五十嵐カノアはCT第5戦のブラジルで5位入賞。トリードがブラジル2連覇。サリー今季初優勝

優勝したトリードとサリー。© WSL / Poullenot

サクアレマ、リオデジャネイロ/ブラジル(2019年6月23日日曜日)ブラジルのリオデジャネイロで開催中のWSL男女CT第5戦「Oi リオ・プロ」大会最終日。フィリーペ・トリード(BRA)とサリー・フィッツギボンズ(AUS)がサクアレマのビーチを埋め尽くした大観衆のまで勝利を手に入れた。

 

優勝したトリード PHOTO: © WSL / Diz

 

日曜日のファイナルデイ。昨日からはサイズダウンしたものの、4~6フィートのバリーニャで試合は再開。フィッツギボンズとトリードはクォーターファイナルからファイナルまでフル・スロットルで戦い抜き、ブラジルで3度目のCT勝利を手に入れた。

 

大観衆の応援をパワーに変えて勝利をつかんだトリード© WSL / Poullenot

 

トリードは、バリーニャで圧倒的なパフォーマンスを続け、ファイナルでジョーディ・スミス(ZAF)、セミファイナルでフレデリコ・モライス(PRT)、クォーターファイナルでカノア五十嵐(JPN)を倒して、昨年に続き2年連続でブラジル戦を制した。また、このCT勝利はトリードにとって、ホームであるブラジルで3度目の優勝(2015、2018、2019)でキャリア8勝目となった。

 

 

「自分がクオーターやセミに入ると、何かが自分の頭をクリックするようになるんです。ブラジルの試合では特にそんな感じですね。」と、トリードは言った。

 

「ギャラリーの声援が自分に力をくれて、自分のベストを出し切れたんです。でも、 サーフィンは勝敗の予想がつかないゲームでハードです。相手がジョーディ(スミス)なら尚更、何が起こるかわからない。僕は18ポイントを持っていたましたが、彼が簡単に2つの9ポイントをゲット出来ると思っていたから、最後の30秒まで緊張してました。でも最初の波でイケると思えて、あの波を掴めたのは本当にラッキーでしたね。

 

2位となったジョーディ PHOTO: © WSL / Diz

 

表彰後にトリードは、これまでパーソナルな問題をいくつか抱えていたが、活気に満ちたブラジリアン・ファンが彼に戦うためのエネルギーを与えてくれたことを話した。

 

 

「自分自身に良いサポートクルーがいて、心理的な準備出来ていなければ、勝つことは本当に難しいかもしれません」とトリードは続けた。「準備ができていなければ、プレッシャーに潰されるかもしれません。僕自身が本当に楽しんでいるのは、ブラジルのファンからの情熱とエネルギーです。これが僕に力と集中力とモチベーションを与えてくれます。

 

僕は一週間ずっと体調を崩していて、気持ちも折れていて、疲れていた。でも試合前にビーチまでの通路でファンから声をかけられて、そこからパワーをもらっていた感じです。多くの人は知りませんが、自分は個人的に非常に厳しい一年を経験してきました。自分が一番好きなことに集中するのは難しいですが、ファンの人たちが僕を助けてくれたので、永遠に感謝したいと思います。」

 

 

サリー・フィッツギボンズ(AUS)が2017年ぶりの優勝

女子の優勝を収めたフィッツギボンズは、2017年ぶりのCT勝利と3度目(2012、2014、2019)のブラジルでの勝利を手に入れた。今シーズンは準優勝から2度の3位入賞に続き今回の優勝で、ついにランキング・トップに躍り出た。

 

「彼女にもチャンスはありました。今回は自分に勝利の女神が微笑んでくれた感じですね。あのセットの波が届いたとき、最後に特別な何かが必要だと感じていました。その波にパドルしたとき、これが最後のチャンスだと思ってました。そして、その波に自分の全てを出し切ったんです。私はただコミットしたかっただけで、すべてが一緒になったのです。」

 

 

 

Oiリオ・プロのクオーターファイナルのヒート1で五十嵐カノア(JPN)は、宿敵フィリーペ・トリード(BRA)と因縁の対決。

 

五十嵐カノア© WSL / Poullenot

 

トリードとカノアは、2017年のブラジル大会のラウンド3でもマンオンマン対決した。そのヒートは、優先権のないオープニング・ウェイブの波の取り合いで二人が接触。トリードが 五十嵐のテイクオフをじゃまする形になり、ノン・プライオリティー・インターフェアがコール。その判定が響いてトリードが敗退した。その試合後もUSオープンでもパドルバトルでインターフェア騒ぎを起こすなど、何かと衝突があった二人

