静岡・牧之原市に世界最新鋭のウェイブプール建設を目指す、サーフスタジアムジャパン株式会社(SSJ)とアメリカンウェイブマシンズ社は28日、都内で会見を開いた。県の許認可が必要だったため水面下での動きだったが、晴れて認可が下りて、2月3日より造成作業が開始となって地鎮祭なども終了している。
サーフスタジアムジャパン株式会社の安達社長は、「ここは野球場1・5倍の敷地で、大きな世界大会などを開催をしたいと思っている。この波はエアリアルができる波が最大の特徴であり、今後は健全なスポーツとしてのサーフィンを広める役に立てればと思っている」と語った。
今回の会見では牧之原市の杉本喜久雄市長をはじめ、アメリカン・ウェイブ・マシンズ社の上席副社長 マイク・ロペス氏、創業者CEO ブルース・マクファーランド氏、ANA総合研究所副社長 福岡研士氏、日本サーフィン連盟の関口嘉雄氏、US オリンピック委員会の特別顧問 ジョン・オーモリ氏。そしてサプライズゲストとしてプロサーファーの大野修聖が登場した。
大野修聖は「簡単に波が変えられるとか噂を聞いていて、ハイパフォーマンスのサーファーにとっては、いちばん海に近い波が作り出せるということなので、本当にエキサイティングです。何より僕がやりたいですね(笑)」とコメント。
NSA関口嘉雄氏は酒井理事長の代理で出席「サーフィン競技の練習用に活用させていただきたい。全日本も開催された歴史ある静波海岸。自然の波とウェイブマシンを数百メートルの距離で行き来できる夢のような環境でレベルの高い選手が誕生することでしょう」とコメント。
マイク・ロペス上席副社長は今回の会見で、「スタジアムサーフツアー(SST)」の構想を発表。既に稼働中のテキサス州のBSRサーフリゾートをはじめ、今回の静波、現在開発中のフロリダなど世界各地で建設される同施設で世界ツアー戦を行うことも明らかにした。
「牧之原市は年間60万人近くのサーファーが訪れる、国内有数のサーフィンスポット。15キロの海岸線にかつては150万人の観光客が訪れていた。しかし、東日本の震災後、とてつもない被害想定がこの地域にも出されるなどして様々な影響で衰退していきました。このウェイブプールを起爆剤に沿岸部の活性化を図りたい。
今回は、牧之原市としてもサーフスタジアムジャパンが静岡進出を決めると言う中で、我々としても出来る限りの支援をしようと県と許認可に関しては私が直接交渉しました。また資金面でもふるさと財団のふるさと融資という無利子貸付金5億円を牧之原市が融資するなど資金的にも援助しております。このサーフスタジアムジャパンは、沿岸部の活性化を目玉にしたいと考えています。」と牧之原市の杉本喜久雄市長が言った。
「牧之原市とANA総合研究所は、牧之原市の沿岸活性化に連携しており、その一環として、ANAグローバルネットワークを活用して、サーファーのメッカになるようにサーフィンシティ牧之原をプロモーションしていきます。」とANA総合研究所副社長 福岡研士氏がコメント。
この施設は、静波海岸から7〜80メールの距離に好立地。自然の波と併設した施設ができるのは、この静波が適切だと考えて、この場所を選んだとのこと。レベル毎に1時間の予約制で安全に考慮し人数は最大で12人に制限。初中上の3カテゴリーの枠を設定。施設内には水遊びプールやジャグジー、クラブハウスなどの併設予定。また体験サーフィンやビギナースクールなどもサーフィンを始めたい人にも楽しいイベントを行う予定だ。
現段階での入場料は1日500円。波乗り料金5000〜8000円(1時間)の予定
貸し切りも可能。波のサイズは最大2.1メートル
秋に全面オープンを目指し、できればオリンピックまでに波を出すことも検討しているとのこと。オペレーション次第で様々な波を出せるので、可能性は無限大だ。
SSJ は、急速に拡大中のサーフィン・コミュニティーを育成するのに加えて、コンペティションのトレーニングを推進するための世界最高のパフォーマンス・ウェイブプールである、テキサスのBSRリゾートと同型のPerfectSwell(R)技術を選んだ。
SSJの安達俊彦代表取締役は「このプロジェクトは4年がかりの構想の実現です。我々の目標は常に牧之原での深くて力強いサーフカルチャーへの貢献することです。このプロジェクトで我々は、レジャーとしてのサーフィンの提供によりサーフィン・コミュニティーを拡大し、同時にアスリートの開拓に貢献できると考えています」と述べた。
オリンピックイヤーの今年、ついに日本で実現となりそうな最新鋭のウェイブプール。今後もサーフスタジアム・ジャパンの動向に注目していきたい。
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