番狂わせ続出の波乱の2日目。レクサス・パイプ・プロ 男子のクオーターファイナル進出が決定。

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)© WSL / Bielmann

バンザイ・パイプライン、オアフ島、ハワイ、USA(2024年2月6日火曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2024チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第1戦、レクサス・パイプ・プロ・プレゼンテッド・バイ・イエティ(Lexus Pipe Pro Presented by YETI)は、男子のラウンドオブ32とラウンドオブ16を終え、大会2日目を終了。

 

エキサイティングなアクションの連続かと思えば、スローヒート。大番狂わせもあれば、圧倒的な強さを見せるヒートもあり、対照的な一日となりった。

 

ラインナップは最初少し乱雑だったものの、一日を通してクリーンなものとなり、世界ベストの男子サーファーたちによるマジック・パイプラインの瞬間を提供。ラウンドオブ32では、新鋭や実績のあるCT選手が見事なショーを披露する中、イベント優勝候補やWSLチャンピオンが早々に敗退し、番狂わせも多発した。

 

 

 

2度の世界チャンピオンに輝いたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、今日もパイプラインで素晴らしい演技を披露。彼のラインナップとの関係が本当に唯一無二であることを証明した。

 

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)の独り舞台

 

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)© WSL / Bielmann

 

まさにこの波で育った31歳の彼は、ワールド・ヘビー・スポットの1つであるパイプラインで独自の心地よさを体得。彼のウェイブ・セレクションとライトとレフトの両方を操り、それぞれで最も深いセクションを見つける方法は他の追随を許さず、彼はこの日最初のヒートでパーフェクトに近い9.17(10点満点)を含む17.34という驚異的なヒート・トータル(20点満点)を記録したのだった。

 

 

次にフローレンスが対戦したのは、このイベントで注目のカラム・ロブソン(AUS)。ロブソンは、この日の序盤に非常にヘビーなバックドアバレルで9.33という今イベントのシングルウェイブ最高得点をマーク。その後、激しいバトルが繰り広げられ、フローレンスが勝利を収めた。

 

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)© WSL / heff

 

「このようなヒートは、いつも勝ち上がれて嬉しいものです。波数が少ないし、自分がやりたいような戦いをするのは難しいですからね。」とフローレンスは言った。

「僕のヒートのすぐ後にカラムが9をゲットして、彼はこのコンディションでは恐怖ですね。もっと良い波が欲しいという事しか考えていませんでした。今年はかなり楽しみですね。体調もいいし、精神的にも去年より良くなっていると思います。」

 

波乱のパイプライン、WSLチャンピオン、CTエリートが次々と敗退

 

イーサン・ユーイング© WSL / Bielmann

 

比較的スローなヒートとなった第1ヒートで、世界ランキング2位のイーサン・ユーイング(AUS)は、2023年の勢いを開幕戦までキープするために、大きなハードルをジャンプアップ。

このオーストラリア人は、バックドアで11度の世界チャンピオンに輝いたケリー・スレーター(USA)を2本の素晴らしいチューブで退け、一方スレーターは何度かヒヤリとする場面もあったが、バンピーなラインナップで出口を見つけることが出来なかった。

 

イーサン・ユーイング© WSL / heff

 

「ケリーとの対戦はいつも緊張するけど、エキサイティングでもある」と言ったユーイング。

「彼はいつも大好きなサーファーの1人で、ここでサーフィンする最も偉大なサーファーでしょう。できるだけ多くの時間をここで過ごしたかったんです。この波はとてもチャレンジングで、色々な顔を持っているので、出来るだけ多くのことを学びたいと思っています。」

 

ユーイングは、ラウンドオブ16でもソリッドな2ウェイブ・コンビネーションでリアム・オブライエン(AUS)を退け、パイプでのキャリアで初めてクオーターファイナルに進出した。

 

ディフェンディング・ウイナーのジャック・ロビンソン(AUS)もまたモーニング・シックネスの犠牲者。リプレイスメント・サーファーのラムジ・ブキアム(MAR)がロビンソンを下し、大番狂わせを引き起こした。


