パリオリンピック・サーフィン女子の松田詩野が帰国会見。今までに無いような気持ち。一瞬一瞬を楽しむことを一番大事にして。

「2024 パリオリンピック」は8月11日に閉幕した。日本は金メダルは20個、銀メダル12個、銅メダル13個で、合計45個。国別(金メダル)ではアメリカ、中国に続き3位という結果となった。

 

サーフィン競技はメダル獲得は無かったものの、パリから離れたフランス領ポリネシアのタヒチという場所で、大会3日目には波のサイズが上がった6-8-10ftのチョープーに挑む選手の姿は、多くの感動を呼んだ。

 

 

その日本代表の「NAMINORI JAPAN」でただ一人、オリンピックの閉会式に出席した松田詩野(22歳・TOKIOインカラミ所属)が帰国。卓球、スケートボード、スポーツクライミング、ブレイキンなどメダリストと共に多くの報道陣が出迎える中、囲み会見が行われた。

 

そこでは大会結果についての素直な気持ちや、これまでを振り返った想い。さらにこれからの目標など多くを語ってくれた。今日が22歳の誕生日となった松田の顔には充実した時間を過ごした達成感に加え、次の目標を見据えた力強い眼差しが、とても印象的だった。

 

 

今回のオリンピックを通して、たくさん学ぶことができて、これからに繋がる経験ができた

 

松田詩野 タヒチでの公開練習 Credit: ISA / Pablo Jimenez

 

ーオリンピックを振り返り

 

「オリンピックのためにタヒチで一年間準備してきた時間が、今までの大会と比べて準備のかけた時間が多かった分、すごく今試合を楽しめました。試合が終わって、日にちが経つにつれて、やはりメダルを取りたかったという思いが強くなっていったんですけど。

 

でも、試合前の気持ちの状態とかが、今までに無いような気持ち。幸せと言ったらおかしいかもしれないですけど。タヒチで試合ができるという嬉しさと、そのワクワクも楽しみという感覚がすごくあって。今までそんな気持ちになったことがなかったので、やはり、今まで準備した時間とかの成果かなと思いました。」

 

詩野とコーチのジェイク・パターソン Credit: ISA / Tim Mckenna

 

ー実際の試合でコーチから学んだことは

 

「ローカルコーチのテレバ・デイビッドは、一年前に初めてタヒチに行った時からローカルナレッジとかを教えてくれました。コーチの構成の関係上、試合でのオフィシャルで海に入れなかったんですけど、ジャパンハウスにその都度来てくれて、コミュニケーションも取れて、やはり一年ずっと一緒にやってきたので、いてくれる安心感もありましたたし、そこはすごくヘルプになりました。

 

海に入ってくれたジェイク・パターソンは、経験とかヒートの進め方のコーチングをしてくれました。それは自分の新しい知識にもなりましたし、今回のオリンピックを通して、たくさんを学ぶことができて、これからに繋がる経験ができたかなって思います。」

 

自分の今までの人生の中で、オリンピックがあったからこそ成長ができた

 

笑顔でパドルアウトする松田詩野 Credit: ISA / Tim Mckenna

 

ー今回のオリンピックで得たものは?

 

「オリンピックってすごい特別な舞台だなって、今回出場して感じました。自分が好きなサーフィンが本当にオリンピック競技に入って良かったと思います。自分の今までの人生の中で、オリンピックがあったからこそ成長ができたのだと思います。やはり、東京オリンピックから振り返っても、諦めない気持ちとか、まずは前に進むことを教えてくれました。」

 

 

一瞬一瞬を楽しむことを一番大事にして、プレッシャーは感じなかった。

 

ーこのオリンピックで日本を背負うというプレッシャーはあったか?

 

「今回は女子一人でしたけど、日本人でも次世代の女の子たちとして世界が見てくれると思って。日本人でも女性でもタヒチの波にチャレンジして、しっかり乗れるというところを見せたいと考えていました。

 

タヒチが新しいチャレンジだったのでプレッシャーというよりかは、チャレンジという気持ちの方が大きくて。その結果、自分のチャレンジでいろいろな人に刺激を与えたいなって思って、一瞬一瞬を楽しむことを今回は一番大事にしていましたから、プレッシャーという感じはありませんでした。」

 

カノア、コナー、松田詩野 Credit: ISA / Beatriz Ryder

 

ー今回の「NAMINORI JAPAN」について

 

「みんながそれぞれ自分のペースでいれたことが、すごく印象的でした。その中でもサーフィンしない時間とか、一緒にトレーニングしたり遊んだりして、みんなで盛り上げていましたね。仲良く過ごせたことで、とてもリラックスできました。

 

