矢作紋乃丞と川瀬心那がQS初優勝、酒井仙太郎プロJr初優勝 池田美来プロJr2連勝 The Open Surfing Hyuga Pro最終日

宮崎県日向市小倉ヶ浜海岸で開催されている WSL-QS「The Open Surfing Hyuga Pro」&JR「The Open Surfing Hyuga Pro Junior」は本日が最終日。

 

会場のコンディションは晴れで、風は弱いサイドオフ。波は昨日より少しサイズアップのモモコシで、セットでハラ。朝はライト、レフトとも波がブレイクするグッドコンディションとなった。

 

川瀬心那
池田美来

 

今日のオープニングヒートはQSの女子セミファイナルから。第1ヒートは池田美来 vs 川瀬心那。お互いに攻め合う展開でヒートは進行。ここはバックアップを確実に上げていった川瀬が、決勝進出。池田はヒートハイエストの5.40ポイントを持つもバックアップを揃えられず、ここで敗退。

 

鈴木莉珠
佐藤李

 

第2ヒートは鈴木莉珠 vs 佐藤李。佐藤が先攻でヒートをコントロール。しかし、鈴木が待ちに待ったライトの波に迷わずテイクオフ。スピード、パワーを兼ねた演技を披露し、これが7.25ポイント。これで勢いにのって、バックアップも揃えて、そのまま逃げ切り。佐藤も追い上げるも、最後は波が入らずタイムアップ。鈴木がファイナルへ。

 

大音凛太
大音凛太
鈴木仁

 

続いてQS男子のセミファイナル。鈴木仁 vs 大音凛太。ヒート開始と同時に鈴木がオンファイヤー。立て続けにライトの波をつかむと、速い波に合わせてスプレーを飛ばして、エアーも絡める。これで7.00、7.50でトータル14.50ポイントとして、いきなり大音をコンビネーションに追い込んだ。

 

勝負あったかと思われたが、ここからが大音の今ある強さを証明する流れに。同じくライトの波で、つまりながらも板をねじ込むパワフルなサーフィンで 7.05ポイント。さらに試合後半には、さらにパンチある流れるような板の返しで波を切り刻む。これに8.75ポイントがついて、トータル15.80ポイントにして、なんと逆転ラウンドアップで決勝へ。

 

矢作紋乃丞
須田喬士郎

 

第2ヒートは矢作紋乃丞 vs 須田喬士郎。須田は右に移動して、リズムよく波をつかむ。ただ、波は肩が続かず単発の演技となる。矢作はそのまま左をキープして、ライトの波狙い。ここからバリエーションある演技を披露して、そのまま逃げ切り。結果、このポジショニングが勝敗を分ける形になった。

 

プロジュニア女子ファイナル 中塩佳那 vs 池田美来

 

池田美来

 

ここから決勝。まずはプロジュニア女子から。中塩佳那 vs 池田美来。干潮いっぱいで、潮止まり。ここは波をつかんだもの勝ちという展開。特に池田のバックサイドが際立つ形で勝負がついた。

 

池田美来

 

板の切り返しがスムーズになったのは、池田の脚力がついたから。板を抑えられるようになったことで、無理なくレールが入る。これでスピードもロスせず次の演技につなげられるようになった。これは地道な練習の成果だろう。これで徳之島プロジュニアに続き2連勝!おめでとう!

 

中塩佳那

 

中塩は残念ながら準優勝となったが、2024年度でもプロジュニアの1位をキープ。昨日、今日とも潮止まりの時間帯で、波数が少ないヒートに当たる不運もあったが、実力は間違いなくトップを走る。今回は下の世代の鈴木莉珠、池田美来の成長を褒めるべきか。

 

 

プロジュニア2連勝 池田美来

「波周りが自分にはまってくれて、序盤からリズムをつかめたことが良かったと思います。QSで負けたことは、ちょっと落ち込んでネガティブになったんですけど、プロジュニアでは気持ちを切り替えてできた結果かと思います。ここで1000ポイントを獲得することができたので、WJC(ワールド・ジュニア・チャンピオンシップ)へ近付いたと思いますので、これからもしっかり、優勝できるように頑張ります。」

 

 

プロジュニア男子ファイナル 酒井仙太郎 vs 浜矢凪

 

