五十嵐カノアとコナー柄沢オレアリーはラウンドオブ32進出。開幕戦「レクサス・パイプ・プロ 」スタート。

五十嵐カノア© WSL / Bielmann

バンザイ・パイプライン、オアフ島、ハワイ、USA(2024年1月31日水曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2024チャンピオンシップ・ツアー(CT)の開幕戦「レクサス・パイプ・プロ Presented by YETI」でスタート。

ノースショアの象徴的なブレイクは、終日ヘビーでホローなウェイブを提供し、男子イベントの最初の2ラウンドが終了し、早くも今シーズンの最初のエリミネーション・ラウンドで数名の選手がイベントから姿を消した。

 

 

男子オープニング・ラウンドと最初のエリミネーション・ラウンドで2024年CTシーズンがスタート

 

ガブリエル・メディーナ(BRA)© WSL / heff

 

エクセレント・スコアが出るまでに時間はかからず、3度のWSLチャンピオンに輝いたガブリエル・メディーナ(BRA)は、パイプでフォーミーな レフトでスーパー・ディープ・バレルをメイクし8.33(10点満点)をマーク。エクセレント・レンジを手に入れた最初のサーファーとなった。

バックアップを得たブラジリアンは、コントロールに成功したかに見えたが、カラム・ロブソン(AUS)は、パイプラインの極上の波をバックハンドで9ポイント・ライドを決め、逆転に成功した。

 

カラム・ロブソン© WSL / Bielmann

 

「アウトに出た時、エネルギーがパイプにシフトしているように感じたので、レフトのインサイドを狙いました。」とロブソンは言った。「最初のウェイブで、自分にはもっとドローのある波が必要だと気づかされました、そのあと9番が出たので、興奮しました」

 

ケリー・スレーター(USA)© WSL / Bielmann

 

続くヒートでは、11タイム・ワールド・チャンピオンのケリー・スレーター(USA)と2023年パイプ・プロ優勝者のジャック・ロビンソン(AUS)がバックドアとパイプの波で対決。スレーターが最も高いシングルスコアをマークするも、ロビンソンがより高いバックアップでヒート勝利を決め、リオ・ワイダ(INA)をエリミネーション・ラウンドへ追いやった。

 

グリフィン・コラピント(USA)© WSL / Bielmann

 

世界No.3のグリフィン・コラピント(USA)は、2024年のデビュー戦で最初の25分間は出遅れたものの、ヒート終盤にレフトでエクセレントな8.50(10点満点)をスコアして逆転。

彼は終了間際にバックアップ・スコアを手に入れ、どうにか1位でヒートを終え、親友で元パイプ・ファイナリストのセス・モニーツ(HAW)をエリミネーション・ラウンドへ追いやった。

厳密にはツアー・ルーキーではないが、ラムジ・ブキアム(MAR)はコラピントと共にこのヒートを勝ち上がり、ラウンドオブ32で再びサーフィンをする予定。2024年シーズンを欠場したブキアムは、ハワイ・レッグでの怪我人代役出場を最大限に活用したいところだ。

 

フローレンス、100回目のCT出場を信じられないスタイルでキックオフ

 

ジョン・ジョン・フローレンス© WSL / Bielmann

 

この日最も高いコンバインド・ヒート・トータルをマークしたのは、ジェイク・マーシャル(USA)とカイオ・イベリ(BRA)を相手に、ヒート7で15.20(20点満点)をスコアしたジョン・ジョン・フローレンス(HAW)。

マーシャルとイベリは2位争いを繰り広げたが、パイプライン・ローカルのフローレンスは、またしても彼のバックヤードでは手が付けられない存在。フローレンスのウェイブ・セレクションは的確で、すべてのドロップとバレル・ライドを実に簡単に見せていた。

 

「ここでは多くのイベント、多くのヒート、そして多くのサーフィンを経験しました」とフローレンスは言った。「本当に興奮したし、ヒートで多くの時間をサーフィンに費やしたと思うと自信になりました。年の初めは緊張して、まるでルーキーのように、すべてが初めてやり直すような気分になることもあります。でも、いや、ここに来てしばらく経つし、 あまり考えなくなったかもしれません」

 

男子2024CT初日に試されるルーキーとワイルドカード

 

ジャクソン・バンチ(HAW)© WSL / heff

 

ワイルドカードのジャクソン・バンチ(HAW)は、慣れ親しんだ海でクリニックを行い、オープニングラウンドで逆転勝利。バンチは、世界No.2のイーサン・ユーイング(AUS)とCTルーキーのコール・ハウシュマン(USA)と対戦したヒートの最後の数秒まで負けていたが、大きくて速いパイプ・レフトでビハンドピークからドロップ。彼はエクセレントな ライディングを披露、 8.77(10点満点)をスコアして勝利をつかんだ。

 