何か不安になった時とか、ここをもっとこうしたら良いのかなって悩んでいた時に、すぐ聞ける環境で。CT選手の二人(五十嵐カノア、コナー柄沢オレアリー)が、いつでも何でも相談に乗ってくれる、頼れるお兄ちゃん的存在で。玲王くんもタヒチで何回も合宿で一緒に過ごしてきたのでファミリー感があって、スタッフのみなさん含め、とても良かったです。」

 

QSでポイントを上げて、CSへ行くことを目標にします。

 

日本サーフィン連盟(佐藤正麗穂副理事長、強化部長)も駆けつけて松田に慰労の花束を渡す。

 

ーこれからの予定は

 

「9月の日本のQSの3試合に出ます。ただ、最近はビーチブレイクを全然できていなかったので、まずは日本でそこを調整をします。あとは決まっているASIAのQSに出て、引き続き海外とかでも練習していきます。QSでポイントを上げて、CSへ行くことを目標にします。」

 

 

ロサンゼルスオリンピックにフォーカスして、やっていきたい。

 

松田詩野 Credit: ISA / Pablo Jimenez

 

ー次のロサンゼルスオリンピックは?

 

「オリンピックを経験して、閉会式にも出て、このパリはもうはここで終わって、ロサンゼルスオリンピックのスタートを切ったっていう感じです。これからはそちらにもフォーカスして、やっていきたいと思います。

 

ロサンゼルスは今回のオリンピックとは全く違うものになると思うし、もっと自分がメダルを取りたいという気持ちになると思います。これからある大会もしっかり大事にしていきたいし、オリンピックに出て自分が成長できたので、またオリンピックの力を借りて自分も成長できたらと思っています。」

 

 

ー最後に応援していただいた方々にメッセージ

 

「本当に東京オリンピックの時から、ずっと応援していただいていることには感謝しかありません。今回メダルは取れなかったんですけど、少しでも成長を見せれたかなって思います。でも、まだまだこれからもっと成長していきたいし、もっと強くなった自分を見せたいので、引き続き応援よろしくお願いします!」

 

諦めずに挑み続けることで、新たな扉を開いた松田。この東京、パリオリンピックへの挑戦で、自分を信じ、努力し続けることの大切さを教えてくれた。そして、日本のサーフィンの在るべき姿も見せてくれた。新たな一歩を踏み出した松田詩野を、これからも応援したい!
Go!Shino!Go!Japan!

 

 

・NAMINORI JAPAN(日本代表選手)結果

[ 女子 ]
松田 詩野  9位

[ 男子 ]
稲葉 玲王  5位

五十嵐カノア 9位
コナー柄沢オレアリー  9位


 

名 称:Olympic Games Paris 2024
主 催:国際オリンピック委員会 (IOC)
運 営:国際サーフィン連盟(ISA)   
期 間:2024年7月27日(土)~8月6日(火)
開催地:フランスポリネシア領 タヒチ(チョープー)

 

オリンピック
https://olympics.com/ja/paris-2024

サーフィン競技
https://olympics.com/ja/paris-2024/sports/surfing

国際サーフィン連盟(ISA)
https://isasurf.org/event/paris-2024/

日本サーフィン連盟(NSA)
https://www.nsa-surf.org/

NAMINORI JAPAN: Instagram
https://www.instagram.com/naminori_japan/

NAMINORI JAPAN:Youtube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCdiDZFX1TMeZN5gPEutOunQ

 

 

大会最終日の見逃し配信
https://www3.nhk.or.jp/sports/olympics/video/detail.html?scheduleSessionId=90cfe602-7da4-d224-cabc-845af2ccd976

大会4日目の見逃し配信
https://www3.nhk.or.jp/sports/olympics/video/detail.html?scheduleSessionId=d44e06a2-163f-5239-c359-1f5d47e3f316

大会3日目の見逃し配信
https://www3.nhk.or.jp/sports/olympics/video/detail.html?scheduleSessionId=26687a05-82c5-33ec-2ad8-e431b2f539f4

大会2日目の見逃し配信

https://www3.nhk.or.jp/sports/olympics/video/detail.html?scheduleSessionId=cfe6b73c-8060-1d4e-0529-21cbe9016090

大会初日の見逃し配信
https://www3.nhk.or.jp/sports/olympics/video/detail.html?scheduleSessionId=83497ebd-f45b-d47e-f281-9edbe9bcad9f

 

パリオリンピックに出場した日本選手団が13日、帰国し羽田空港にも多くのファンが出迎えた。
卓球 早田ひな、平野美宇、張本美和
ブレイキン 半井重幸/Shigekix、湯浅亜実
スポーツクライミング安楽宙斗、スケートボード開心那