世界チャンピオンを獲得した大原沙莉らプロボディボーダーが鈴木大地スポーツ庁長官と対談!

 

文・写真/米地有理子

 

1月17日、日本プロボディボード連盟(JPBA)の前山剛志理事長、ボディボードを通して社会貢献活動をしている登坂由美恵プロ、昨年のワールドツアーで世界チャンピオンを獲得した大原沙莉プロ、昨年のJPBAの国内ツアーチャンピオンである相田桃プロが、スポーツ庁を訪問し、鈴木大地長官と面会をした。

 

 

日本のスポーツのトップ機関であるスポーツ庁ということで、それぞれが緊張した面持ちで文部科学省の中へ入り、スポーツ庁の長官室へと向かった。途中、オリンピック・パラリンンピック課を過ぎて、いよいよ長官の元へ。控え室で一息を入れた後、10時より長官室に通され、およそ20分間の対談が始まった。

 

 

ボディボードは子供から大人まで簡単に波に乗れる、海で遊べる安全なスポーツ。

 

 

まず始めに、前山理事長から長官に資料が渡され、ボディボードというスポーツについて、”子供からお年寄りまで安全に楽しめるスポーツである”等、説明がなされた。鈴木長官からは開口一番、「ボディボード持っていますよ」という言葉があり、一同も驚きとともに緊張がほぐれた様子。

 

技の説明についても、「エルロロ、すごいな~。やるの?」と大原プロに質問を投げ、大原プロもすかさず、「やります!」と。また、前山理事長から日本プロボディボード連盟(JPBA)について、キッズスクールの活動やワールドツアーとの連携、ボディボードの認知の活動についての説明の後、大原沙莉プロの世界チャンピオン獲得について報告がされた。

 

鈴木長官は、大原プロに「おめでとうございます」と声を掛け、前山理事長から2年連続で日本人が世界チャンピオンになったことを伝えられると、「すごいね。もっとメディアに取り上げられないとね。メディアの皆さんよろしくお願いします」と参加したメディアに向かっても話かけた。

 

さらに前山理事長は世界サーフィン連盟(ISA)のボディボード世界選手権で金メダルを日本人が獲得していることや日本人選手の活躍が新聞にも取り上げられたこと、大会がインターネットでライブ配信されていることなど、ボディボード界の現状が伝えられた。

 

 

もっとたくさんの人にボディボードを知ってもらいたい。

 

 

次に、登坂由美恵プロから東日本大震災の被災地である福島県の子供たちにサーフィンスクールを行う「陽けたら海へ(あけたらうみへ)」という活動を続け、今年9回目となり、およそ200人の子供たちに海の素晴らしさを伝えられたことの報告がなされた。また登坂プロは2歳の時に耳が聞こえなくなり、どうやって生きていこうと思っていた時に、18歳でボディボードに出会い、プロになってワールドツアーにも参戦し、ボディボードが人生を大きく変えてくれたと語った。

 

そして「世界チャンピオンも誕生し、皆子供たちに海の素晴らしさを伝えたり、感動させたりしているので、もっとたくさんの人にボディボードを知ってもらいたいと思います。後輩たちがもっと子供たちに海の素晴らしさを伝えていけるように私も頑張っていきます」と自身の思いを熱く語った。

 

そして大原プロが16歳から世界チャンピオンを目指して9年間、挫折をしながらも世界で修行を積んでようやく去年夢が叶ったことを報告。これからも引き続き世界チャンピオンを狙いながらもボディボードを広く知ってもらえる活動を行っていきたいと語った。

 

 

次世代の子たちに夢を与えたい。

 

 

また、他の国では政府からの援助があること、世界チャンピオンになってニュースに取り上げられていることを見て、日本ではまだボディボードが世間に広まっていないことを今回世界チャンピオンを獲得したことで改めて痛感し、これからスポーツとしてちゃんと取り上げてもらえるように活動をしていきたいと自身の決意を述べた。

 

