松岡慧斗インタビュー w/フォトグラファー神尾光輝 THE REAL  魂のサーフィン〜ザ・ノースショア

世界レベルの泳力を持つ、日本屈指のサーフィン・ウォーター・フォトグラファー、神尾光輝。「THE REAL  魂のサーフィン〜ザ・ノースショア」は、神尾がライフワークの場と考えるサーファーの聖地であるハワイ・オアフ島ノースショア。その波の虜となり、毎年ノース行脚を続ける日本人サーファー達にフォーカスし、神尾光輝の目線でサーファーを選び、彼の言葉でインタビューする。

第4回は、日本を代表するビッグウェイバーのひとりで、仙台市出身のハードコアサーファーとして知られる松岡慧斗。2018年シーズンは、あのバックドア・シュートアウトで日本人初の3位入賞を果たし、注目を集めた。またコンペティターとしてアジア・リージョンのQSに参戦。世界中を飛び回る彼に、冬のハワイでチャージする価値に関して話を聞いた。

 

 

Q1 初めてノースショアに来たのはいつ?

 

小学校6年生、12歳の12月に来ました。

 

Q2    その時に初めてサーフィンしたポイントは?

 

リアムさん(ノースショアのレジェンドサーファーであるリアム・マクナマラ)の家にステイしてたので、目の前のロッキーポイントかモンスターマッシュだったと思います。

 

Q3     今年でノースショアは何年目になるかな?

 

初めて来た時から1年だけ来なかったシーズンがあるので、今年で14年目になります。

 

「ノースならではのサンセット」by 松岡慧斗

 

Q4  ノースショアでのサーフィンで影響を受けた人は居るかな?

 

初めて来た時は母親と来て、その後ドロップアウト・チームに入ってからは沼尻さんにお世話になったり。やっぱり一番は日本でもそうですけど洋之介君(佐久間洋之介)ですね。

 

ノースショアでのサーフィンの基礎を時には厳しく教わりましたね。後は、ローカルサーファーのカヘア(カヘア・ハート)さんにも鍛えられましたね。で、同じ年代のケオニ・ノザキなんかとサーフィンするようになって培われて行った感じです。

「ワイルアにあるめっちゃ美味しいフードトラック with ケオニ野崎」by 松岡慧斗

 

 

Q5  今までのノースショアで忘れられないセッションだったり波とかある?

 

ん~この14シーズンの間に、自分の中ではメイク出来ても出来なくても、思い入れのある波やセッションは沢山あるんだけど。やっぱり、この間のバックドアシュートアウトでの一本のイメージが強く残ってますよね。

 

たまたま過去のSNSで見たんですけど4、5年前にパイプラインで、今回と同じような波に乗ってて。でもメイク出来なくてボードも折れちゃったんですけど、メイク出来ていれば、それがベストだったかな?とは思います。

 

でも、自分ではイメージ出来ていて、その為に日本でも意識してサーフィンして準備し続けて来て、いつでもイケる準備は出来てるんですけど、ローカルサーファーやレベルの高いサーファーで混雑している中で「その波」をなかなか掴めなかったですよね。

 

 

この間、あのシュチュエーションで、ずっとイメージしていた「その波」が来てメイクすることが出来た。でも、自分には出来る!という自信を持つための準備はして来ていました。

 

 

おもしろい話なんですけど、ケオニがメイソン・ホーに「ケイトは何であの波をメイク出来たか?!わかるか?!」って聞かれて、「ケイトは日本でも自分の乗りたい波を追いかけているから、あの波が目の前に来ても乗ってメイクすることが出来たんだ」って言われたみたいで。

 

それを聞いた時に「自分のやって来たことは間違いではなかった」と思ったし、自分のヒーローであるメイソン・ホーからそう言われてホント嬉しかったですね。改めて「価値のある一本だったんだな」と認識しましたね。

 

 

堀口真平、大野修聖、脇田貴之とともに挑んだチームジャパン

 

 

Q6  改めて、10年以上ぶりに出場したバックドアシュートアウト、ジャパンチームはどうだった?