「僕はただ楽しむためにここにいるし、3人と一緒にパイプでサーフィンできるなんて最高だよ」とバンチ。「かなり悪いヒートで、波が思うようにいかなかったんです。イーサンが波に乗った時、残り30秒だと分かっていて、次の波は何があっても行くつもりでした。ハワイ出身の自分にとって、このイベントでのサーフィンは小さなサーファーの夢なんです」。

 

イーライ・ハンネマン(HAW)© WSL / Bielmann

 

2024年CTルーキー・クラスにとってタフな一日となったが、マウイ島のイーライ・ハンネマン(HAW)は、クラッチ・パフォーマンスを披露し、オープニング・ラウンドでハワイアイランドに新たな勝利をもたらした。

同じルーキーのクロスビー・コラピント(USA)は、バロン・マミヤ(HAW)という好調なハワイアン選手と対戦。エリミネーション・ラウンドを回避し2位でフィニッシュ。

オープニング・ラウンドのヒートで厳しいスタートを切り、敗退の可能性に直面したのは、2024CTルーキーのジェイコブ・ウィルコックス(AUS)、ケイド・マトソン(USA)、コール・ハウシュマン(USA)。ジョーディ・スミス(RSA)とリアム・オブライエン(AUS)に敗れたハウシュマン以外は、エリミネーション・ラウンドのヒートを勝ち上がりラウンドオブ32に進出。

 

オープニング・ラウンドで2019年ワールド・チャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)とミゲール・プポ(BRA)に敗れたジェイコブ・ウィルコックス(AUS)は、エリミネーション・ラウンドでCT2年目のイアン・ジェンティル(HAW)とベテランのカイオ・イベリ(BRA)に勝利して名誉挽回。ウィルコックスは長年CTで活躍するヤゴ・ドラ(BRA)と次のラウンドで対戦する。

 

シオン・クロフォード(HAW)© WSL / heff

イベント・ワイルドカードのシオン・クロフォード(HAW)は、初めてのCTヒートで緊張を和らげるのに一役買ったヘビー・ワイプアウトを何度か経験。その後、長く広いバックドア・ピットでエクセレントな8.00(10点満点)をスコア。まともなセカンド・スコアを見つけるのに苦労したクロフォードは、2位に留まったものの、現世界チャンピオンのフィリッペ・トリード(BRA)をエリミネーション・ラウンドへ追いやった。

 

現世界ランキング1位のフィリッペ・トリード、体調不良でR2を欠場

フィリッペ・トリード© WSL / Bielmann

食中毒に苦しみながらも、オープニングラウンドにパドルアウトしたトリード。その後、エリミネーション・ラウンド2でクロフォードとサミュエル・プポと対戦することになったトリードだったが、体調不良により欠場を余儀なくされた。エリミネーション・ラウンドの対戦相手、デビッド・シルバ(BRA)とセス・モニーツ(HAW)は、トリードが欠場することで不戦勝でラウンド32に進出。

 

カノアとコナーはラウンドオブ32へ。

五十嵐カノア© WSL / Bielmann

 

今回のCT初戦レクサス・パイプ・プロ・オープニング・ラウンドでは、五十嵐カノアとコナー柄沢オレアリーの二人は同じヒート。ヒート10でルーキーハワイアンのイーライ・ハンネマン(HAW) と対戦。

 

コナー柄沢オレアリー© WSL / Bielmann

 

スタートからカノアがブックドアでバレルをメイクし、5.17 をスコア。パイプのスモールバレルで2.33でバックアップしてヒートをリードした。しかし最後にハンネマンがパイプのビッグセットでバレルをメイク。6.83 をスコアして大逆転。3位からトップにアップし、カノアが2位、コナーは3位となり、敗者復活戦へ回った。

 

五十嵐カノア© WSL / heff

 

 

エリミネーション・ラウンドの対戦相手は、リオ・ワイダとルーキーのケイド・マトソン。コナーはスタートからパイプでディープなポジションでバレルをメイク。バックドアのバレルも決めて、2本の6点台を揃えて余裕の1位通過を決めた。

 

コナー柄沢オレアリー© WSL / heff

 

男子ラウンドオブ32では、H4でコナーはワイルドカードのジャクソン・バンチ(HAW)H10でカノアはイアン・ジェンティル(HAW)と対戦する。五十嵐カノアとコナー柄沢オレアリーを日本の2トップとして応援していきたい。がんばれ!日本!

