17歳のときから18年間、JPSA公認プロとして活躍し、2009年にはグランドチャンピオンを獲得。ジュニア世代の育成やトッププロのコーチとしても実績を持つ田中樹が今シーズンで現役引退を表明。地元開催のJPSA最終ヒートを終えたその夜に引退パーティーが行われた。
志田下ポイントで行われたJPSAイベントは、今シーズンで引退する田中樹のホームで行われる最後の試合。そこにはプロ選手としての最後のイズキの姿を目に焼き付けようと、地元の仲間や多くのファンが集まった。
そして、その夜には「田中樹 引退パーティー」が盛大に行われ、家族や友人をはじめ、田中樹のスポンサーや彼を慕うプロサーファーたちなど業界関係者が大勢集まり、彼のこれまでの功績を労うとともに新しい門出を祝った。
今から10年以上前、世界を舞台に戦っていた田中樹は、2005年8月にフランスで行われた「オニール・プロ・アングレット」で3位入賞の快挙を達成。そのイベントは、5スターというハイグレードなQSイベントでCTサーファーも多く出場。QFのマンオンマンではジェレミー・フローレスを破り、セミファイナル進出。そして、優勝したCTサーファーのルーク・ステッドマンに敗れたものの、3位という当時の日本人最高位の結果を手に入れた。
パーティの乾杯の音頭をとった彼のスポンサーであるオニールの牧さんは挨拶の中で「イズキのフランスでの活躍を見て、オニールのライダーになって欲しいと思った。」と当時を振り返って言った。
2000年の全日本での優勝を機に、高校生でプロデビューを果たした田中樹。2001年にはJPSAルーキーオブザイヤーを獲得し、翌年の2002年にJPSA初優勝 。そして、グランドチャンピオンがかかった2009年のJPSA最終戦「オールジャパン・プロ」が行われた志田下で見事優勝して、日本の頂点に立った。
プロになった翌年から常にトップシードをキープし続け、惜しまれながら今季で引退することとなった田中樹だが、今後はジュニア育成も視野に入れながら、現在でも続けている川合美乃里や稲葉玲王などのトップ選手のコーチとして日本のサーフィン界をバックアップしていく。
「日本からCT選手を育てるのが目標です。来年からはミノリとかも、ビシバシ行くのでパワハラとかで訴えないように宜しくお願いします。」と、ジョークを交えてパーティーの最後を締めくくった。
田中樹がプロ選手として出場する試合は残り2戦。今後は新しい形で日本のサーフィン業界に貢献すると語った彼の活躍に期待したい。田中樹というサーファーが、本当に多くの人に愛されていることを実感できるパーティーだった。
「今年限りで引退することを決め、地元千葉志田下での最後の試合になりました。
この志田下でプロになり グランドチャンピオンも決めたのも志田下でした。
その思入れにある場所で最高のライバル達と試合ができ、
そして最高の仲間達や先輩達に囲まれて最高の最後終えることができました。
本当にありがとうございました。そしてパーティーも開いて頂きたくさんの方に来て頂きありがとうございました。
あと試合は2戦残ってます。
悔いがないように楽しんで行きたいと思います。これからもよろしくお願い致します。」
田中樹。