パリオリンピック2024のサーフィン競技は、南太平洋に浮かぶタヒチ島のチョープーで開催。
今大会は、サーフィンの歴史に刻まれる名勝負の数々が繰り広げられ、男女のクオーターファイナルが終了。
しかし男女のベスト4が決定した時点でコンディション不良のため延期を強いられた。そして、大会期間の最終日にようやく試合再開。ファイナルデイは男女準決勝。3位決定戦、決勝までが行われた。
男子準決勝ヒート1 – では、ペルーのアロンソ・コレアとフランスのカウリ・ヴァーストが対戦。ヒート前半はヴァーストがリードするも、終盤に入りコレアがバレルとリエントリーのコンビネーションで5.67をスコアして逆転。
しかし、この波で育ったヴァーストはローカルナレッジを使い、見事なバレルライドとビッグターンをコンビネーション、5.84と5.13をスコアして逆転してファイナルへ勝ち上がった。
男子準決勝ヒート2 – では、ブラジルのガブリエル・メディーナとオーストラリアのジャック・ロビンソンが対戦。CTサーファー同士の事実上のファイナルは、スローな展開。両者優先権のない中で肩が触れるほど接近して波を待つ二人は一触即発。
そんな中でフォアハンドのメディーナがラディカルターンを連発し6.33をスコア。ロビンソンは、バックハンドのグラブレールで見事なロング・バレルライドとリエントリーをコンビネーション。7.83をスコアし、バックアップ4.50でヒート前半をリードした。
その後セットが入らずメディーナは優先権を維持し、1ライドのままでヒート終盤へ。メディーナのニードスコアは6.01。スタートに掴んだ波と同レベルが必要なのは明らかだが、そんな波は入ってこない。そのままタイムアップとなり、メディーナは不完全燃焼。ロビンソンがファイナルへ勝ち上がった。
女子準決勝ヒート1 では、アメリカのキャロライン・マークスとフランスのジョアン・ディフェイが対戦。ヒートはディフェイがバックハンドの2ビッグターンでスタート。5.67をスコア。続けてバックアップを見つけ4.00をスコア。波数の少ない中でアドバンテージを取る。
じっくりとセットを待ったマークスは、ビッグセットをキャッチ。ビッグターンを繰り出して5.17をスコア。マークスは続けて再びサイズのある波を掴み、ターンからバレルをメイク。5.00をスコアして逆転。
しかし、ディフェイも掘れ上がるセットを掴み、バックハンドでクリティカルなポケットで2つのビッグターンを決めて6.50をスコア。再びトップを奪い取る。
それに対しマークスは終盤に入り、ヒート最大のセットを掴み、バレルをメイクしビッグターンとインサイドのリエントリーをコンビネーション。7.00をスコアして大逆転。そのままマークスが逃げ切りファイナルへ勝ち上がった。
女子準決勝のヒート2 では、ブラジルのタティアナ・ウェストン-ウェブとコスタリカのブリサ・ヘネシーが対戦。オープニングライドは、タティアナがゲット。ヘネシーも続けて波を掴むも両者ともロースコアでのスタート。
そんな中でヘネシーがタティアナの波の前乗りを侵しインターフェアを取られ、ベスト2の1本が削られる展開に。
ビッグミステイクを犯したヘネシーだったがバックハンドでチャージし6.17をスコア。しかし5.33を4.00でバックアップしたタティアナが完全にヒートをコントロール。最後はバレルライドを決めて、エクセレントの8.33をスコア。ゴールド・メダルマッチへ勝ち上がった。
ブラジルのガブリエル・メディーナが銅メダル。
男子の3位決定戦ではブラジルのガブリエル・メディーナとペルーのアロンソ・コレアが対戦。東京オリンピックでは、同じ3位決定戦でオーウェン・ライトに敗れてメダルを逃したメディーナ。今回は絶対に負けられない戦いだ。
しかし、好調なコレアが6.83と5.00をスコアしてヒートをコントロール。3度の世界チャンピオンであるメディーナと、ほぼ無名なコレアの戦いは、メディーナの圧勝と誰もが考えた。しかし試合は予想外の展開となった。
追い込まれたメディーナだったが、後半に入り、チャンピオンの維持を見せてロングバレルをメイク。7.50をスコアして逆転に成功。さらにバレルライドを決めたメディーナは7.77をスコア。リードを広げる。最後はメディーナらしいパワーマニューバーを披露して、7.77を追加して圧勝。
ガブリエル・メディーナがパリオリンピック銅メダルを獲得した。
フランスのジョアン・ディフェイが銅メダル
女子の3位決定戦では、コスタリカのブリサ・ヘネシーとフランスのジョアン・ディフェイが対戦。ヒートはディフェイが先制。準決勝のバックハンドで激しくチャージ。5.83と5.57をスコアしてヒートをコントロール。ヘネシーはスコアを伸ばせず、ニードスコアは8.40と大差を付けられ、波選びも慎重になる。
ディフェイは優先権を持たない中でも攻撃の手を緩めず、激しいパワーマニューバーで6.83をスコア。リードを広げる。そのままディフェイが圧勝。
フランスのジョアン・ディフェイが銅メダルを獲得した。
フランスのカウリ・ヴァーストが金メダル!
男子決勝では、オーストラリアのジャック・ロビンソンとフランスのカウリ・ヴァーストが対戦。ヒートはこの波を知り尽くすタヒチのヴァーストがディプナバレルライドでヒートを開始、本日の最高得点となるエクセレントの9.50をスコア。
バックアップも素晴らしいバレルをメイクし2本目のエクセレント8.17をスコア。開始早々に圧倒的なリードを取る。ロビンソンもバックハンドでバレルをメイクし7.83をスコア。
ヒート前半に入ったなみも後半にピタッと止み、ロビンソンはワンライドのみでヒート終盤戦へ。そのままセットは入らず。
この波を知り尽くすタヒチのヴァーストが、開催国のフランスに金メダルをもたらした。
キャロライン・マークスが金メダルを獲得
女子の決勝では、アメリカのキャロライン・マークスとブラジルのタティアナ・ウェストン-ウェブが対戦。
男子のファイナルの後半を引きずる様に女子のファイナルもセットが入らない。約10分間、両者とも波に乗らず。
タティアナがオープニングライドを掴むも、レイトテイクオフとなりワイプアウト。マークスもビッグセットを掴むも、レイト気味でプルアウト。
どちらも決定的な波を掴めないまま、ヒート後半へ。マークスがビッグセットを掴み、見事なバレルをメイク。エクセレントに迫る7.50をスコア。波数が極端に少ない中で大きなアドバンテージを取る。
マークスは東京オリンピックの3位決定戦で日本の都筑有夢路に敗れ、メダル獲得を逃した。今回はメダルを獲得することを目指してタヒチ入りしていた。
後手に回ったタティアナは波を掴んでバレを狙うも、深いポジションをキープ出来ずにスコアを伸ばせないが、5.83をスコアしてニード4.68まで追い上げる。ヒート終盤、タティアナはラストウェイブチャージ。3ターンコンボを決めるがスコアは4,50と僅かに届かず。
キャロライン・マークスが勝利し、金メダルを獲得した。