「日本のサーフカルチャーをつまらないものにさせない」若き4人のサーファーが語る新プロジェクト『CW-BOYZ』の原点と未来

橋本優李、小熊海ノ介、坂入崇仁、横手倫太朗

若手サーファー4人が集結し、新たなムーブメントを巻き起こそうとしている。その名も『CW-BOYZ』。彼らがなぜ集まり、何を成し遂げようとしているのか。その原点には、仲間とのサーフトリップと、現在の日本のサーフシーンへの強い想いがあった。

 

CW-BOYZを構成する4名のサーファーは、トッププロの小熊海ノ介をはじめ、坂入崇仁、横手倫太朗、橋本優李それぞれ個性的でエネルギーに満ち溢れ、少々危なっかしく面白さを秘めたサーファーたち。

 

 

きっかけは青森へのサーフトリップ

 

プロジェクトの始まりは、2022年の青森への旅だった。本来はサーフィンの試合に出場する予定だったが、波が大きすぎたために大会は延期。しかし「せっかくだから大きな波に乗りたい」という純粋な想いから、メンバーでそのまま旅を続けたという。

「その青森の旅がすごく楽しかったんです。だから、こういう活動をもっと色々な場所で続けていけたらいいね、と話していました」とメンバーは語る。この旅で得た経験と仲間との絆が、個人の活動を超えたプロジェクトへと発展する大きなきっかけとなった。

 

 

日本のサーフカルチャーをつまらないものにさせない

 

小熊海ノ介

彼らが掲げるスローガンは「日本のサーフカルチャーをつまらないものにさせない」。この言葉には、現在のサーフシーンに対する彼らなりの問題意識が込められている。

 

今年の湘南オープンのファイナルで惜しくも絶対王者の浜瀬海に敗れた海ノ介「絶対ぶっ潰す」と意気込んだ。

 

コンテストのシーンとか、フリーサーフィンのシーンを見ても、例えばロングボードだけの話で言ったら、流れがシングルフィン一辺倒みたいになっていて。」と小熊海ノ介が語った。

 

みんなが一遍倒になってるサーフシーンは、俺はつまらないと思うから。

 

「ノーズライドがうまいやつが上手いみたいな。俺はそういうのつまんないと思うんすよ。なんか十人十色でいいと思うし。ノーズがうまいやつもいれば、ターンがうまいやつもいれば。

 

別にロングボードだけじゃなくてもいいし。みんなが一遍倒になってるサーフシーンは、俺はつまらないと思うから。

 

集まってる4人は板に関係なく、メインでやってるのはロングボードのシングルフィンだけど、もちろんデカい波も攻めるし、短い板もやるし、ロングだけじゃないよっていう感じです。

 

 

『CW BOYZ』は、ロングボードという枠に収まらず、大きな波への挑戦や様々なボードを乗りこなす姿を通して、サーフィンの持つ本来の多様性と魅力を発信していくことを目指している。

 

 

 

仲間と共に、未来を切り拓く

 

『CW BOYZ』の「CW」には、彼らが所属する「C-WORLD」だけでなく、「Connecting Wave(波をつなぐ)」という意味も込められている。映像制作や全国ツアーといった活動を通じて、自分たちの熱量やエネルギーを直接ファンに届け、新たな波を起こしていく。

 

その活動資金は、プロジェクト自体をブランド化し、その収益によって賄うという新しい試みだ。仲間との旅から生まれた小さな火種は、今、日本のサーフカルチャーに新たな光を灯す大きなムーブメントになろうとしている。彼らの今後の活動から目が離せない。

 

実家がシルバーアクセサリーのブランドを30年近くやっていたことから、その影響でシルバー制作を生業とする。釣りの腕前もプロ級。サーファーとして意欲的に世界を周る横須賀在住の坂入崇仁(さかいり・たかひと)は、モノ作りで自分を表現していきたいという生粋のクリエイター。@takahitostyle
会場でシルバーアクセサリーの制作を実演して見せた坂入
アーティストとして生きていくことを熱望し、NSA全日本選手権でも準優勝の成績を残す実力の持ち主である石川県在住の現役高校生、橋本優李(はしもと・ゆうり)。今年ロングボードのプロ公認を獲得し、日本各地のコンテストに出場して結果を残している。CW BOYZのロゴも彼が制作。@yu_lee73
アーティストの顔を持つ橋本。会場で自分の作品を展示。
高校を卒業し今年から国内外のコンテストを転戦し、さらなる高みを目指す茅ヶ崎出身のコンペティター横手倫太朗(よこて・りんたろう)。今年から千葉に移住しサーフィンと料理の修行中。レジェンドサーファーを父に持ちプロを目指す彼は、マリブクラシック、Mexi Log Festなどに招待されるほどの腕前で、メンバーとそこで出会った。目標はダクトテープに招待されるサーファーになることだ。@rintaro_yokote
日本を代表するプロロングボーダーの一人として注目されている小熊海ノ介。北海道生まれで中学生の時に、両親とともに湘南・鵠沼に移住しスノーボードから転身。彼の才能を見出してくれた新城譲プロを師と仰ぐ。ブルーハーツを崇拝し、ランシドに目覚め、パンクロッカーのスタイルを貫く、後輩想いの心優しいサーファーだ @great_budda_
CW-BOYZ ローンチパーティー & ビデオプレミア上映会が開催。司会はチャボさん。メンバーがそれぞれ制作した映像を上映。短い制作期間ながらも、個性あふれるライディングを披露した。
昼夜の2部制で多くの仲間が集まった

 

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