川俣海徳と松野杏莉が優勝賞金100万円を獲得。Kitaizumi Surf Festival 2023 福島復興支援ビーチイベント@南相馬

9/16-18 「Kitaizumi Surf Festival 2023 福島復興支援ビーチイベント@南相馬」が福島県南相馬市の北泉海岸で開催された。最初に伝えたいことは、どんな想いでこのイベントを開催したのか。2023サーフパラダイス実行委員会代表の室原真二氏はこう語る。

 

北泉海岸にビッグイベントが帰ってきた
室原真二氏

 

「大震災から12年が経ち、福島エリアでサーフィンを楽しむ方々も増えてきましたが、私たちは、震災前に開催されていたような大きなイベントや大会をこの北泉海岸でもう一度開催したい。

海やビーチのライフスタイルの素晴らしさや、カルチャーを伝えて、子供達に大切なビーチを残していきたいという想いからです。このイベントを通して、福島や南相馬の伝統や魅力を感じて頂き、一人でも多くの人が、福島に移住してくれたり、訪れてくれる機会が増える事を願っています。」

 

 

このイベントで伝えたいこと。震災から12年、やっとここまで辿り着いた福島の現状を知って欲しいということ。「Kitaizumi Surf Festival 2023 福島復興支援ビーチイベント@南相馬」という名前の通り、まだ復興の途上にあるという現実だ。

 

だから、まず僕らがやらなければいけないのは、この問題の理解を深めること。当事者や当局から発信される情報、メディアから伝えられるニュース。個人個人がちゃんと情報を集め、精査すること。国際政治的な思惑や噂、SNSだけを信じ憶測で語るのではなく、事実を知ることだ。アルプス処理水についても科学的な根拠がIAEAから出されていることを、まず知るべきだ。

 

風評被害と忘れ去られること。これが復興を遅らせる。一人ひとりがこの問題について考えること。これは福島だけの問題ではなく、これはみんなの問題だ。科学的な見解や客観的な事実を集めて、福島への理解が進めば風評被害は無くなる。だから、僕ら自身がまず知って、理解することが大切だ。

 

 

このイベントはサーフィン大会とビーチイベントを併催。オープニングではブルーインパルスの飛行があり、甲冑を着用した侍サーファーも登場。メイン会場では、スパリゾートハワイアンズからのフラダンスステージ。さらに、フラガールズ甲子園に出場した高校生たちの演目やフラダンス体験も行われた。

エキシビジョンに登場したハーレー・イングルビー

 

会場内では南相馬市の伝統である「相馬野馬追」の乗馬体験や甲冑の試着。ドローンの展示や操縦体験など、実際にチャレンジしてもらう催しやブースも用意。サーフィンを観戦してもらうだけでなく、子供たちにはサーフィンスクールも行うなど、一日では足りないぐらいの盛りだくさんのメニューとなった。

 

 

初日には「Surf in MUSIC」として音楽ライブが行われ、“音楽で波乗りしよう”を合言葉に、海風を感じながらの心地よいサウンドも提供。海を愛するアーティストとして、GAKU-MC、東田トモヒロ、Keison、Chiuo Tia、宮武弘らが参加。そのライブ会場の公園内には、キッチンカーやマルシェも併設し、福島県産の特産物の販売も行われるなど、丸ごと福島、南相馬を満喫できるスペースとなっていた。

 

さて、メインイベントのコンテスト。会場来客数は3日間を通し、述べ7000人。ライブ放映もされ、約7万アクセスと言う数字を出したとのこと。今大会には男子は33名、女子は11名が参加。その優勝者には100万円、準優勝では50万円とプロの大会と遜色無い賞金も授与するとした。

 

 

3日間の波はコシ、ハラ。風はオンショアで面が乱れるも試合には問題ない。今回、海外からヘッドジャッジとしてリッチー・ポーター氏を招き、世界基準でのジャッジをブリーフィングしてもらい、試合がスタート。

 

 

 

