緊急事態宣言が発令。大切な人を守るために。また笑顔でサーフィンするために。#StayAtHome 

 

文:山本貞彦

 

日本政府の「緊急事態宣言」が東京など7都府県を対象に発令された。これにより都や県はより踏み込んだ外出自粛 の要請ができることになる。今まで日本は帰国者、濃厚接触者を中心にPCR検査を行い、 クラスター(集団)を潰して感染を抑えてきた。それは少しでも発生数をなだらかにする ことで医療崩壊をさせないためだった。

 

しかし、ここ数日の東京の陽性患者数の増加に伴い、感染経路がわからない患者が増加。これはすでに市中感染が始まったことを意味する。そしてこの「緊急事態宣言」は日本が危機的な状況の一歩手前であるということの声明でもある。

 

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は特効薬が無いこと。 また、急激に重篤になり 死に至ること。高齢者だけだなく、若年層でも発症すること。陽性でありながら無症状の 人もいて、移動、接触することで、誰もがこのウィルスに罹患することもわかってきた。

 

 

海外に 比べれば管理は厳しくなく、自己に任されている

 

 

「緊急事態宣言」は遊技場や遊興施設等は使用が制限される。学校関係など人が多く集ま るところも休業ということになる。しかし、これは都市封鎖ではない。交通機関も動く し、社会生活を維持する上で必要な施設、病院、薬局、スーパーなどは規制されない。

 

だから生活必需品の買い物は大丈夫だし、外で密集することは避ける前提で、運動不足解消のためのジョギングなども許されている。外に出ても罰金ということではなく、海外に比べれば管理は厳しくなく、自己に任されている状況だ。

 

 

海沿いの駐車場の閉鎖が千葉でも始まる。

 

 

では、サーフィンはどうしたら良いのか。先週、土日の外出自粛の中でも多くのサーファーでサーフポイントが賑わった。各ポイントでは公的なクローズ、サーフィン禁止という処置は取られていないものの、この状況を見て関係各所は駐車場の閉鎖などの規制を入れることになった。

 

波乗りは言葉のとおり、波に乗るスポーツ。だから、波のあるところに集まるのは必然。 やはり、3密に注意しても限界はあるだろう。海の中は注意して離れたとしても、その行き帰りに人と接触する可能性は高い。

 

コンペティターに関して言えば、コロナ終息後から始まる試合に向けて調整も含めトレー ニングは必要だろう。それはサーフィンを生業としているプロなら、会社員と同じ仕事だ からだ。それでも今回の規制に対しては、限られた中での練習になることは止む終えない。アマチュアコンペティターも然りである。

 

 

笑顔でサーフィンするために今は我慢。

 

 

オリンピック関連では開催が1年先に延期されたことで、アスリートは一から仕切り直す ことになった。「緊急事態宣」の発令で、日本スポーツ振興センターはアスリートが練習 する施設の休業を発表。また、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)と国立スポーツ科学センター(JISS)も都からの要請があれば休業を検討とするとの報道もされ た。全てのアスリートが今、岐路に立たされている。

 

より強化された外出自粛要請になったことで、居住している所から他県に出かけることに も自制が求められる。だから、仕事が他にあってサーフィンが趣味という人は、しばらく自粛をすることが望ましいと自分は考える。

 

仕事の移動は止むおえないとしても、サー フィンするための移動はできる限り控えること。海のそばに居住がある場合でも、3密に気をつけて、できる限り人との接触を避けて欲しい。

 

新型ウィルスを封じ込めるためには、人と会わないこと。それしか方法はない。みんなが守らないと更に厳しい規制が入ることになるだろう。だから#StayAtHome。今はなるべく家にいること。大切な人を守るために。誰かの大切な人を守るためにも。笑顔でサー フィンするために今は我慢、我慢だ。

 

 

サーフィン関連の大会については下記の通り。 再開に向け、早くの終息を願うばかりだ。

 

  • WSL(世界サーフリーグ)は5月末までは休止を発表。その後は各国の状況を見て判断。 WSL JAPANもこれに準ずる。
  • NSA(日本サーフィン連盟)は主催4大会は白紙に戻し、公認大会についても今年度の大 会開催、受付を中止。その後はこれからの状況で決めると発表。
  • ISA(国際サーフィン連盟)は世界大会の開催については、5月1日にアナウンス予定。世界戦への選抜となる「ジャパンオープン」もそれに併せて調整する。その他の大会は未定。
  • JPSA(日本プロサーフィン連盟)は今年のスケジュールは確定ではないとアナウンス。開催については国内の状況を見極め、随時発表としている。