大原プロの弟、プロサーファーの大原洋人プロの話が出ると、鈴木長官は「弟さんにお会いしたことあります」との言葉があり、大原プロは「弟はサーフィンがオリンピック種目に選ばれたことにより、スポーツ選手としてしっかり見て頂いていると思います。同じマリンスポーツとして同じステージで戦いたいと思います」とスポーツ選手としての強い思いを語った。

 

大原沙莉プロ、相田桃プロ

 

最後に相田プロが、次世代のボディボーダーが伸びてきており、世界に通用する子供がたくさんいること、世界チャンピオンである大原プロをはじめ優れた選手がたくさんいるスポーツであり、世間にもう少し知ってもらって次世代の子たちに夢を与えたいと考えているという思いを語った。またそのために、少しでも子供たちに自分たちが残していけることや伝えていかなくてはいけないことをYouTubeなどを使って知ってもらえるようにしていきたいと今後の活動について述べた。

 

 

4人の話を聞いた後、鈴木長官は「皆さん、頑張っていらっしゃる。知名度が低いと悔しい思いをされていると思うのですけど。(前山理事長に向かって)その辺りは連盟も頑張ります。そして言われているように、今は自分で発信する時代になって来ているので、頑張って頂きながら、知名度を上げて頂きたい」と語った。

 

大原プロが「今年のJPBAの大会を観に来て頂けたら」と述べると、鈴木長官は、「いつやるのですか?」と聞き返し、前山理事長から具体的な大会の日時が伝えられ、鈴木長官からさらに大会出場人数やボディボードの競技人口、プロ資格取得についてなどの質問があった。

 

また、大原プロや相田プロに「賞金で食べていますか?」と質問され、それぞれが現状を伝えた。鈴木長官はプロボディボード界の現状を聞いたうえで、「スポーツはいろいろありますが、今スケートボードやフリークライミングなど若者にものすごく人気がある。アーバンスポーツ、ニュースポーツ、エクストリームスポーツなどが人気があります。今から皆さんのスポーツももっと人気が出てくると思うので、それまで頑張って下さい」と励ましの言葉を述べた。

 

 

フランスのオリンピックでボディボードをオリンピック種目に

 

 

対談も佳境に入り、前山理事長からフランスの世界チャンピオンが2024年のフランスのオリンピックでボディボードがオリンピック種目になるように活動していることが伝えられると、鈴木長官は「サーフィンはタヒチでやることが決まっているんだよね?」と聞き、前山理事長は「そうです。ボディボードも掘れ掘れのすごい波に乗れますので」と答え、「じゃあ、オリンピックに出られるかもしれないの?」と大原プロたちを見た。

 

 

大原プロが「はい。オリンピックに加盟しているISAの大会で金メダルを獲りましたので、一応金メダル候補かなと自負しています」と答えたところ、長官は「えー!サインもらっておこう」と長官の机にあるサイン帳(芳名録)を持って来てもらい、それぞれがサインをした。

 

対談の時間が過ぎる中で、緊張もほぐれていき、最後はざっくばらんな対談に。大原プロが鈴木長官に「サーフィンをしたことがありますか?」と質問をすると「やったことありますよ。サーフィン雑誌とかたくさんあったよね」との答え。また、「海でも泳がれますか?」との質問には「海はたまにね。僕は千葉県出身なので、九十九里や太東の方にも行っていましたよ。去年一昨年もサーフィンの大会を観に行って、弟さん(大原洋人プロ)にも会ったよ」との答えが。

 

話しは止まらず、人工波のプールについてやそこでの競技について、東京オリンピックのサーフィン種目の開催地となる千葉の波についてや千葉へのサーファーの移住についてなど多岐に話題が上がった。

 

登坂プロと前山理事長

 

登坂プロが「ボディボードはビート板を大きくしたようなもので、水泳をやっている人はやりたいって思うと思います」と話し、水泳の金メダリストである鈴木長官は足ヒレをつけたらさらにスピードが速く、ボディボードをやったら凄そうと皆が言うと、「ボディボードをやりたいって思うよ。当時乗れたしね。若い時。ハワイの水泳の合宿では休日にやったりして」との答えが。