酒井仙太郎
酒井仙太郎
浜矢凪

続いてプロジュニア男子のファイナル。酒井仙太郎 vs 浜矢凪。ここはスタイル全開の酒井が圧倒。浜矢も酒井に負けず劣らずの攻めを見せるも、あと一歩及ばず。酒井のセンスは間違いなくジュニアではトップ。フローを見せる中で、メリハリある演技はスタイリッシュ。あとはパワーがついたら常勝は間違いなし。こちらもプロジュニア初優勝!おめでとう

 

 

プロジュニア初優勝   酒井仙太郎

「初めてのプロジュニアのファイナルでメッチャ楽しみにしていて、昨日の夜は眠れませんでした。だから優勝できて本当に嬉しいです。あの最初の波は狙っていました。ずっと練習のときから、あの場所でやっていて、ライトもすごく良かったんですけど、ムラがある感じで。レフトは自分に自信もあったので、レフトを狙ってました。

バックアップはレフトでもライトでもいい波を待っていたんですけど、結構なかなか来なくて。ずっと待っていました。焦りは全然なかったんですけど、どこで波待とうかを迷ってました。今年僕はプロジュニアとQS回りだして、なかなか勝てなくて悔しい思いとかあったんですけど、最後の日向プロに向けて、この1ヶ月練習してきたので、やりきった気持ちです。ジュニア初優勝できて、来年の2025年のWJC目指して頑張っていきます。」

 

女子QSファイナル 川瀬心那 vs 鈴木莉珠

 

川瀬心那
鈴木莉珠

 

ここからQSのファイナルは女子から。川瀬心那 vs 鈴木莉珠。セミの勢いで鈴木が突っ走るかと思いきや、ここは川瀬が冷静に右に左にポジショニングを変えて、波をつかむ。波数が減った中、鈴木も負けずと追いすがるもプライオリティミスもあって万事休す。そのまま川瀬のリードは変わらず試合終了。試合を経験するごとに強くなっている川瀬のQS初優勝が決まった。おめでとう!

 

 

QS初優勝 川瀬心那(WJC代表)

「最初に波が来たんですけど、そのあと波が来ないままで緊張しました。前のヒートが後半波が止まっていたので、多分自分のヒートの前半は波が来るんじゃないかなと思って、前半はセットを注意しながら狙っていました。そうしたら、たまたま良い波が来てくれたんで良かったです。

今日は昨日よりもサイズが上がって良い波で楽しかったです。初めてのQSの優勝で凄く嬉しいです。次の試合は来年のWJCになるので、そこで自分のサーフィンを思い切りできたらと思います。応援よろしくお願いします。」

 

 

QS男子ファイナル 大音凛太 vs 矢作紋乃丞

 

矢作紋乃丞
大音凛太

 

本日の最終ヒートはQS男子の決勝。大音凛太 vs 矢作紋乃丞。どちらも波のコンディションに合わせた演技でハイスコアを叩き出してきた2人。試合は一進一退で進行。中盤に矢作がリードするも、冷静な大音は逆転狙いで波を待つ。ここで矢作が優先権が無いまま、インサイドで怒涛の攻めで、更なる勢いを見せる。追い込まれた大音も試合終了間際で波をつかむも、ポテンシャルは無く、これはニードに届かず。こちらも矢作のQS初優勝が決まった!おめでとう!

 

 

QS初優勝 矢作紋乃丞(WJC代表)

 

 

「良かったって感じですね。前のヒートから波が来なくなってたんで、ちょっと待とうかなって思ったんですけど、凛太くん(大音)も待つタイプだと思ったんで。でも最初は乗ろうかなって思ったら、そのあと来なくなって。セットのちょっと早い波乗って、エアしてやっていこうと思ったんですけど。

入ったら結構タルクて、エア出来なそうだったんでマニューバーかなって思ってました。今回QS初優勝なんで嬉しいですね。今後は3000とか5000とかでも優勝出来るように頑張りたいです。自分の中でもいいライディングできて優勝できたんで良かったです。1月のWJCも自信持って頑張ります。」

 

 

WSL-QS「The Open Surfing Hyuga Pro」

男子
優勝:矢作紋乃丞
2位:大音凛太
3位:鈴木仁、須田喬士郎

女子
優勝:川瀬心那
2位:鈴木莉珠
3位:池田美来、佐藤李

 

WSL-JR「The Open Surfing Hyuga Pro Junior」

男子
優勝:酒井仙太郎
2位:浜矢凪
3位:永谷オダイ、岡野漣

女子
優勝:池田美来
2位:中塩佳那
3位:佐藤李、川瀬心那

 

試合の模様は、大会特設サイトにて無料ライブ配信されたhttps://hyugapro.com/live