現地からオーストラリアの最新情報を伝える【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第46回となる今回は、CS第1戦 Bonsoy Gold Coast Proに集まった日本人選手たちの試合前の姿や、パーコズ・ジュニアプロ、オーストラリアのCTレッグなど。最後はメンタワイの極上ボートトリップ。
取材、文、写真:菅野大典
4月のゴールドコースト。
夏が過ぎ、秋の雰囲気が漂っています。
初旬は天候が崩れたものの、その後は快晴の日が続いた4月のゴールドコースト。日中は20度前後の気温でとても過ごしやすい季節となっています。
カフェでコーヒーを買って見晴らしの良い場所で時間を過ごすのがここに住んでいるオージーの朝のルーティン。海沿いの歩道も綺麗に舗装されているので、ジョギングしている人や散歩を楽しむ人が多く見られます。
夏の間に設けられるデイライトセービング(サマータイム)も終了し、日照時間も短くなって来ましたが、ゴールドコーストのビーチは人気。まだまだ水温も温かくビーチライフを楽しむ人がたくさんいます。
温暖な気候のゴールドコースト。ビーチは1年中遊び場となっています。
空気も澄んで夕焼けも綺麗な日がたくさんありました。
ゴールドコーストの波の状況は、先月のサイズのあるコンディションが終わり、アベレージなコンディションが続きました。
一時は地形が崩れたものの再び形の良いブレイクを見せるようになったスナッパーロックス。
サイズは小さいながらもたくさんのサーファーが集まっています。
サイズを拾いやすいスウェルマグネットのD-BAHは常に人気。夕方遅くなるまでたくさんのサーファーが集まっています。陸では親御さんがビデオ撮影。混雑しているので探すだけでも一苦労。
夏の時期には朝早くから風が吹いていましたが、気温が涼しくなりオフショアの吹く時間も長く、朝方はオープンビーチのコンディションが良い日も多くありました。
ロングピリオドのうねりが入ったタイミングで、日本人サーファーと共にサウスストラディーの島へ。CS出場の為にゴールドコーストに戻ってきた都筑有夢路と田中透生。
果敢にチューブを狙うアムちゃん。大小どんな波でもパフォーマンスできるサーフィンのスキルは非常に高い。
波に乗ったらとにかく楽しみな伊東李安流。バラエティ豊かなライディングはカメラを向けてて非常に面白い。
2週間ほどゴールドコースト修行に来た田中大貴。すでに来月から始まるインドネシアでのハイグレードQSに照準を合わせて、トレーニングを開始。
同じく久しぶりにゴールドコースト戻って来た山中海輝。プロサーファーでいながら多彩な活動をしているカイキは、まさに若いサーファーのお手本のような存在。
コンテストシーンには姿を見せなくなったが、最近はサウスコーストからベルビーチ、マーガレットリバーなどに行きウェイブハントとコーチングの活動に時間を費やしている相澤日向。混雑する中で形の良いセットのチューブをメイク。
4月から6月は季節の変わり目となり、比較的にオーストラリア全土でサーフィンのコンディションがよくなる時期。オーストラリアの南に位置するタスマニアにも大きなスウェルが入りビッグウェーブで有名なシップスターンがブレイクするなど、シーズン到来の雰囲気となっています。
ゴールドコーストに住むシェルドン・シムカスもスウェルが来ることを聞いてタスマニアへ。ボードショーツからフルスーツにブーツといった水温差で、縦にも横にも広いオーストラリアでは、場所によって気温も全然違います。
