CT第6戦 SHISEIDOタヒチ・プロがついに開幕。世界チャンピオン、ルーキー、ワイルドカードが快進撃を見せる

ワイルドカードのヴァヒネ・フィエロ(FRA)© WSL / Matt Dunbar

2024年5月25日(土)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2024チャンピオンシップ・ツアー(CT)第6戦「SHISEIDO タヒチ・プロ Presented by Outerknown」、タヒチの象徴であるチョープーで6~8フィートのソリッド・コンディションでスタート。

 

本日のコンペティションでは、男女のオープニング・ラウンドが終了し、女子エリミネーション・ラウンドでは、世界ランキング1位のケイトリン・シマーズ(USA)を含む、4人の選手が早くも大会から姿を消した。

 

 

今日のトップスコアには、タヒチのヴァヒネ・フィエロ(FRA)が9.33、2024CTルーキーのソイヤー・リンドブラッド(USA)が9.43、オーストラリアのライアン・カリナンが9.10をマーク。3名とも太くクリティカルなチューブの中をマニューバーし、レイト気味なテイクオフと深いプルインでスピットと共に、あるいはスピットの後にバレルをメイクした。

 

 

巨大なスウェルが接近しているため、全てのコンペティターは、来週に大波が来る可能性に注目している。ネクストコールは明日、5月26日(日)午前7時15分(TAHT)。

 

タヒチのヴァヒネ・フィエロがSHISEIDOタヒチ・プロの初日を飾る。

 

ヴァヒネ・フィエロ(FRA)© WSL / Matt Dunbar

 

今大会のワイルドカードであるヴァヒネ・フィエロ(FRA)は、今大会を通して注目の選手であることは知られていたが、今朝のオープニング・ラウンドでの圧倒的なパフォーマンスで、タヒチ出身の彼女はそのことを明確にした。

 

このローカル・チャージャーは、この特別な波での大胆不敵さとスキルの高さは有名で、彼女はパーフェクトに近い9.33(10点満点)をマークし、高いハードルを設定した。

 

ヴァヒネ・フィエロ(FRA)© WSL / Matt Dunbar

 

2本のウェイブ・コンバインド・スコア14.17(20点満点)を叩き出したものの、世界ランキング1位のケイティー・シマーズ(USA)は、2度の世界チャンピオンに輝いたタイラー・ライト(AUS)と共にエリミネーション・ラウンドで敗れた。

 

「今日は素晴らしいコンディションに恵まれた。」と語ったフィエロ。「このイベントであんなに良い波に恵まれたのは初めてです。波がスローでしたけど、いつ来ても良い波。ケイトリン(・シマーズ)が良いスコアでスタートしたので、自分は1本来るのを待っていたんですが、本当に急に1本が来たので、一生懸命パドルしました。

競技シーズン中、ここで開催されるのはこの大会だけ、 だから、ホームでみんなのエネルギーを感じられるのは本当にうれしいし、特別なことなんです」。

 

ソイヤー・リンドブラッド© WSL / Ed Sloane

 

ルーキーのソイヤー・リンドブラッドがここまでのイベント・ハイエスト・ウェイブをスコアし、世界No.1のケイティ・シマーズを下した。

 

オープニング・ラウンドのヒート4では、キャロライン・マークス(USA)が勝利したものの、2024CTルーキーのソイヤー・リンドブラッド(USA)が、これまでのキャリアで最もパーフェクトに近い9.43(10点満点)をマーク。

 

素晴らしいパフォーマンスにも関わらず、リンドブラッドはセカンドスコアを獲得することができず、世界ランキング3位のモリー・ピックラム(AUS)と共にエリミネーション・ラウンドへ。

 

「ずっと夢見ていた瞬間でした」とリンドブラッドは語った。「正直なところ、タヒチは初めてで、この波には本当に怯えたけど、恐怖に飲まれたら自分が嫌になると思ったんです。だから、あの波が来るのが見えたら、転んでもいいから、とにかく行くしかないと思っていた。自分のためにそうしなければならなかったんです」。

 


リンドブラッドは、エリミネーション・ラウンドの第1ヒートで親友で現在世界ランキング1位のケイティ・シマーズ(USA)と対戦した。2023年の準優勝者でもあるシマーズにとってまさかの展開で、シマーズがバックアップの波を見つけるのに苦労する中、ルーキーのリンドブラッドが0.50ポイント以下の僅差でヒート勝利をもぎ取った。シマーズは9位でタヒチを後にした。

