2021年7月25日(日)、ついに興奮と感動の瞬間が訪れた。東京2020オリンピックでサーフィン競技がついにスタート。その歴史に新たなページが加えられた。
7時開始となった記念すべき第1ヒートには、この千葉で生まれ育った日本を代表するサーファーである大原洋人が、世界チャンピオンのイタロ・フェレイラ、イタリアのレオナルド・フィオラバンティ、アルゼンチンのレアンドロ・ウスナと対戦した。
ヒートは、スタートから世界チャンピオンのイタロが鋭いバックハンドのサーフィンを披露し、オリンピックのオープニングライドを飾る。大原洋人もらコンパクトな波でスコアをメイクしていく。
さらに大原は、エンドセクションで得意のエアリバースをメイクして6.00をスコア。大原はその後も大技を連続で決めて、5.40をマーク。ヒートスコア11.40でトップに躍り出る。
ヒート後半、2位のイタロがバックハンドで高さのあるエアリバースを決め、大逆転でトップに躍り出る。最後もだめ押しのビッグエアで6.47をスコア。圧倒的なスコアで勝利。大原洋人も2位でラウンド3へ勝ち上がった。
五十嵐カノアは第2ヒートで、ジェレミ・フローレス、ミゲル・トゥデラ、ビリー・ステアメンドと対戦。
スタートから他の選手はスコアを重ねていくなか、カノアは一番奥にポジションを取り、じっくりとセットを待つ作戦。第1ヒートに比べて波数が減った感じがするものの、4.93をスコアしたカノアは3位につけて、後半戦へ。
その後、素晴らしいセットの波をつかんだカノアは、大きなスプレーをあげるレイバック・スラッシュとカービングターンのコンビネーションで6.67をスコア。ヒートスコアを11.57として一気にトップに躍り出る。
2位にはバックハンドでスコアを重ねるペルーのミゲル・トゥデラ。カノアはオープニング・ラウンドからCTサーファーらしい圧倒的なスピードとハイ・パフォーマンス・サーフィンを披露してラウンド3へ勝ち上がった。
この第3ヒートは、怪我から完全復活した様子のコロヘ・アンディーノが終始ヒートをリード。しかし最後に逆転されたものの、2位でラウンドアップ。ペルーのルッカ・メシナスが大逆転でトップ通過を果たした。
調子の上がらないジュリアンは後半盛り返すも逆転できず、インドネシアの和井田理央も、得意のエアリバースを決めて一時はトップに躍り出るも、最後には逆転されて3位でラウンド2へ回った。
注目のジョンジョン・フローレンスは、怪我から復活できてないような不安さえ感じるサーフィンだった。本来のサーフィンはできていない様子でエアマニューバーを試みるもいつものそれとは違う。
一方、バックハンドが冴え6.00をスコアしたモロッコのラムジ・ブキアムと、最後にトップに躍り出たCTサーファーのオーウェン・ライトが切れのあるサーフィンでラウンドアップ。ジョンジョンはラウンド2へ回った。
第5ヒートには、注目のガブリエル・メディーナが登場。リプレイスで出場のカルロス・ムニョスはノーショー。昨日出場を言い渡されて、コスタリカから日本に向かった。昨日の今日で間に合わないのは普通だ。
メディーナはとにかく走って飛んで回る。もう一人のCTサーファー、ミシェル・ボレーズはしっかりとマニューバーを描ける波を掴んで 高得点を出してトップを維持。グラッツァーに逆転されて3位を強いられる場面もあったメディーナだが、終盤は火が付いたようにエアを決めまくり、トップに躍り出て1位でラウンドアップを決めた。
本日は大潮ということもあり、昼の干潮に向かってサイズダウンが懸念されたが、オンショアもさほど強くならず、オリンピック初日としてはまずまずのコンディションをキープした。
オリンピック・サーフィン女子のラウンド1
世界チャンピオンのカリッサ・ムーアとステファニー・ギルモアは別格のサーフィンで圧勝。また、日本と同じような波が多いと言われているフロリダ育ちのキャロライン・マークスが本日ナンバー1の圧倒的なパフォーマンスを披露。女子のなかで最もキレたサーフィンを見せていた。
前田マヒナと都筑有夢路はR2へ
男子のラウンド1に続いて女子のラウンド1がスタート。第2ヒートは、前田マヒナが登場。このヒートはサリーとブリサという2人のCTサーファーと元CTサーファーのビアンカというハードなヒートとなった。
ブリサがスタートから良いライトブレイクを捕まえて、高得点をマーク。ビアンカもバックハンドでスコアを重ねて2位に浮上。バックアップを持たないサリーは好調だが3位で後半戦へ。
