オーウェン・ライト(AUS)がベルズの試合を最後にWSLチャンピオンシップ・ツアーから引退することを発表。

引退を表明したオーウェン・ライト© WSL / Masurel

ベルズビーチ、ビクトリア、オーストラリア(2023年3月22日水曜日)-本日、オーウェン・ライト(AUS)(33歳)は、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2023チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第4戦「リップカール・ベルズビーチ Presented by Bonsoy」を最後に競技サーフィンから引退することを発表した。

 

ライトは、世界的に有名なベルズビーチでワイルドカードを獲得し、CTジャージを最後に着用し、友人、家族、そしてサーフィン界の中で、彼の素晴らしい競技キャリアを祝うこととなる。

 

10年以上CTで戦い続けてきたライトは、家族、コーチ、医療チームと相談し、慎重に検討した結果、引退を決断した。今後は競技から離れ、サーフィンへの情熱を追求し続ける。

 

オーウェン・ライト(AUS)は、2019年のタヒチ・プロでキャリア初の優勝を果たした。 © WSL / Dunbar

 

 

若くしてサーフィンのキャリアをスタートさせたライトは、すぐにこのスポーツのトップタレントの一人として地位を確立。

 

彼は、2010年にエリートチャンピオンシップ・ツアーのクオリファイを果たす以前に、オーストラリア・プロ・ジュニア・シリーズの完全制覇を含む数々の特筆すべき成績を収め、2011年のクイクシルバー・プロ・ニューヨーク、2015年のフィジー・プロ・クラウドブレイク、2017年のクイクシルバー・プロ・ゴールドコースト、そして2019年のOuterknownタヒチ・プロのCTイベント4大会で勝利を収めた。 

 

またライトは、コンペティションで20点満点のパーフェクト・ヒートを記録した5人のサーファーのうちの1人で、CT史上わずか8度しか達成されていない偉業。ライトは、クラウドブレイクで開催された2015フィジー・プロで、パーフェクト・ヒート・トータルを2回も記録している。

 

CTでの数々の功績に加え、ライトは2021年の東京オリンピックでオーストラリア代表として銅メダルを獲得。サーフィンのオリンピック・デビュー戦でライトは、厳しいコンディションと巨大なプレッシャーにもかかわらず、そのスキルを披露。

 

世界トップクラスのサーファーと対戦しながらも、終始集中力を切らさず、落ち着いて競技に臨み、表彰台に上ったのだ。東京オリンピックでのライトの銅メダル獲得は、同世代で最も優れたサーファーの一人としての地位をさらに確固たるものにする重要な偉業となった。

 

「オーウェンは、CTとオリンピックの両レベルで歴史を作り、サーフィンというスポーツの真の大使であった。彼がツアーから居なくなることは、とても寂しいことです。私たちは、彼の今後の活躍を祈るとともに、彼が次に何を成し遂げるか楽しみにしています。」

 

彼のシグネチャー・バックハンドのファンも多かったオーウェン・ライト(AUS)© WSL / Cestari

 

オーウェン・ライトは、WSLチャンピオンシップ・ツアーからの引退の決断について、より多くの情報を共有した。

 

 

「2015年に外傷性脳損傷(TBI)を負った後、自分自身と世界に、自分はまだ最高であることを証明したい、この生命を脅かす出来事を克服したいという思いが、私の回復を後押ししてくれました。8年後の今、挑戦と達成を経て、その目標を達成できたと、幸せに振り返ることができます。

今日、私は、サーフィンの最高レベルの競技から引退するという事をお伝えします。私の最後のイベントは、リップカールプロ・ベルズビーチで、私のキャリアを祝い、長年にわたって支えてくれたファン、友人、家族に感謝することを楽しみにしています。

「最近の私の頭部外傷と脳震盪の経緯を考えると、地球上で最もヘビーな波での競技は、もはや私の長期的な健康にとって最良のことではなくなっています。私はキャリアを通じて、このようなコンディションで優れた成績を残してきましたが、私の病歴を考えると、この種のサーフィンに伴うリスクは、私のような立場の人間にとってはあまりにも大きいのです。

「サーフィンを完全に引退するわけではなく、ヘビーな 波のサーフィンのみから引退します。サーフィンを愛し、このスポーツに感謝しながら、一生サーフィンを続けたいと思っています。

「私の人生の新たな章において、脳の健康のために声を上げ、キャリアを通じてTBIや脳震盪に見舞われたあらゆるスポーツのアスリートの支援者となることができればと思います。

「WSLとリップカールは、今年のリップカールプロ・ベルズビーチでのワイルドカードを私に提供してくれました。私の家族、医療チーム、そして私は、この場所が、ゼッケンを脱ぐ前の最後の試合としてパーフェクトな場所であることに同意しました。

そして、この機会を与えてくれた長年のスポンサーであるリップカール、アリアンツ、ドメティック、オーシャン&アース、ワールド・サーフ・リーグに感謝し、私のキャリアを通して与えてくれたすべてのサポートに感謝します。

 

 

オーウェン・ライト(AUS)は2017年、クイックシルバー・プロ・ゴールドコーストで優勝し、チャンピオンシップ・ツアーに完全復帰した。© WSL / Cestari

 

海以外でライトは、サーフィンのコミュニティにおいて、TBIの認知度を高め、ポジティブな変化を促進するために自らのプラットフォームを活用することで、力となってきました。競技から離れた今、ライトはこの分野で活動を広げていきたいと考えている。

サーフィン界は、オーウェン・ライトの貢献に感謝するとともに、彼の今後の活躍を願っている。

 

詳細は、WorldSurfLeague.comをご覧ください。