 

 

 

レクサス パイプ プロ Presented by YETI 男子オープニング・ラウンド1結果:
HEAT 1:マシュー・マクギリブレイ(RSA)12.34 DEF. ヤゴ・ドラ(BRA)9.00、ケイド・マトソン(USA)5.30
HEAT 2:カラム・ロブソン(AUS)13.67 DEF. ガブリエル・メディーナ(BRA)12.33、デイヴィッド・シルバ(BRA)4.64
HEAT 3: ジャック・ロビンソン(AUS)12.27 DEF. ケリー・スレーター(USA)11.67、和井田リオ(INA)1.70
HEAT 4:グリフィン・コラピント(USA)10.07 DEF. ラムジ・ブーキアム(MAR)9.66、セス・モニーツ(HAW)6.80
HEAT 5:ジャクソン・バンチ(HAW)10.17 DEF. イーサン・ユーイング(AUS)8.33、コール・ハウシュマン(USA)7.03
HEAT 6:サミュエル・プポ(BRA)13.00 DEF. シオン・クロフォード(HAW)9.27、フィリッペ・トリード(BRA)1.77
HEAT 7:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)15.20 DEF. ジェイク・マーシャル(USA)14.47、カイオ・イベリ(BRA)9.83
HEAT 8:レオナルド・フィオラバンティ(ITA)6.60 DEF. フレデリコ・モライス(POR)4.57、リアム・オブライエン(AUS)3.60
HEAT 9:ライアン・カリナン(AUS)10.33 DEF. イマイカラニ・デヴォルト(HAW)9.84、ジョーディ・スミス(RSA)3.10
HEAT 10:イーライ・ハネマン(HAW)9.70 DEF. 五十嵐カノア(JPN)7.50、コナー・オレアリー(JPN)4.40
HEAT 11:バロン・マミヤ(HAW)14.10 DEF. クロスビー・コラピント(USA)11.83、イアン・ジェンティル(HAW)5.50
HEAT 12:ミゲル・プポ(BRA)14.10 DEF. イタロ・フェレイラ(BRA)12.10、ジェイコブ・ウィルコックス(AUS)10.50

レクサス・パイプ・プロ・プレゼンテッド・バイ・イエティ 男子エリミネーション・ラウンド2結果
HEAT 1:セス・モニーツ(HAW) DEF. デビッド・シルヴァ(BRA)、フィリッペ・トリード(BRA)(INJ)
ヒート2:コナー・オレアリー(JPN)12.33 DEF. ケイド・マトソン(USA)8.37、和井田リオ(INA)6.50
HEAT 3: ジェイコブ・ウィルコックス(AUS)10.16 DEF. イアン・ジェンティル(HAW)8.86、カイオ・イベリ(BRA)6.17
HEAT 4:リアム・オブライエン(AUS)12.33 DEF. ジョーディ・スミス(RSA)10.00、コール・ハウシュマン(USA)5.77

 

レクサス・パイプ・プロ Presented by YETI 男子ラウンドオブ32のマッチアップ:
HEAT 1:イーサン・ユーイング(AUS)対ケリー・スレーター(USA)
HEAT 2:サミュエル・プポ(BRA)対リアム・オブライエン(AUS)
HEAT3: ライアン・カリナン(AUS)対ジェイク・マーシャル(USA)
HEAT 4:コナー・オレアリー(JPN)対ジャクソン・バンチ(HAW)
HEAT 5:ジャック・ロビンソン(AUS)対ラムジ・ブーキアム(MAR)
HEAT 6:イタロ・フェレイラ(BRA)対ジョーディ・スミス(RSA)
HEAT 7:バロン・マミヤ(HAW)対フレデリコ・モライス(POR)
HEAT 8:ヤゴ・ドラ(BRA)対ジェイコブ・ウィルコックス(AUS)
HEAT 9:グリフィン・コラピント(USA)対シオン・クロフォード(HAW)
HEAT 10:イアン・ジェンティル(HAW)対五十嵐カノア(JPN)
HEAT 11:ガブリエル・メディーナ(BRA)対クロスビー・コラピント(USA)
HEAT 12:ミゲル・プポ(BRA)対イマイカラニ・デヴォルト(HAW)
HEAT 13:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)対デビッド・シルバ(BRA)
HEAT 14:カラム・ロブソン(AUS)対セス・モニーツ(HAW)
HEAT 15:マシュー・マクギリブレイ(RSA)対イーライ・ハンネマン(HAW)
HEAT 16:レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)対ケイド・マトソン(USA)

レクサス・パイプ・プロ・プレゼンツ by YETI 女子オープニング・ラウンドの組み合わせ:
ヒート1:タイラー・ライト(AUS)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、ルアナ・シルバ(BRA)
ヒート2:カリッサ・ムーア(HAW)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)、ブリサ・ヘネシー(CRC)
ヒート3:キャロライン・マークス(USA)、インディア・ロビンソン(AUS)、モアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)
ヒート4:ケイトリン・シマーズ(USA)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)、イザベラ・ニコルズ(AUS)
ヒート5:モリー・ピックラム(AUS)、タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)、アリッサ・スペンサー(USA)
ヒート6:レイキー・ピーターソン(USA)、ジョアン・ディフェイ(FRA)、ソイヤー・リンドブラッド(USA)