各州でスクールホリデーと重なっていたことから、オーストラリア全土でローカルイベントが開催。サンシャインコーストでは、ジュニアサーファーにとって重要なナショナルランキングに関わるイベントの1つである”Parko’s Junior Pro”が、6日から11日の6日間にかけて開催するなど、大会シーズンが開幕しています。
”オッキーズ・グロムコンプ”や”タジ・スモールフライ”といったイベントと共にビラボンが主催するイベントのパーコズ・ジュニアプロ。
アンダー18ディビジョンで優勝したフレッチャー・カラハー。来月行われるISAワールドジュニアサーフィンチャンピオンシップのオーストラリア代表に選出されました。
このイベントの他にもNSW州のコフスハーバーで、リップカールグロムサーチOZカップが20日〜24日の5日間にかけて開催。
全て1位通過を果たしファイナルへ進出した高橋花音。ファイナルではバックアップスコアを見つけれずに3位となってしまったが、このイベントのベストライディングアワードをもらうなど良い成績を残し、来月行われるISAワールドジュニアの試合に弾みをつけた。
そして何と言っても今月の1番のイベントといえば、ベルズビーチとマーガレットリバーで行われた、世界最高峰のイベントであるWSL CTイベントの”リップカール・プロ・ベルズ・ビーチ”と”ウエスタン・オーストラリア・マーガレット・リバー・プロ”
サーフメディアの記事でも連日お伝えしてきましたが、ミッドシーズンカットが決まる重要な2戦となっているオーストラリアのCTレッグは、様々なドラマがありました。
ベルズビーチで自身ベストとなるセミファイナルに進出した和井田理央。PHOTO : WSL/Aaron Hughes
ルーキー・シーズンでありながらベルズビーチで優勝したコール・ハウシュマンド。PHOTO : WSL/Aaron Hughes
ファイナルデイリポート(https://surfmedia.jp/2024/04/03/rip-curl-pro-bells-beach-presented-by-bonsoy-05/)
マーガレットリバーで兄ミゲル・プポとCT生き残りをかけた兄弟対決で勝利した弟サミュエル・プポ。PHOTO : WSL/Aaron Hughes
ワイルドカードとして2戦出場したジョージピッターはセミファイナルまで勝ち進む活躍。 PHOTO:WSL / Beatriz Ryder
男子史上最年少・最年長の世界チャンピオンであり、CT最多優勝記録を保持している11回の世界王者のケリー・スレーターも、ミッドシーズンカットによりCTから降格。多くの人が今までのケリーの偉業を讃えていた。
ベルズビーチでのコールに続き、ルーキーのソイヤー・リンドブラッドがファイナルへ。今シーズンはアメリカ勢が強い。PHOTO:WSL / Aaron Hughes
セミファイナルでは10ptを出したジョン・ジョン・フローレンス。ここでのイベントは本当に強い。PHOTO:WSL / Beatriz Ryder
そして、敗れた選手はメイドザカットを成し遂げれなかったサーファーは、27日から開催されるCSゴールドコーストオープンすぐさま移動。
地形も整い、形の良いブレイクを見せるスナッパーロックス。会場も出来上がり、陸にはたくさんのカメラマンが
名コーチ、ティム・マクドナルドと念密に話をしている都筑有夢路。
スナッパーロックスの波との相性ばっちりの大原洋人。上手い選手がたくさんいる中でも目立ったサーフィンをしていました。
その大原洋人と伊東李安流のコーチを務めるのは、先月バーレーボードライダーズをオーストラリアチャンピオンに導いた相澤日向。
CS2年生の都筑虹帆&松岡亜音も相澤日向にコーチを頼み、若きチームでスナッパーロックスに挑みます。
コンテストの模様は毎日日本人選手を中心にレポートさせていくのでお楽しみにしていてください!