そして、2019年のパイプ・プロ優勝者でWSLチャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)とCTベテランのジョーディ・スミス(RSA)のヘビー級対決が展開。

 

ジョーディ・スミス© WSL / Bielmann

 

フェレイラはセンセーショナルなバックハンドで8.87(10点満点)をスコア。しかし、スミスは残り数秒でヒートをひっくり返すバックドアの珠玉の技を披露し、17位のフェレイラを下してラウンドアップを決めた。

ブキアムとスミスはラウンドオブ16で対戦し、スミスは今回もチャンスを逃すことなく、エクセレントなヒートトータル16.50をスコアしてクオーターファイナルに進出した。

 

「運良く4.50を掴めて、リズムを作り始めました。僕はリズミックなサーファーで、自信を持っています。だから、そういうことがうまくいけば、自分の思い通りになるんです。」とスミスが言った。

自分の最初の8は最高の気分でした。8ポイントを出しても敗退する選手が多く、バックアップが無かったので、その事が頭の片隅にありました。今朝の最初のヒートは、自分のボードがどう反応するかを感じている時で、今回は自分のボードでプッシュして、自分がどこまで行けるかを感じたかったんです。」

 

ルーキーのクロスビー・コラピント(USA)は、セット不足のヒートで3度のワールド・チャンピオンのガブリエル・メディーナ(BRA)を退けて、またもや大番狂わせを見せたが、ラウンドオブ16で調子の良いイマイカラニ・デヴォルト(HAW)に敗退することとなった。

 

 

ラウンド16の対決の中、クオーターファイナルに残ったハワイアンたちが躍進

イマイカラニ・デボルト© WSL / heff

 

ハワイアンのワイルドカード、ジャクソン・バンチ(HAW)とシオン・クロフォード(HAW)は序盤こそ活躍したものの、ラウンドオブ32でCTのグリフィン・コラピント(USA)とコナー・オリアリー(JPN)に敗退。ルーキーのイーライ・ハンネマン(HAW)もラウンドオブ32で姿を消した。

 

マウイを代表するイマイカラニ・デボルトと2023年ルーキー・オブ・ザ・イヤーのイアン・ジェンティル(HAW)は、ラウンド16でそれぞれグリフィンとクロスビー・コラピント(USA)の兄弟を破り、クオーターファイナル進出。二人がそこで対戦することとなった。

 

イアン・ジェンティル(HAW)© WSL / Bielmann

 

デボルトにとっては、ラウンド・オブ32でCTのベテラン、ミゲール・プポ(BRA)を破り、ラウンド・オブ16でクロスビー・コラピントをエミネーション・ラウンドで破り、初のCTクオーターファイナル進出となる。

 

イマイカラニ・デボルト© WSL / Bielmann

 

「このラウンドに出場したことはあったけど、一度も勝ち進むことができなかった。」とデボルトが言った。「スマートな判断をしたかっただけ。クロスビーとの対戦では、メディーナを前のヒートで倒してスコアを上げていたので、彼は本当に調子が良さそうでした。ウェイブ・セレクションがポイントになる事は分かっていましたし、自分の本当に良い波がアンダー・プライオリティーで、彼が行かなかったのはラッキーでした。」

 

 

ノースショアのバロン・マミヤ(HAW)は、CTの脅威であるフレデリコ・モライス(POR)を退け、ラウンドオブ16で長年の注目選手であるヤゴ・ドラ(BRA)を下し、目覚ましい活躍でクオーターファイナル進出を決めた。

 

 

Lexus Pipe Pro Presented by YETI のハイライトと詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