 

ケリー・スレーターとカリッサ・ムーアが経験値の違いを見せつける

 

ケリー・スレーター(USA))© WSL / Matt Dunbar

 

11度の世界チャンピオンに輝いたケリー・スレーター(USA)は、2024年シーズン2度目のヒート勝利を収めた。慣れ親しんだ海に戻ってきたベテランのスレーターは、ディフェンディング・イベント優勝者のジャック・ロビンソン(AUS)とラムジ・ブーキアム(MOR)を下した。

 

CT最年長の52歳でありながら、この波で最も経験値の高いスレーターはこの場所でCT5勝を挙げ、2度のパーフェクト・ヒートを達成している。

 

彼は今日のヒートで7.67と6.83をスコアし、信じられないほど快適そうだった。ブーキアムは8.33をマークしてスレーターに挑んだが、惜しくも敗退。世界最高のバレル・ライダーの一人と評価されているロビンソンにとって、このヒートはらしくない敗戦となった。ロビンソンは昨年1ヒートも落とさなかったが、競技再開時には恐ろしいエリミネーション・ラウンドから復活する必要がある。

 

ケリー・スレーター(USA)© WSL / Ed Sloane

 

「今の波にはテクニカルな面がたくさんある」とスレーターは言った。「今日、みんなが思っているより深くテイクオフできるのは、ストールする前に1回余分にパンプできるからだ。スローな波なので、3本目、4本目のスコアが出ないので、そのヒートでベストウェイブを出した人が勝つだろう。

これから来るスウェルは良さそうだから、2、3日のオフとタヒチでのグルーブを楽しみたいし、週の中盤にはそれに乗りたい。『ケリー・スレーター、ヒート・ウィナー 』を久々に聞いたような気がするよ。」

 

5タイム・ワールド・チャンピオンのカリッサ・ムーア(HAW)は、SHISEIDOタヒチ・プロのファースト・ヒート(ヒート3)を終え、クオーターファイナル進出を決めた。

 

カリッサ・ムーア(HAW)© WSL / Ed Sloane

 

ムーアは、世界ランキング2位のジョアン・ディフェイ(FRA)とベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)と対戦し、今シーズン印象的なパフォーマンスを見せたが、イベント・ワイルドカードを上回ることはできなかった。

 

今年初め、ムーアはフルタイムの試合から無期限の離脱を発表したが、その中にはこのイベントと2024年のパリ・オリンピックに向けて、この難しい波でのテクニックを向上させるために、この場所へのストライク・ミッションも含まれていた。

 

ディフェイとサクラ・ジョンソンは、ムーアのウェイブスコア6.50と4.43に及ばず、エリミネーション・ラウンドへ回った。

 

「ワイルドカードでここに来れたことにとても興奮しているし、出場権を獲得できたことに本当に感謝している」とムーアは語った。

 

「ここは全世界で最も特別な波のひとつで、時間と敬意を払うに値する波です。もう3週間くらいここにいるけど、本当に楽しんでいるし、たくさんのことを学んでいます。この波は恐ろしくもあり、同時に素晴らしくもある。目の前に水の壁が立ちはだかるのを見ると、たとえそれが3~4フィートだとしても、本当に怖くなる。でも、あのドロップを決めたときの高揚感、そして成功するかどうかの不安、その中で踊るダンスは本当に美しいし、 チューブから出てきたときの感覚は、世界でベストなフィーリングの一つですね。」

 

世界チャンピオンのマークス、メディーナ、フローレンス、フェレイラ、ライトが勝ち進む

 

キャロライン・マークス(USA)© WSL / Ed Sloane

 

現世界チャンピオンのキャロライン・マークス(USA)は、タヒチ・プロ・キャンペーンの幕開けをヒート勝利で飾った。22歳のマークスは、ソリッド・チューブでエクセレントな8.00とバックアップ4.67をスコアし、リンドブラッドとモリー・ピックラム(AUS)に勝利した。「タヒチとここチョープーには良い思い出がある。

 

「タヒチとここチョープーにはいい思い出があるんです」と語ったマークス「18歳の誕生日をここで過ごしたし、去年はここで優勝したし、世界で最も好きな場所のひとつです。自分にとって世界で最もチャレンジングな波のひとつでもあるし、オリンピック会場にもなったから、楽しみが増えました。

