フランス領ポリネシア、チョープー – 2024年8月1日
タヒチにて行われているパリオリンピック・サーフィン競技は、コンディション不良のため2日間のレイデイが続いていたが、波は3-5フィートレンジまで落ち着き試合が再開。
女子のR3に続き、男子準々決勝が行われ、稲葉玲王はH1でペルーのアロンソ・コレアと対戦した。
10フィートのコンディションで行われたR3で世界チャンピオンのフィリッペ・トリードと対して、見事な勝利を収め、準々決勝進出を決めた稲葉玲王。
先輩サーファーの故・小川直久プロの意志を受け継いで大波にチャージする姿には、多くのパワーが感じられた。今日は稲葉玲王が求める大波は入ってくるのか。今日は波のサイズが小さいためか、稲葉は小川のヘルメットは着用せずにパドルアウトした。
稲葉はオープニングライドでビッグセットを掴み、2ターンコンビネーションで2.87をスコア。コレアはそれに対し2.57をスコア。稲葉が僅かにリードをとる。しかしパワフルなマニューバーを披露するコレアは4.17をスコアし逆転。
稲葉はバレルになる波を見つけ出し、見事メイクし7.33をスコアしてトップを奪い返す。残り時間は10分を切った。コレアはニード6.00でクリティカルなリエントリーをメイク。リスキーなマニューバーに6.33がスコアされて再びトップに立つ。
残り時間は5分。稲葉のニードスコアは3.17。しかし終盤セットは入らず。そのままタイムアップとなり、惜しくも稲葉玲王はここで敗退となった。
激しいデッドヒートを繰り広げた稲葉玲王。カノア、コナー、そして松田詩野が敗れて、日本最後の砦となり、プレッシャーが彼の肩に重くのしかかった。
それを跳ね除け見事なバレルライドを披露した稲葉だったが、バックアップを見つけることが出来なかった。しかし、ラウンド3で見せたあの大波へのチャージは日本のファンの心に刻まれ、世界中のサーファーに稲葉玲王の存在をアピールした。
素晴らしい感動を与えてくれた波乗りジャパンに感謝したい。ありがとう!波乗りジャパン!
男子の準々決勝
H1:アロンソ・コレア vs 稲葉玲王
H2:カウリ・ヴァースト vs ジョアン・ドゥル
H3:ガブリエル・メディーナ vs ジョアオ・チアンカ
H4:ジャック・ロビンソン vs イーサン・ユーイング