深川達哉インタビュー。w/フォトグラファー神尾光輝 THE REAL  魂のサーフィン〜ザ・ノースショア

世界レベルの泳力を持つ、日本屈指のサーフィン・ウォーター・フォトグラファー、神尾光輝。今回サーフメディアの企画として立ち上がった「THE REAL  魂のサーフィン〜ザ・ノースショア」では、神尾光輝がライフワークの場と考えるサーファーの聖地であるハワイ・オアフ島ノースショア。その波の虜となり、毎年ノース行脚を続ける日本人サーファー達にフォーカス。神尾光輝の目線でサーファーを選び、彼の言葉でインタビューする。

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第三回は、日本を代表するビッグウェイバーのひとりである深川達哉。コンペ時代は、大きな体格を活かしたダイナミックなパワーサーフィンで数々のコンテストで好成績を残した。現在はハードコア・サーファーとして波を求めて世界中を旅する傍ら、ジャッジとしても世界中を飛び回る彼に、冬のハワイでチャージする価値に関して話を聞いた。

 

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初めてノースショアに来たのはいつ?そのキッカケは?

 

確か12、13歳くらいだったと思います。キッカケは地元の先輩に2週間くらい連れて来てもらいました。

 

その時の印象や感想は?

 

始めはタウンでならしてからノースに行ったんですけど、右も左も分からない状態で、3月くらいだったかな人も少ないオフザウォールに入った、入れさせられたんですよね(笑)。その時は、ハワイに住んでる地元の先輩で、「つっこみさん」と称されてる方で、一緒にパドルアウトしました。コンディションはクリーンで3フィートくらいでいい波で、意外と乗れましたね。「つっこみさん」というだけあって「つっこむセンパイ」なんですよね(笑)

 

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今までに印象に残ってるセッションとか波とかある?

 

3年前くらいのワイメアなんですけど、エディが招集されてるコンディションで最終的にキャンセルになったんですけど。朝はそこまで反応してなくて、キンさん(カメラマン木本直哉氏)から連絡があり、「昼から上がって来るから入れ!」と言われて入っていたら、見る見るデカくなっておそらく25フィート+はあったと思います。何故なら湾クローズするセットが入っていたんで。その時のセッションが、僕のサーフィン人生の中でのキーポイントになってます。

 

ノースショアでのサーフィンで気をつけていることは?

 

やっぱり地元のサーファー含め人に迷惑が掛からないように、常に心がけてます。

 

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ノースショア用のサーフボードは?

 

僕は短いボードは持ってなくて、サイズは6’後半から7’後半くらい持って来ます。今回持って来たのは6’4  6’6  6’7  6’10 なんですけど、短めのボードはオフザウォールで、長めのボードはパイプラインで使ってます。今年セカンドリーフコンディションのパイプラインではボードが短かったんで、次は7’だい後半のボードでやろうと思います。

 

ノースショアでのサーフボード選びで意識してることはある?

 

ハワイで短いボードでサーフィンしててもスキルは上がらないと思ってるんで、自分のスキルを上げるのであれば、より長いボードでサーフィンするようにしてます。ノースショアは長いボードで練習する場所だと思ってます。

 

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ノースショアでケガや危険な経験をしたことはある?

 

1回ワイメアで酸欠状態になって死にそうになったことがあります。その時は気を失う寸前でした。苦しくて水面に出た時にライフガードのジェットスキーが来てくれていて「大丈夫か?!」と聞かれ、結構ヤバかったと思います。

 

今までの経験を経て、今現在の技術や経験値から、ノースショアから何を一番感じるか?

 

昔はスポンサーやセンパイから「行け」と言われて来ていたんですけど、今は自ら「行きたい」という場所になってて、ノースショアでしか得れない雰囲気や空気を大切に出来るようになりました。

 

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ノースショアのサーフィンで影響を受けたサーファーはいますか?

 

影響を受けたのは、ボンガ・パーキンス、脇田さんです。ボンガはハワイでの過ごし方を教えてもらい、脇田さんにはひとつのことを好きになり、全力でやれば成し得るんだ!ということを教えて頂きました。

 

ノースショアはタツヤにとってどんな存在場所?

 

僕にとってノースショアは「分からされる場所」ですね。毎年通って自信持って来るんですけど、簡単にその自信をヘシ折られるところです(笑)。

 

photo:Tatsuya Fukagawa
photo:Tatsuya Fukagawa

 

タツヤは去年からWSLのジャッジもやるようになったんだけど、今回もノースショアでサンセット、パイプラインと参加してみて「ジャッジ」についてはどう捉えている?

 

去年から勉強させてもらっていて、今回は突然やらせてもらうことになったんですけど、元々サーフィンを見るのが好きなんで苦になることはないですね。今サーファーは海外に通用するサーファーも出て来てますが、「ジャッジ」的な部分では、まだまだ海外から劣ってると思うので、少しでもレベルをあげて世界に通用するジャッジにはなりたいと思います。

 

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実際にノースショアでジャッジをやってみて感じることは?

 

見ている限りでは、日本人サーファーはまだまだスキルや経験が足りないと思いました。やっぱり結果が出てしまうのが試合で、特にノースショアは大きな波で試合が行われるので、「大きな波でのサーフィン」が問われるので、勝ち負けは仕方ないんですけど、根本的にスキルが足りないと思います・・・

 

僕も偉そうなコト言えないんですけどね(笑)あと、責任感も感じますよね、選手の人生を左右するような場面もあると思いますし、正直、集中力の限界とかもありますし、そこは自分含め、ジャッジの宿命だと思います。

 

ジャッジになってからサーフィンに対する考え方や価値観とか変わったかな?

 

そうですね、常に新しいサーフィンを見ている訳ですから、こういうことやってみよう、やってみたい、とかチャレンジ精神は芽生えますね。これはコンテストとか勝ち負けとか関係なく、自分自身のサーフィンに活かせたい感じですね。

 

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今後、ノースショアとどう向き合って行くか?とかのビジョンはある?

 

ノースショアで言えば、ワイメアやマウイのピアヒで、少しづつですけど攻めて行きたい、自分のやりたいと思ったことは時間をかけてやって行きたいですね。

 

最後に、ノースショアに来たことがない人達に、ノースショアのいいところだったり、オススメなこととかってあるかな?

 

ノースショアはエリアが狭いからマーケットに行ってもレストランに行っても、普通に有名なサーファーがいるのも他では無いことだし、海、ビーチに行けばスゴいサーファーのスゴいサーフィンが間近で見られることも特徴だと思います。それと、波、風、とか自然のパワーを肌で感じられると思いますし、それを近い場所で見れれるのはノースショアの特徴だと思うので、是非近くで見て自然のパワーを感じてほしいですね。

 

 

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