昨年、ここで優勝できたことは大きな自信になりましたが、チョープーのいいところは、いい波を選べば、波が自分のために多くのことをやってくれること。魔法のような波で、あのヒートで何本かファンウェイブを決めることができて楽しかったです。」

 

タイラー・ライト(AUS)© WSL / Ed Sloane

 

エリミネーション・ラウンド3では、タイラー・ライト(AUS)が世界ランキング2位のジョアン・ディフェイ(FRA)を下した。CT唯一のフランス代表であるディフェイは、2024年パリ・オリンピックの会場と同じこのイベントでの期待が高まっていた。

ディフェイはヒートを力強くスタートし、パーフェクトなバックハンドテクニックで素晴らしいチューブライドで8.83をマークした。ライトは、素晴らしいチューブ・ライドで反撃すると、2ウェイブ・トータルをスコアして14.60をマークし、クオーターファイナル進出を決め、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)と対戦する。

 

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)© WSL / Matt Dunbar

 

2度のワールド・チャンピオンであるジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、素晴らしい波でそのスキルを披露し続けている。彼の基準からすると低めのスコアだが、フローレンスは13.77のコンバインド・スコアを獲得し、それぞれ9.60と7.80をスコアした和井田リオ(INA)とヤゴ・ドラ(BRA)に勝利した。

 

タヒチでの初優勝を目指すフローレンスは、この大会の数日前に妻のローリン・クリブとの間に第一子を授かったばかりで、さらに感慨深いものがある。チョープーでの勝利は、個人的な勝利であると同時に、成長する家族にとっても意味のある勝利となるだろう。

 

「とても楽しいよ」とフローレンスは言った。「遊び心があって、バレルがパーフェクトなんだ。あのヒートは少しスローだった。でも、すごく楽しかった。ここが地球上で最も特別な場所のひとつであることは、今いる場所、人々、すべてからわかる。

とても美しい場所だし、ここに戻って来て、この素晴らしい波でサーフィンできることが大好きで、とても幸運だと感じている。目標は常に優勝です。いいスウェルがたくさん来ているようだから、すごく楽しみです。数年前、10フィートの波がノンストップだったときのような波になるといいね。」

 

ガブリエル・メディーナ(BRA)© WSL / Matt Dunbar
ガブリエル・メディーナ(BRA)© WSL / Ed Sloane

 

3度のワールド・チャンピオンであるガブリエル・メディーナ(BRA)は、ヒート6でイマイカラニ・デヴォルト(HAW)とジェイク・マーシャル(USA)を相手に、同じくミッドレンジ・スコアでヒートを力強く勝ち上がった。

メディーナは、タヒチで2度の優勝(2014、2018)と4度の準優勝(2015、2017、2019、2023)を経験している。30歳のメディーナは現在ランキング14位だが、ここで好成績を収めれば、WSLファイナル5入りの可能性がある。

 

メディーナは「ここはツアーで最も好きな場所のひとつだ」と語った。「またここに来れたことを嬉しく思う。予報は良さそうだ。今日はスローな感じで、実際ヒートはかなりスローだった。序盤は、パドリングしているだけで多くのチャンスを失ったように感じたし、本当に仲の良い2人を相手にサーフィンをするのはちょっと難しい。彼らはすでに少しチームを組んでいたような気がするけど、でも、僕は成功したことにストークしているし、来週に向けていい感じだよ」。

 

 

混戦模様のネクスト・ジェネレーション

 

ケイティ・シマーズ(USA)© WSL / Matt Dunbar

 

世界No.1のシマーズがドローから外れ、No.3のモリー・ピックラム(AUS)はエリミネーション・ラウンドに送られ、親友のベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)と対戦した。

 

イベントのホープである2人は、素晴らしい波でのコミットメントとバックハンド・バレルライドの能力で知られていたが、ヒート中に海がスローダウンしたため、ターンを余儀なくされた。サクラ・ジョンソンはピックラムを上回ることが出来ず、両選手ともソリッドなスコアを記録することは出来なかった。

 

この日の最終ヒートでは、2024年フォーム・サーファーのガブリエラ・ブライアン(HAW)が、チョープーで活躍するブリサ・ヘネシー(CRC)と対戦した。ヘネシーは序盤からリズムを掴み、短いチューブ・ライドとターンでミッドレンジのヒート・トータルをスコア。ヘネシーは競技再開後、女子のクオーターファイナルのオープニング・ヒートでムーアと対戦する。