 

ローカルコミュニティのコンテストで独特なものでした。ジャパンチームのメンバーで参加させて頂いて、自分のヒーローなサーファーたちが自分たちのことを見ていて「見られている」緊張感はありますよね。

 

だから、「ジャパンチーム」としてダサい情けないライディングはできない、と自分の中で高く意識してました。ただ、独特な雰囲気や緊張感も楽しめる感じはあって、ヒートが始まってピークに行けば、普段100人くらい居るのに僕ら4人しか居なくて、しかも、自分の尊敬する日本の先輩サーファーと貸し切りで最高でした。

 

ダ・フイ・バックドア・シュートアウトで堂々の3位入賞の快挙

 

Q7  次回に向けての課題とかは感じたかな?

 

とにかく、ありえない環境だから「楽しむ」と言うのが大前提なのは確かで。「試合に勝つ」と言う部分では、コンディションによって向き不向きがあると思うから補欠枠を作って、その状況に合わせてフィットさせてもいいと思います。

 

難しいとは思いますけど、あらかじめミーティングして狙ってる波が被らないようにするとか。ある程度スコア出来てるサーファーとチェンジして補欠枠のサーファーを出すとか?!ですかね。

 

「今までのサーフィン人生の中で1番最高なモーメント!」松岡慧斗

 

 

Q8  バックドアシュートアウトの後、何か変わった事とか感じる?!

 

ぶっちゃけ、自分でもイメージはしていたけど、あそこまでになる?!とは思っていなくて。あのシュチュエーション、あのステージで、あんな風になると存在がバレる訳ですよね。中にはクールな人もいますけど、対抗心出してくる人もいます。

 

ひょっとしたら、フリーセッションで波に乗るのが難しくなったかもしれないですよね。でもそれは、今のワキタさん(脇田貴之)やマーさん(大野修聖)のように、みんなからリスペクトされるサーファーになる試練、ステップで、これから築き上げる新たな挑戦になると思うんです。

 

Q 9 今シーズン用意して来たサーフボードは?

 

5’7  5’9  6’1  6’3  6’6  6’10 を持って来て、こっちで 6’8 6’10 ワイメアの 10’0 を準備して来ました。5’7 は2~3フィートのロッキーやベルジーで、5’9は5’9のわりには以外と大きな波も行けるコンセプトのボードで、今までだったら6’1  6’3 を使うコンディションでも今年は 5’9でやりました。

 

6’10 はパイプラインで使うことが多かったですね。あのシュートアウトでの一本は6’10を使いました。実はあの時は、6’6 か 6’10 か迷ってて、周りはほとんど6’6を使ってサーフィンしているのを見てて、なんか違和感を感じていて、その中でもメイソン・ホーだけが 7’2とか使って悠々自適にサーフィンしているのを見て、自分のスタイルに素直になって6’10を選んだ結果、あの波をメイクすることが出来たと思いますね。

 

6’6だったらあの波にフォーカス出来てなかったと思うし、乗ってもメイク出来てなかったと思います。

 

 

 

Q10  今後どういうサーファーになって行きたいイメージとかある?

 

メイソン・ホーやアンディ・アイアンズ、クリス・ワード、リーフ・マッキントッシュとか、自分のスタイルやオリジナリティがあって、誰を目指すっていうことではないんですけど。

 

「あれをやらせたらアイツが一番」「これをやらせたら自分」みたいな、上手いサーファーは沢山いるけど、自分のスタイルを変えないオリジナルなサーファーは少ないですよね。誰ともかぶらない、自分自身がオリジナルでありたいかな?!と思います。

 

Q11  ノースショアはケイトにとってどんなところかな?

 

ノースショアは波もサーファーも世界トップクラスで、最終的にサーフィンの集大成だと思います。ワイメア、サンセット、バックドア、パイプライン、と最高峰の波がありますけど、自分はパイプラインに思い入れがあって、その中でも究極の一本をメイクするために通い続けている感じです。

 

Q12      最後に、今シーズンもバックドアシュートアウトにジャパンチームのメンバーとして参加するけど、どんな気持ちで、準備をしていますか?

 

特に深く考えることもなく、あの空間を精一杯楽しむことですね!
本番でしっかりフィットさせる為にも
いつ通り波を追い求め、チャレンジして、
準備していきます!

 

松岡慧斗SNS

 

https://www.instagram.com/keito_matsuoka/

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