 

 

 

そんな二人の因縁の対決となった今回は、カノアがオープニングライドで、バレルを駆け抜けて最後にエアリバースを決めて先制攻撃。6.00をスコア。トリードはビッグセットでバレルにプルイン。クローズアウト・フローターで6.83をスコア。

 

カノアもテイクオフと同時にバレルにプルインするも潰される。波数の少ない中、トリードがバックアップを揃えて僅かにリード。

 

ニード5.01で残り時間10分を切って優先権を使ったカノアが再びバレルにチャージ。しかし距離を稼ぐも出口で潰されてスコアを伸ばせず、そのままタイムアップ。惜しくもここで敗退。5位でフィニッシュとなった。

 

 

ランキングでは、ジョーディ・スミス(ZAF)が準優勝で4位にアップし、カノアは一つランクを下げたが5位をキープ。イタロが今回17位で3位から6位に。しかし今回優勝のトリードが3位へアップ。

 

今回5位のジョンジョンと3位のコロヘのワンツーは変わらないが、ジョンジョンは昨日のヒート中に昨年怪我をした同じ膝をひねる怪我を負った。ヒートには勝ったので今日のクオーターに出場するか否かというところだったがQFを棄権。一日も早い復帰を願いたい。

 

 

次なる2019年のワールド・サーフ・リーグ・チャンピオンシップ・ツアーは第6戦「コロナ・オープンJ-ベイ」。2019年7月9日から7月22日まで期間でWorldSurfLeague.comとFacebook.com/WSLでライブ中継される。

 

 

Oiリオ・プロ・ウイメンズのファイナル結果:
優勝:サリー・フィッツギボンズ(AUS)14.64
2位:カリッサ・ムーア(HAW)12.57

 

Oiリオ・プロ・ウイメンズのセミファイナル結果:
SF 1:サリー・フィッツギボンズ(AUS)7.63 def.
キーリー・アンドリュー(AUS)4.40
SF 2:カリッサ・ムーア(HAW)15.30 def.
ステファニー・ギルモア(AUS)14.83

 

Oiリオ・プロ・ウイメンズのクォーターファイナル結果:
QF 1:サリー・フィッツギボンズ(AUS)14.17 def.
レイキー・ピーターソン(USA)1.20
QF 2:キーリー・アンドリュー(AUS)7.24 def.
シルヴァナ・リマ(BRA)6.46
QF 3:カリッサ・ムーア(HAW)12.33 def.
タティアナ・ウエストン-ウェッブ(BRA)12.04
QF 4:ステファニー・ギルモア(AUS)10.90 def.
コートニー・コンローグ(USA)10.66

 

Oiリオ・プロ・メンズ・ファイナル結果:
優勝:フィリーペ・トリード(BRA)18.04
2位:ジョーディ・スミス(ZAF)8.43

 

Oiリオ・プロ・メンズ・セミファイナル結果:
SF 1:フィリーペ・トリード(BRA)16.00 def.
フレデリコ・モライス(PRT)10.30
SF 2:ジョーディ・スミス(ZAF)16.06 def.
コロへ・アンディーノ(USA)10.40

 

Oiリオ・プロ・メンズ・クォーターファイナル結果:
QF 1:フィリーペ・トリード(BRA)11.00 def.
カノア五十嵐(JPN)7.57
QF 2:フレデリコ・モライス(PRT)13.17 def.
ジュリアン・ウィルソン(AUS)11.83
QF 3:ジョーディ・スミス(ZAF)def.
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)INJ
QF 4:コロへ・アンディーノ(USA)13.10 def.。
ガブリエル・メディーナ(BRA)12.00

 

2019女子CTジープ・リーダーボード:(Oiリオ・プロ後)
1-サリー・フィッツギボンズ(AUS)32,580pt
2-カリッサ・ムーア(HAW)31,175pt
3-ステファニー・ギルモア(AUS)30,320pt
4-コートニー・コンローグ(USA)26,845pt
5-レイキー・ピーターソン(USA)26,050pt
5 ― キャロライン・マークス(USA)26,050pt

 

2019男子CTジープ・リーダーボード:(Oiリオ・プロ後)
1-ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)32,160pt
2-コロへ・アンディーノ(USA)27,760pt
3-フィリーペ・トリード(BRA)27,195pt
4-ジョーディ・スミス(ZAF)26,045pt
5 ― カノア五十嵐(JPN)24,705pt

詳細な情報については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。