それぞれの持ち味を出しての演技で、最終日まで勝ち抜いたのは男子が酒井仙太郎、仲村拓久未、川俣海徳、小嶋海生の4人。女子は松野杏莉、海老原夏生、清水ひなた、上門涼風というフレッシュな顔ぶれ。

 

松野杏莉
松野杏莉
海老原夏生
海老原夏生

 

最終日の波はウネリの向きが変わったか、若干、波が柔らかめ。朝は風が弱かったものの、昼に向かいサイドオン隣、波はコシ。女子のセミフィナルからのスタートで、ヒート1は松野杏莉 vs 海老原夏生。ここは先手を取った松野杏莉が優位にヒートを進行。海老原も波にトライするも思うような演技ができず万事休す。ここは松野がそのままファイナルへ。

 

清水ひなた
清水ひなた
上門涼風
上門涼風

 

ヒート2は清水ひなた vs 上門涼風。 上門がリズム良く乗るライディングで魅せれば、清水は要所要所を締めたメリハリある演技で対抗。両者逆転を繰り返しすものの、結果、演技のバリエーションで清水が決勝へ進出。

 

仲村拓久未
仲村拓久未
酒井仙太郎
酒井仙太郎

 

男子は第1ヒートは先日、JPSAでプロ公認を獲得した勢いある酒井仙太郎に対し、ベテランの仲村拓久未。ここは仲村が前半から積極的に仕掛けて試合をコントロール。酒井は波をじっくり待って、スムースな切り返しで追撃するもバックアップを上げられず。ここはポテンシャルのある波が少ないと判断した仲村の作戦勝ち。

 

川俣海徳
川俣海徳
小嶋海生
小嶋海生

 

ヒート2は川俣海徳 vs 小嶋海生。今大会、エアーの成功率が高い川俣がやはり先制でメイク。さらにポイントを積み重ねてリード。小嶋はスタイルマスターとしての個性ある演技で対抗するも、波のプアーさに自身の良さを発揮できずにここで敗退。

 

 

女子の決勝は松野杏莉と清水ひなた。

 

松野杏莉
清水ひなた

 

女子の決勝は松野杏莉と清水姉妹の姉、清水ひなた。先制はやはり松野。バックサイドで果敢に攻めて5.83ポイントとリード。しかし、バックアップが出せない合間に、清水がポイントを重ねて逆転。

追い込まれた松野だったが、ニードは2.77ポイント。ここは焦らず波を待って、ショートライドながら3.53ポイントで逆転。清水は逆に4.70ポイント必要となって、タイムアップ寸前に波をつかむも4.20ポイントと逆転ならず。松野が嬉しい優勝を手にした。

 

 

松野杏莉「めっちゃ嬉しいです。ファイナルは最初から点数を出せたので、落ち着いて試合ができたかなと思います。この賞金100万円は、明日からアメリカに行くので、その旅費に当てようと思います。10月の頭にJPSAがあるので、そこで優勝して、グラチャン目指して頑張ります。」

 

 

男子決勝は川俣海徳と仲村拓久未

 

川俣海徳
仲村拓久未

 

男子決勝は波とのサイクルが合っている川俣と、この大会を「勝つ」んだという気持ちの強さがこちらにも伝わってくる仲村との対決。ただ、波がシャバシャバになって、キメづらいコンディション。それでも2人は各々のできる限りのアクションを披露。

 

川俣海徳

まさにシーソーゲームの逆転に次ぐ逆転のエキサイティングな試合展開が続く。どちらが勝つかわからない状況で、リーチは川俣。仲村はニード4.84ポイントで、最後まで波を探すもその波は来ず。川俣がこの大会の初代チャンピオンの栄冠を手に入れた。

 

 

川俣海徳「賞金が高いので意識してしまったんですけど、勝てて良かったです。自分の言葉が結果に繋がるのは一番嬉しいですね。自分のサーフィンが評価してもらえて嬉しかったです。次の試合に向けて自信が持てたかなと思います。後半は逆転されてもおかしくない状況だったので緊張しました。早く終わって欲しいと思っていました。みなさんの応援の力が自分にパワーを与えてくれました。」