先月の記事でも書きましたが、3月末から約2週間メンタワイのボートトリップに行ってきたのでその様子を書きたいと思います。
メンタワイといえばボートトリップと連想されるくらい究極のサーフトリップとして知られていますが、ひとえボートトリップと言っても、波の予報を読むガイドの良さや、ボートの設備、食事など、値段もクオリティーも各ボートによって様々。現在メンタワイ周辺には、約20台ほどのボートが停泊しているそうです。
近くには多くのリゾートもあるプレイグランド。周辺には様々な波がブレイクしておりメンタワイの中でも人気のエリアとなっています。
もちろん1年中稼働しているところもあれば、ハイシーズンの時期のみである年の半分ほどしか動いていないところもあり、それぞれの運営方法によって違いがあります。
今回は、メンタワイサーフトリップのSTAR KOAT 2に乗船させていただきました。
広々とした作りのスターコート2。綺麗なリビングエリア。12人という人数での貸切でしたが十分すぎる快適なスペース。ボートトリップといえばみんなで雑魚寝のイメージが多いですが、部屋は全室ツインルームの作り。2階となるデッキ部分には広いスペースがありサーフボードやボードショーツ等を干すスペースも。ここでサーフィンの準備をします。運転席の前の部分にはくつろげるスペース。ここから波を見たり昼寝したりと船上生活を楽しむ事ができます。
今回はシーズンイン(4月〜10月がハイシーズン)初めとなる巨大なうねりが入る事が予報されていて、みんなドキドキワクワク。日本から10人、オーストラリアから私が参加でしたが、まさかの火山の噴火により飛行機が飛ばず、、、次の日へ延期。次の日は無事に飛んだので、1日の遅延で済んだのですがトリップ初日からハラハラさせられました。
ちなみにコロナ明けの昨年は空港が思ったように機能せず、ボードバッグが届かなかったりなどといったハプニングがたくさんあったようですが、現在はスムーズに機能していました。
日程によって違いますが、日本からは23:50羽田発、クアラルンプール経由パダン行きで、わずか半日のスムーズなフライト。私は6:00ゴールドコースト発、シドニー経由ジャカルタ行き、1泊後パダンに出発という1日半の移動時間でした。パダンの港の沖合いにはたくさんのボートが停泊。混雑する有名なポイントから貸切になるポイントまで様々。ガイドの腕によってもサーフトリップの満足度が変わります。 椰子の木に囲まれたこのロケーションで貸切のサーフィンは格別。 スピードボートからの撮影は揺れて大変ですが、横からのいいアングルの写真も撮れる。コロナ以前から毎年一緒にボートトリップに参加させてもらっている遠田真央プロ。ガイド以外で船内に知識のあるサーファーがいるのは心強いです。 朝起きたら目の前はサーフポイントで、夕暮れまで自由な時間に何ラウンドも。板を振ったら小舟が迎えにきてくれるという最高に贅沢。 2日目にはうねりが入る予報とあって、なかなかコンディションが整いにくいライフルズもブレイク。チューブを決める遠田真央。貸切の時間帯もあって最高のセッションができました。 今回一番良かったと言われるAフレーム。こんな形の良いのは本当にレアだと近くのリゾートのスタッフも言っていました。撮影でカンドゥイリゾートに滞在中だった大野修聖。うねりが入ってくると聞いて滞在を伸ばしたそう。奥から何本もチューブをメイクしていました。 ジョッシュ・カーとシエラ・カー親子。40歳のバースデートリップにとうねりを聞きつけメンタワイ入り。 レニックス・スミスやヒューイ・ボーンといった若手オージーサーファーの姿もありました。世界中の動き回るオージーのフットワークは本当に軽い。 13歳ながら初めてボートトリップを経験した宮崎の小林コウタロウ。Aフレームでのトップ選手とのセッションでは周りに感化されたのかどんどんいいターンをするようになっていってました。船の中から遠田真央と一緒に波を見るコータロー。若い時から世界にあるたくさんのいい環境を経験できる事はとても大きな経験。将来的には選手として活躍したいと言っており、今後この環境での経験がどのように生かされていくのか楽しみです。
その後もうねりが下がるものの、ポイントを移動すれば最高のコンディション。ポイントの宝庫と呼ばれるだけあって、少しのうねりの方角でコンディションが全く違う感じに。気づけば10日間まるまる毎日いいコンディションでサーフィンを楽しめました。
綺麗な夕焼けの中でサーフィン、仲間で貸切セッションは最高の贅沢です。 波がブレイクする前にボートを付けて、シンプルにやりたいことをやる。ヨガをやったり、瞑想したり、釣りをしたり、シュノーケリングをしたり、映画を見たり。サーフィンだけでなく自分の好きな事をする。
夢のような最高の船上生活を味わうことができました。
菅野大典:オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。
INSTAGRAM :https://www.instagram.com/nojiland/