 

五十嵐カノアがタヒチのオープニングラウンドでエクセレントをスコアしてトップ通過。CT第6戦 SHISEIDOタヒチ・プロ開幕。

 

 

SHISEIDO Tahiti Pro Presented by Outerknown

女子オープニングラウンド結果:
HEAT 1:タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)10.34 DEF. ブリサ・ヘネシー(CRC)8.16、ガブリエラ・ブライアン(HAW)1.53
HEAT 2:ヴァヒネ・フィエロ(FRA)16.13 DEF. ケイトリン・シマーズ(USA)14.17、タイラー・ライト(AUS)2.30
HEAT 3: カリッサ・ムーア(HAW)10.93 DEF. ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)10.20、ジョアン・ディフェイ(FRA)9.10
HEAT 4:キャロライン・マークス(USA)12.67 DEF. ソイヤー・リンドブラッド(USA)9.43、モリー・ピックラム(AUS)4.17

男子オープニング・ラウンド結果:
HEAT 1:イーサン・ユーイング(AUS)13.23 DEF. セス・モニーツ(HAW)12.33、コナー・オレアリー(JPN)7.66
HEAT 2:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)13.77 DEF. 和井田リオ(INA)9.60、ヤゴ・ドラ(BRA)7.80
HEAT 3:ケリー・スレーター(USA)14.50 DEF. ラムジ・ブーキアム(MAR)12.83、ジャック・ロビンソン(AUS)11.24
HEAT 4:イタロ・フェレイラ(BRA)13.30 DEF. ミヒマナ・ブレイ(PYF)11.66、グリフィン・コラピント(USA)11.47
HEAT 5:ジョーディ・スミス(RSA)12.77 DEF. マシュー・マクギリブレイ(RSA)11.43、クロスビー・コラピント(USA)10.56
HEAT 6:ガブリエル・メディーナ(BRA)11.90 DEF. イマイカラニ・デヴォルト(HAW)6.80、ジェイク・マーシャル(USA)2.20
HEAT 7:ライアン・カリナン(AUS)15.60 DEF. リアム・オブライエン(AUS)11.60、バロン・マミヤ(HAW)9.90
HEAT 8:五十嵐カノア(JPN)13.10 DEF. コール・ハウシュマン(USA)11.70、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)5.14

女子エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT 1:ソイヤー・リンドブラッド(USA)9.06 DEF. ケイトリン・シマーズ(USA)8.76
HEAT 2:モリー・ピックラム(AUS)7.73 DEF. ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)6.94
HEAT 3:タイラー・ライト(AUS)14.60 DEF. ジョアン・ディフェイ(FRA)13.76
HEAT 4:ブリサ・ヘネシー(CRC)8.63 DEF. ガブリエラ・ブライアン(HAW)3.90

男子エリミネーション・ラウンド・マッチアップ:
HEAT 1:グリフィン・コラピント(USA)対ミヒマナ・ブレイ(PYF)
HEAT 2:コール・ハウシュマン(USA)対レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
HEAT3: ジャック・ロビンソン(AUS) vs. ヤゴ・ドラ(BRA)
HEAT 4:リアム・オブライエン(AUS) vs. ラムジ・ブーキアム(MAR)
HEAT 5:ジェイク・マーシャル(USA) vs. コナー・オレアリー(JPN)
HEAT 6:イマイカラニ・デヴォルト(HAW) vs. 和井田リオ(INA)
HEAT 7:バロン・マミヤ(HAW) vs. マシュー・マクギリブレー(RSA)
HEAT 8:クロスビー・コラピント(USA) vs. セス・モニーツ(HAW)

SHISEIDO Tahiti Pro Presented by Outerknown女子クオーターファイナル:
HEAT 1:ブリサ・ヘネシー(CRC) vs. カリッサ・ムーア(HAW)
HEAT 2:キャロライン・マークス(USA)対ソイヤー・リンドブラッド(USA)
HEAT 3:モリー・ピックラム(AUS)対ヴァヒネ・フィエロ(FRA)
HEAT 4:タイラー・ライト(AUS) vs タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)

詳細はWorldSurfLeague.comをご覧ください。

 

オフィシャルサイト:

SHISEIDO Tahiti Pro

Presented By Outerknown

Teahupoʻo, Tahiti, French Polynesia