Lexus Pipe Pro Presented by YETI男子ラウンドオブ32結果:
HEAT 1:イーサン・ユーイング(AUS)12.66 DEF. ケリー・スレーター(USA)4.27
HEAT 2:リアム・オブライエン(AUS)12.17 DEF. サミュエル・プポ(BRA)11.83
HEAT 3: ジェイク・マーシャル(USA)13.77 DEF. ライアン・カリナン(AUS)7.84
HEAT 4:コナー・オレアリー(JPN)8.00 DEF. ジャクソン・バンチ(HAW)6.84
HEAT 5:ラムジ・ブーキアム(MAR)10.83 DEF. ジャック・ロビンソン(AUS)10.16
HEAT 6:ジョーディ・スミス(RSA)13.67 DEF. イタロ・フェレイラ(BRA)12.04
HEAT 7:バロン・マミヤ(HAW)14.16 DEF. フレデリコ・モライス(POR)7.00
HEAT 8:ヤゴ・ドラ(BRA)14.10 DEF. ジェイコブ・ウィルコックス(AUS)12.20
HEAT 9:グリフィン・コラピント(USA)11.17 DEF. シオン・クロフォード(HAW)10.33
HEAT 10:イアン・ジェンティル(HAW)10.67 DEF. 五十嵐カノア(JPN)5.40
HEAT 11:クロスビー・コラピント(USA)8.86 DEF. ガブリエル・メディーナ(BRA)2.73
HEAT 12:イマイカラニ・デヴォルト(HAW)10.46 DEF. ミゲール・プポ(BRA)10.10
HEAT 13:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)17.34 DEF. デイヴィッド・シルバ(BRA)8.84
HEAT 14:カラム・ロブソン(AUS)13.83 DEF. セス・モニーツ(HAW)10.67
HEAT 15:マシュー・マクギリブレイ(RSA)10.00 DEF. イーライ・ハンネマン(HAW)5.50
HEAT 16:レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)16.00 DEF. ケイド・マトソン(USA)9.40

レクサス・パイプ・プロ Presented by YETI 男子ラウンドオブ16結果:
HEAT 1:イーサン・ユーイング(AUS)14.83 DEF. リアム・オブライエン(AUS)12.00
HEAT 2:コナー・オレアリー(JPN)7.93 DEF. ジェイク・マーシャル(USA)6.43
HEAT 3: ジョーディ・スミス(RSA)16.50 DEF. ラムジ・ブーキアム(MAR) 4.17
HEAT 4:バロン・マミヤ(HAW)9.50 DEF. ヤゴ・ドラ(BRA)1.74
HEAT 5:イアン・ジェンティル(HAW)9.17 DEF. グリフィン・コラピント(USA)6.60
HEAT 6:イマイカラニ・デヴォルト(HAW)12.67 DEF. クロスビー・コラピント(USA)8.83
HEAT 7:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)11.83 DEF. カラム・ロブソン(AUS)5.00
HEAT 8:レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)11.90 DEF. マシュー・マクギリブレイ(RSA)5.93

レクサス・パイプ・プロ Presented by YETI 男子クオーターファイナル組み合わせ:
HEAT 1:イーサン・ユーイング(AUS)対コナー・オレアリー(JPN)
HEAT 2:ジョーディ・スミス(RSA)対バロン・マミヤ(HAW)
HEAT 3:イアン・ジェンティル(HAW)対イマイカラニ・デヴォルト(HAW)
HEAT 4:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)対レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)

レクサス・パイプ・プロ Presented by YETI 女子オープニング・ラウンドの組み合わせ:
HEAT 1:タイラー・ライト(AUS)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、ルアナ・シルバ(BRA)
HEAT 2:カリッサ・ムーア(HAW)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ブリサ・ヘネシー(CRC)
HEAT 3:キャロライン・マークス(USA)、インディア・ロビンソン(AUS)、モアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)
HEAT 4:ケイトリン・シマーズ(USA)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)、イザベラ・ニコルズ(AUS)
HEAT 5:モリー・ピックラム(AUS)、タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)、アリッサ・スペンサー(USA)
HEAT 6:レイキー・ピーターソン(USA)、ジョアン・ディフェイ(FRA)、ソイヤー・リンドブラッド(USA)

 

詳細はWorldSurfLeague.comをご覧ください。