なつみ   ノーズはどこまでも引っ張る。それにスタイルも加味された。8.50、8.90でトータル17.40ポイントは今日のハイエスト。

 

明日は今大会の5日目の最終日。誰が優勝するか、また、グラチャンは誰が手にするか、最後まで見逃せない。

 

 

JPSA初優勝の脇田泰地と都築虹帆

ショートボード男子優勝:脇田泰地、2位:西慶司郎
3位:田中 大貴、辻裕次郎
5位:仲村 拓久未、大野 修聖、鈴木 仁、田中 英義

ショートボード女子優勝:都築虹帆、2位:須田那月
3位:髙橋みなと、松岡亜音
5位:西元ジュリ、川瀬 心那
7位:佐藤李、橋本恋

 

2021年JPSAグランドチャンピオン

男子:西慶司郎
女子:松岡亜音

 

2021年ルーキーオブザイヤー
男子:齋藤昇吾
女子:松岡亜音

 

 

初戦の悔しさをバネにここまで来た。脇田泰地、悲願のJPSA初優勝。

 

 

脇田泰地

脇田泰地
今年の初戦の一宮で準優勝。それがずっと引っかかていたと吐露。ストイックになったことで、コンペに対して心構えが変わった。それはライディングにも現れ、スピードとキレが増した。やっと吹っ切れたことで笑顔。JPSA初優勝!おめでとう!

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開口一番に「最高に嬉しいですね。超嬉しいっす。」と笑顔が溢れる脇田。一宮での開幕戦は稲葉玲王とのファイナルで逆転されて惜しくも2位。その悔しさをバネにここまで来たことを明かした。「あの試合は結構悔しかったんで、今年ずっと引きずってました。

 

 

最後、自分が優先権を持っている時にケイジロウがレフトに乗って、これ行かせたら(点が出そうだなって思ったんで、一宮の経験を思い出して、行かせたらダメだと思ってブロックして勝てました。

 

今年は自分のサーフィンを見つめ直して頑張ってこれたかなって今は思えます。」Abemaのライブ中継のヒーローインタビューでは最後に得意のラップで感謝の気持ちを表現したタイチ。スタイル出しまくりのクールなエンディングとなった。

 

 

都築虹帆が涙のJPSA初優勝。

 

 

都築虹帆

都築虹帆
河村海沙コーチからは「ヒート中に気持ちが舞い上がるから、冷静に」と言われ、落ち着いて試合に臨んだ。決勝では「やることはシンプル」にと考え、集中したことで勝てたと語った。地元でもあり、応援も力になったことは間違いないだろう。こちらもJPSA初優勝!おめでとう!

 

スポンサーの「さわかみグループ」様から副賞として15万円が贈られ、賞金総額は¥490,000 を獲得。

 

 

「実感が湧かなくて、これが現実だって認識するまで時間がかかってしまいました。嬉しさがどっときて、たまらないです。超嬉しいです。

那月ちゃん(須田)にリベンジ心を燃やしていたわけではないんですけど、一昨年のシーズンの時に勝てなかった選手なんで、そこは勝ちたいなって気持ちもあったんですけど。

自分のサーフィンをすることに集中してました。こうして勝てたのはみなさんのおかげです。本当に感謝しかないです。」

 

 

須田那月
最後の最後で逆転できずに準優勝となり、グラチャンも松岡に譲った。しかし、このコロナ禍でいろんな困難を乗り越えて、ここまで結果を出したこと。この経験が那月をさらに強くするだろう。来年も応援しています。ガンバ!

 

西慶司郎
グランドチャンピオンのみならず、シリーズチャンピオンも決めた慶司郎。今大会全てのヒートで、赤ゼッケンに赤髪で戦った。間違いなく、今年の一番成長した選手だろう。特にコンペでの戦い方は、田中樹コーチ直伝。さらにそれを進化させて、自分の戦い方を作り上げた。

 

「今年の目標がここで取れたんでよかったです。自分は高校生の時からずっと言われていることがあって、『人と同じでいいのか』という、人が練習しているなら自分もやるし、人が練習を終えてからも自分は練習する。人と比べて練習した量は負けてないかなって思います。」彼の強さの秘密がここにあった。

 

松岡亜音
セミで都築に敗退。抑えきれずに泣き崩れるも、決勝ではその都築が須田を撃破。上がってすぐに都築に駆け寄る。その都築も嬉しい地元優勝で涙。

 

田中大貴
大野 修聖を僅差で破った田中大貴。「大野マーさんは、自分が小さい頃から憧れのサーファーだったので、そんな凄いサーファーと試合ができるなんて夜も寝れないくらい楽しみでした。後半に乗られて逆転されたかなって思ったんですけど、なんとかギリギリ勝つことが出来て嬉しいです。」

 

辻裕次郎
相手の動きをしっかりと理解して試合運びを進め見事セミファイナルへ勝ち上がった辻裕次郎。「もうちょっと波が来て乗って乗られての戦いになるのかなと思っていたんですが、ヒート運びの戦いになっていました。昨日よりサイズアップしているんですが、正直昨日より波が柔らかくて、フェイスがパキッと来なくてスピードが出しずらい波でした。」

 

今大会はダブルバンクで、MCも2人。JPSA専属MCのツヨシくんにNSAのMCでもあり、地元の海童くん。

高橋みなと
ロスバトソンのもと行っている、スケートボードを利用したサーフトレーニングも大人気の高橋みなと。今回、見事3位入賞を果たした。

 

都築虹帆と河村海沙コーチ
今年は安室丈に続き、都築も優勝に導いた。お見事です。

 

 

●ショートボードヒート表

●ロングボードヒート表

 

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【Surfing for all がんばろう日本!】
JPSA2021 さわかみ Japan Pro Surfing Tour ショートボード第5戦 -CS3-

さわかみチャレンジシリーズ
ALL JAPAN 田原プロ -Challenge III-

期日/11月15日(月) ~ 11月17日(水) 予備日:18日
会場/愛知県田原市伊良湖 赤西海岸(ロコポイント)※シニア・マスタープロ 同時開催
【ABEMA LIVE配信URL】
■11/15 (月) ショートボード1日目
https://abema.tv/channels/world-sports-1/slots/EC2XkgRNs5i9fV
■11/16(火) ショートボード2日目
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■11/17(水) ショートボード3日目
https://abema.tv/channels/world-sports-1/slots/DuZDYL991Rdz4o
■11/18(木) ロングボード1日目
https://abema.tv/channels/world-sports-3/slots/EC2XnDJswdAYAs
■11/19(金) ロングボード2日目
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