後半に7.00をスコアしたサリーがトップに躍り出て、CTサーファーの強さを見せる。一時はトップに躍り出たビアンカもその後スコアを伸ばせない。
前田は思うような波を見つけられず、優先権を持って一番奥でセットを待つ作戦をとったが、スコアを伸ばせず。最後はバックハンドとフォアハンドで4ポイントを揃えたが4位でラウンド2へ回った。
第4ヒートには都筑有夢路が登場。タティアナ・ウェストンウェブ、ジョアン・ディフェイという強豪CTサーファーに、元世界チャンピオンのソフィア・ムラノビッチというこれまたハードヒートとなった。
緊張からか、スタートの優先権のない状況で都筑有夢路が、ジョアンに対して、まさかのインタフェアという波乱の展開。
戦意喪失しているように見えた都筑だったが、ヒート中盤には反撃を開始。フォアハンドのレイバック・リエントリーをメイクして5.50をスコア。続けてバックアップ2.93をマークして一度は3位に浮上するも4位を強いられ、ラウンド2へ回った。
ここでは絶対に負けられない。男女ラウンド2。前田と都筑が同ヒートに
女子のラウンド1に続き、男子のラウンド2がスタート。まさかのラウンド2に回ったジョン・ジョンは、H1で和井田理央、ビリー・ステアメンド、マヌエル・セルマンと対戦。カルロス・ムニョスは結局間に合わなかった。
ラウンド1では足の怪我をかばってサーフィンしている感じで、ぎこちないジョン・ジョンだったが、ここはさすがにエアを組み合わせ、チャージを見せてトップ通過。ビリー・ステアメンドもエアマニューバーが絶好調で、和井田理央も攻めて、この3名がラウンド3へ勝ち上がった。
H2ではレオナルド・フィオラバンティ、ジュリアン・ウィルソン、ジェレミー・フローレスがラウンド1のサーフィンをかき消すかのようなパフォーマンスでラウンド3へと勝ち上がった。
都筑有夢路と前田マヒナがラウンド3進出。
女子のラウンド2H1では、日本の前田マヒナと都筑有夢路が、レイラニ・マクゴナグル、ビアンカ・ブイティンダグ、ドミニク・バロナと対戦。
ヒートはスタートからドミニクが バックハンドで5.00をスコア。都筑もフォアハンドでリエントリーを決めて5.60をスコア。前田もバックハンドのコンビネーションサーフィンで4.50。ビアンカも長身を生かした大きなバックハンドでスコアを重ね、開始早々に激しいデッドヒートとなる。
都筑はヒート中盤にフォアハンドで縦に上がるリエントリーで4.80を追加。ヒートスコア10.40でトップに躍り出る。前田も後半に入り、バックハンドでスコアを伸ばし3位に浮上。
しっかりと乗る波が見えている都筑は、今度はカーヴィングターンのコンビネーションを披露して6.00をスコア。ヒートスコアを11.60とし、2位に浮上したビアンカとの差を広げ、トップを独走していく。
残り10分となり前田は再び4位へ。なんとしても3位までに入りたい前田は優先権を持ってニードスコアは4.51。残り5分を切って前田はバックハンドで4.80をスコア。逆転に成功して3位へ浮上する。
しかし、レイラニとの戦いは最後までもつれ込んだ。レイラニがラストウェイブで再び逆転。前田がまさかの逆転負けかと思ったが、前田もラストウェイブでスコアを上げていたのだ。最後は同点のカウントバックで逃げ切り、前田は3位でラウンドアップ。都筑はトップで勝ち上がり、これで波乗りジャパンは全員、明日以降に行われるラウンド3へと勝ち上がった。
明日は男女ラウンド3
本日の結果と明日予定されているラウンドのヒート組は下記のリンクから。明日予報どおりのコンディションであれば、男女のラウンド3が行われる。
https://olympics.com/tokyo-2020/olympic-games/ja/results/surfing/olympic-schedule-and-results.htm
明日7月26日(月)は7時開始予定で、予定されているのは、男女第3ラウンド。女子からスタート予定で、女子の第4ヒートに前田マヒナが、アメリカのキャロライン・マークスと対戦(開始予定時間8時48分)。第7ヒートでは都筑有夢路が、ブラジルのタティアナ・ウェストンウェブと対戦(10時36分)。
男子では、五十嵐カノアが、第1ヒートでインドネシアの和井田理央と対戦。和井田理央は五輪が決まった時のインタビューで「カノア君と対戦したい」と言っていたので楽しみなヒート。(開始予定時間11時48分)大原洋人は第6ヒートでミゲル・トゥデラと対戦する。
ライブ配信予定は追加・変更になることがあります。