 

 

Kitaizumi Surf Festival 2023
福島復興支援ビーチイベント@南相馬

男子
優勝:川俣海徳  
2位:仲村拓久未 
3位:酒井仙太郎、小嶋海生

女子
優勝:松野杏莉  
2位:清水ひなた 
3位:海老原夏生、上門 涼風

大会HP
https://kitaizumi-surffestival.com/

 

■開催概要
・イベント:Kitaizumi Surf Festival 2023 福島復興支援ビーチイベント@南相馬
・日程 :9月16日(土)~9月18日(月)
・場所 :福島県南相馬市原町区北泉地蔵堂248-2(北泉海浜公園)
・サーフィンコンテスト
 男子 、女子 トーナメント 形式
 賞金総額 男子:¥1,500,000 女子:¥1,500,000

主催:2023 サーフパラダイス実行委員会
共催:南相馬市 / 株式会社マテリアル
後援:復興庁、スポーツ庁、経済産業省、南相馬市教育委員会、一般社団法人相馬野馬追
協力:福島サーフィン連盟 / NSA福島支部
企画制作:株式会社マテリアル

 

福島空港から飛び立った航空自衛隊のアクロバットチーム「ブルーインパルス」がこの会場の上を飛行。

侍サーファーは平原颯馬。甲胃は特製ながら、全体の重さはかなりなものになる。パドルはできないので、ジェットスキーに引っ張られてのテイクオフとなる。

甲冑は15kgあるそうです。試着には20分ほどかかるとのこと。

法螺貝の音とともに参上したのは、「相馬野馬追」の面々と平原颯馬。

エキジビションには世界ロングボードチャンピオンのハーレー・イングレビー。ミッドレングスに乗ってもこの通り。

もう一人のゲストはパイプマスターの称号を持つ元CT選手のジェレミー・フローレス。東京オリンピックにフランス代表として出場。

西山茉希さんも今イベントにゲストで登場。今回は会場内のブースのレポートなども行ってくれた。

 


イベントアンバサダーとなっている小泉進次郎氏に加え、自民党サーフィン議連、大阪ブルー・オーシャンビジョン推進議連(旧海プラ議連)に名を連ねる笹川博義氏、高村正大氏、勝俣孝明氏、朝日健太郎氏も来訪。小泉氏と共に会場でビーチクリーンを行った。(この後に経済産業大臣の西村康稔氏も来訪)

協賛社のブースでは商品も展示。プロモーション活動も行なっていました。「Surf in MUSIC in 北泉」オープニングはアウトドア、サッカー、クラフトビールを愛するウクレレシンガーの宮武弘。

「Surf in MUSIC in 北泉」日本生まれ、ハワイ育ちのChiuo Tia。

フードコートにはそれぞれ特徴のあるキャッチコピーを掲げて、キッチンカーが並ぶ。

甲冑は15kgあるそうです。試着には20分ほどかかるとのこと。

乗馬体験も人気。多くの来場者が順番を待っていた。馬が可愛い。

この大きなドローンは1500万円するそうです。その他、付属のものを入れると値段は倍に。

キッズサーフィンスクールにはたくさんの子供達が参加。初めてのテイクオフに歓声が上がる。

フラだけだなく「トモダチプロジェクト」から、キッズダンスもお披露目。

文部科学大臣杯 2023年全国高等学校フラ競技大会『第11回フラガールズ甲子園』で4位に輝いた「ヴェリナ マハロ」。

遠い砂浜から選手はバギーに乗って凱旋。

今回の優勝トロフィーは特製の兜。

クロージングセレモニーでは、ジェレミー、ハーレーとも大会記念グッズなどがもらえる日本式「じゃんけん大会」で参加。

 

・大会オフィシャルサイト:https://kitaizumi-surffestival.com/