 

さらに鈴木長官は「ぜひ応援していますから。こういうアウトドアでやるスポーツが日本中で盛んになるといいと思っています。日本にはそれができる、まだ潜在的な力があると思うのですよね。我々はアウトドアスポーツツーリズムというものをやっていますからね。ぜひ盛り上げていきたい」と語った。

 

前山理事長が「ボディボードは子供から大人まで簡単に波に乗れる、海で遊べる安全なスポーツという認識をして頂ければ」と話すと、鈴木長官から離岸流などの危険や海水浴場での規制などの質問があり、それぞれが質問について答えた。そして最後に長官から「応援しています!」との力強い言葉をもらって対談は終了した。

 

いよいよオリンピックイヤーを迎え、オリンピック史上初めてサーフィンが競技種目となり、多くの人にスポーツとしてのサーフィンが知られる機会になることだろう。同じフィールドのマリンスポーツとして、各方面で活躍するプロボディボーダーたちがスポーツ庁の長官に直接会って、ボディボードというスポーツを知ってもらう良い機会になったと感じた。メディアとしても応援していきたいと思っている。

 

 

【対談を終えての感想】

 

前山剛志理事長
「ボディボードの楽しさと安全にできるということ、またトップ選手が電柱の高さのような波に乗れるということが伝えられたかと思います。できれば、2024年、2028年のオリンピック種目にボディボードが入れればいいと思っています。金メダルに近い選手が居ますので、団体としてしっかりアピールしていかなくてはと気を引き締めることができました。長官は水泳の金メダリストで海に対しても恐さがないようで、ぜひ応援して頂けたらと思っています」

 

大原沙莉プロ
「すごく緊張したのですが、長官が気さくな方だったのでお話をしてすごく楽しかったのと、やっとボディボーダーとして、世界チャンピオンとして、ボディボードの認知に携われたことを嬉しく思います。こういう場が大事だと思っていますし、私たちの意見はお伝えできたかと思います。これからボディボードが盛り上がっていくかは、これからの働きだと思います。長官もボディボードやサーフィンを経験されていて、親しみやすいスポーツなのだと再確認することができました。最近は海離れもありますが、ボディボードもサーフィンと一緒に楽しいスポーツだということをお伝えできたかと。同じウオータースポーツとしてもご興味を持って頂けたかなと」

 

登坂由美恵プロ
「ボディボードが社会的に知ってもらうことは前々から望んでいたことなので、第一歩として次のステージに上がれたかと。私はボディボードで社会貢献もしていきたいと考えているので、そのことを知ってもらえて良かったです。長官は水泳をやって来られた方で、興味を持って下さっているということがわかりました。アウトドアとしての要素や、ウェイブプールにもご興味を持っておられていましたが、”もっと頑張ろうね”というメッセージを強く受け取り、頑張らなきゃと思いました。元々情報発信はしているのですが、沙莉ちゃんたちがYouTube(SMS そうももさり)を始めたということで”頑張れ、頑張れ”って思うと同時に、私自身も耳の不自由な方、ヨガのインストラクターとしてのコミュニティーもあるので、もっと情報発信を頑張ろうと思いました」

 

相田桃プロ
「緊張しましたがすごく貴重な体験で、こうやってここに来れて自分なりに伝えられたということは大きいことだと思います。今後の次世代の子たちのために少しでも業界が動けばいいなという思いを込めてお伝えしたので、動けばいいなと思っています。長官がボディボードを知っていて、さらに持っているということでびっくりしました。思っていたよりも長くお話して頂けたので、今後少しでもボディボードに興味を持って頂いて、できたら試合にも来て頂けたら嬉しいです。今後ですが、今年の1月1日に発表したのですが、メンズのチャンピオンの粂総一郎くん、沙莉ちゃんと私の3人がそれぞれチャンピオンを獲ったということで、ボディボードを広めることプラス自分たちの知名度を上げるためにYouTube(SMS そうももさり)を始めました。それが今年一番大きな、今までとは変化のある活動になると思います」